2012年12月26日水曜日

2012パパ読書大賞!

ベルリン映画祭やベネチア映画祭のように、金熊賞とか金獅子賞とか、タイトルを少し考えたが、まあ、今年はこれで行かせてもらいます。ちなみに写真は、お気に入りの店の、名物パンケーキwithフランクフルト。東京時代はだいぶお世話になった。

2012年は、73作品82冊を読み切ることができました。では、昨年よりグレードアップしてお届けしましょう(笑)。まずは読んだ作品一覧。( )の数字は巻数を表します。

冲方丁「天地明察」
沢木耕太郎「チェーン・スモーキング」
村上春樹「羊をめぐる冒険」(2)
伊吹有喜「風待ちの人」
スティーグ・ラーソン「ミレニアム」(2)
君塚良一・金沢達也「ニュース速報は流れた」
村上春樹「スプートニクの恋人」
宮部みゆき「理由」
辻村深月「冷たい校舎の時は止まる」(2)
村上春樹「うずまき猫の見つけ方」10作品
山崎豊子「沈まぬ太陽」(5)
平山讓「ファイブ」
辻村深月ほか「宇宙小説」
恩田陸「劫尽童女」
北村薫「秋の花」
北村薫「ターン」
渡辺俊介「アンダースロー論」
リチャード・コーフィールド「太陽系はここまでわかった」
伊坂幸太郎「砂漠」
宮下奈都「スコーレNo.4」
北村薫「スキップ」
ジュリアン・シモンズ「シャーロック・ホームズの復活」

葉室麟「風渡る」
三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ
「栞子さんと奇妙な客人たち 」
「栞子さんと謎めく日常 」
「栞子さんと消えない絆 」
高野和明「ジェノサイド」
百田尚樹「永遠の0」
ローリー・キング「シャーロックホームズの愛弟子 バスカヴィルの謎」
川上弘美「センセイの鞄」
隆慶一郎「一夢庵風流記」
福本豊「走らんかい!」
村上春樹「ノルウェイの森」 (2)
誉田哲也「武士道シックスティーン」
桜庭一樹「私の男」
江國香織「きらきらひかる」
道尾秀介「ソロモンの犬」
貫井徳郎「ミハスの落日」
東野圭吾「ガリレオの苦悩」
畠中恵「いっちばん」 40作品
藤波辰爾 長州力「名勝負数え唄 俺たちの昭和プロレス」
北村薫「街の灯」
北村薫「夜の蝉」
北村薫「玻璃の天」
貫井徳郎「慟哭」
マンリー・W・ウェルマン&
ウェイド・ウェルマン
「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」
東野圭吾「聖女の救済」
松谷みよ子「アカネちゃんとなみだの海」
ロバート・B・パーカー「晩秋」
伊坂幸太郎「ラッシュライフ」
窪美澄「晴天の迷いクジラ」
村上春樹「国境の南、太陽の西」
有川浩「クジラの彼」
宮本輝「葡萄と郷愁」
中山七里「おやすみラフマニノフ」
佐々木譲「廃墟に乞う」
北村薫「紙魚家崩壊」
藤島大「スポーツ発熱地図」
誉田哲也「武士道セブンティーン」
誉田哲也「武士道エイティーン」
森絵都「風に舞い上がるビニールシート」
北村薫「空飛ぶ馬」
辻村深月「鍵のない夢を見る」
柚木麻子「終点のあの子」
森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」
高田郁「みおつくし料理帖シリーズ」
「八朔の雪」
「花散らしの雨」
「想い雲」
森博嗣「すべてがFになる」
熊谷達也「邂逅の森」
三浦しをん「舟を編む」
有川浩「海の底」
有川浩「空の中」

やはり12ヶ月で見ると壮観。今年は新しい職場にも慣れたし、いいペースで読めました。では常識?と反対に、グランプリから発表しましょう!

「2012年パパ読書大賞」は ・・

熊谷達也「邂逅の森」

でした!理屈っぽい&どれかというと女性的な感覚が好きなパパからすると、だいぶ武骨な、秋田のマタギの話。雰囲気、舞台設定、話の流れと、迫力。直木賞作品。環境的に、今年他の直木賞を読んだ際、たまたま短編集が多く、がっつりしたものを求めていたタイミングでもあり、またふだん女性的な作品をたくさん読んでいるので、余計に響いた、というのも有るだろうが、唸らされた。

さて恒例のランキング。グランプリの下にランキング1位が有るのは不自然という向きもあろうが、そこはボクシングもチャンピオンの下にランキング1位が居るという事で。

2012年パパ読書ランキング

1位 村上春樹「国境の南、太陽の西」
2位 柚木麻子「終点のあの子」
3位 宮下奈都「スコーレNo.4」
4位桜庭一樹「私の男」
5位北村薫「玻璃の天」
6位辻村深月「冷たい校舎の時はとまる」
7位窪美澄「晴天の迷いクジラ」
8位北村薫「スキップ」
9位冲方丁「天地明察」
10位誉田哲也「武士道セブンティーン」

「国境の南、太陽の西」
ハルキをほんとは1位に持って来たくないのだが(笑)、感銘度、ということになるとやはり1位。自分の心に嘘はつけないな〜。
普遍のテーマに正面から斬り込むハルキの良さが出た作品だと思う。

「終点のあの子」
女子高生もの。フレッシュな心理描写に敬服。いや、みずみずしいとはこの小説のようなもののことを言うのでしょう。

「スコーレNo.4」
思い切った文章表現も好きだし、丁寧に生活と仕事と感性を描いた佳作。書評をたまたま見かけて購入した、掘り出し物。

さて、その他の賞です。

年間特別賞
平山讓「ファイブ」

バスケットボール男子、佐古賢一選手ら、JBLのアイシンに集った個性的なメンバーの物語。ノンフィクションである。個人的に感動する作品。

優秀エンタテインメント賞

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ

有川浩「海の底」

「ビブリア」は、古書店の世界を舞台にした「古書ミステリー」とでもいうもの。知的エンタメではまった。

「海の底」は、巨大人食いエビの群れが、横須賀を襲う話。まあ面白いからホントに。騙されたと思って読んでみて、という作品。

エンタメとしては、「武士道シックスティーン」シリーズに、「みおつくし料理帖」シリーズも良かった。

意外にびっくりしたで賞

松谷みよ子「アカネちゃんとなみだの海」

ただの児童書かと思ったら、衝撃的だった一冊。うーん、作家の個人的な話だから、好き嫌いはあるかも。

おすすめハードボイルド賞

ロバート・B・パーカー
「初秋」&「晩秋」

ハードボイルド界では有名なスペンサーシリーズ。両方合わせて読むと傑作と思う。ハードでセクシィで、なおかつ親子の情を考えさせられる。

ライフワーク賞(作家)

北村薫

大ヒットした「スキップ」「ターン」「リセット」の「時と人三部作」に、「ベッキーさんシリーズ」の「街の灯」「玻璃の天」そして直木賞を受賞した「鷺と雪」の三連作。さらに円紫さんシリーズの、「空飛ぶ馬」「夜の蝉」「秋の花」・・今年全般的に、自分の読書の方向性がやや見えたが、ひとつの特徴を成すのが、北村薫であろう。品良く緻密。ここまで知的、感性的独自色を出せるミステリは珍しい。例えば「ターン」は、話としてはまずまずだが、色彩というか、全体に絵画的な印象付けのうまさに感服させられた。全体に、いつも絵が浮かぶような美しささえ感じる。今後もライフワークとなる作家となった。

いかがでしたでしょうか。

総評としては、他の作品も決して質は低くなかったと感じているし、充実した1年だったと思っている。様々な作品を推薦してくださった皆さん、本をお借りした方々に御礼申し上げます。

さあ、来年も、読むぞ〜!

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