2011年12月31日土曜日

白鷺〜White egret〜

冬休みに入ってから、犬たちの散歩が日課となっている。河川で、鷺の写真が取れた。飛んでいる写真は、これでフレームの真ん中ならば〜!という一枚。ズームいっぱいにしても、意外とキレイ。iphoneも性能良くなったもんだ。

30日は、CSで、楽しみにしていた、「映画名探偵コナン ベイカー街の亡霊」を観た。ゲームの中で、1888年のロンドンを舞台に、ジャックザリッパーとコナンが対決するというものだが、ホームズの家でコナンがホームズのポーズを取ったり、ハドソンさんにベイカー・ストリート・イレギュラーズと間違えられたり、モリアーティは出るわモラン大佐は出るわ、おちゃらけなれどアイリーン・アドラーは出るわ、名前だけレストレイドも出たしで大いに楽しめた。ちなみにホームズは「バスカヴィル家の犬」の解決のためダートムアに居る、という設定だったようだ。ホームズの全盛期に、なぜ切り裂きジャック事件の捜査に乗り出していないのか、というのはシャーロッキアンたちにとって魅力的な、なおかつ永遠の謎となっている。

劇中で、ホームズが初めてモリアーティ教授と対峙した時の会話がキーとして出てくる。追い詰められたモリアーティが、手を引かないと「避けることの出来ない破滅」がその身を襲う、つまり殺すぞ、と脅した後のホームズのセリフだ。「君を確実に破滅させることが出来るのなら、公共の利益のために、ぼくは喜んで死を迎え入れる」

このモリアーティとの対決の話である「最後の事件」は、それまでの作品で全く触れられていなかった黒幕、「犯罪界のナポレオン」モリアーティが突然出て来る事や、逃亡劇の粗雑さなどから批判の声も有るのだが、ドラマとして私はとても好きであるし影響も受けた。私的には、コナンで取り上げられたところより少し前の部分が好きだった。

モリアーティ「あくまでやるのか」
ホームズ「当たり前だ」

とやりあう場面。私が新たに購入した光文社新訳では、ホームズのオフコースの部分が「もちろん」となっている。こちらの方が確かにホームズらしくも思えるが、少年の頃、また社会人になったばかりのころ再読したものでは「当たり前だ」となっていて、宿敵を前にしたホームズの、珍しい闘志にドキドキしたものだった。まあこんな事まで思い至ることの出来る時間は楽しいものだ。

買い出しに行って、息子と神経衰弱やガンバライドなどして遊び、また出掛けてTV誌買って来て風呂に入ってギョーザの晩ご飯食べてニュー本棚に本を片付けて今に至る。本はまだ押入れに段ボールひと箱ある。細い本棚はもうぎゅうぎゅうだ。処分するものはしてしまおう。

白鷺は、吉兆か。河川にはよく居るが、こんなに近い写真を撮れたのは初めて。2012年がいい年になりますように。

2011年12月26日月曜日

Winter cup

きょう午前は、妻子は耳鼻科。子供の咳鼻水に、ママも体調悪く自分も診てもらったようだ。パパはその間、高校バスケットの選抜優勝大会、ウィンターカップを観ていた。昔対戦した福岡大大濠や、女子の札幌山の手、桜花学園などが観れて興味深かった。平日休みで、のんびりである。しかし不思議な気分でもある。

単身赴任が続いていたら、このクリスマス3連休こちらで、きょうの早朝には東京に戻って年末の挨拶まわりをして、仕事納めでまた関西で、となっていただろう。のんびり出来るのは、なんと素晴らしいこと。でも経験して初めてわかる有り難み、かも知れない。

クリスマスのお食事は、自宅でチーズフォンデュ。楽しく美味しくいただいた。パパは食べ過ぎて、深夜まで腹痛に苦しんでいた。(笑)

今年1番の寒波、瀬戸内側では雪が降ることはあっても積もることは滅多に無いが、なにせ寒い。息子はコホンコホン言ってるので、遊びの外出は禁止としている。可哀想だが、昨年の年末がえらい風邪で大変だったし已むを得ない。どんなんだったかは昨年のブログ参照、である。ソロバン塾、歩いて10分くらいの道のりを完全防備で送り迎え。帰りは雪がわっと短時間に降って、息子大喜びだった。

隣の神社はもうお正月モードで、「謹賀新年」という大きな垂れ幕が掲げられている。毎晩その前で煙草を吸うパパ。こないだは、ちょっとここ最近では見なかったくらい大きなイノシシが居た。夜空では、春の星座がはや南東の空に顔を出していて、流星がひとつ、すっと消えて行った。

本当に、様々なことがあり忘れ難い2011年も暮れて行く。独り、浮かんでは消えるシーンをなぞっていた。

2011年12月22日木曜日

My books

いま横浜だ。出張多くなるだろな、と思ってはいたが、やっぱり多い。ここクリスマス前の横浜は忘年会かなと思える人もいるものの、正直ふつうのウイークデーといった感じで人もあまり多くない。
さて、今年1年の読書を振り返るという企画である。年頭は東京で、角田光代「ひそやかな花園」から始まった。ここはひとつ、全て書いてみよう。

角田光代「対岸の彼女」、恩田陸「球形の季節」、角田光代「恋するように旅をして」、遠藤保仁「信じる力」、松崎康弘「審判目線で見たフットボール」、重松清「季節風 冬」「季節風 春」、ロバート・B・パーカー「初秋」、折原一「漂流者」、恩田陸「不安な童話」「三月は深き紅の淵を」「光の帝国 遠野物語」「象と耳鳴り」、門井慶喜「天才までの距離」「天才たちの値段」、恩田陸「木曜組曲」、誉田哲也「ジウ」、楢崎正剛「失点」、H・F・ハード「蜜の味」、恩田陸「月の裏側」「麦の海に沈む果実」「上と外」「pazzle」「ライオンハート」「MAZE」、吉田修一「パレード」、荻原浩「四度目の氷河期」、歌野晶午「長い家の殺人」、恩田陸「ドミノ」「図書室の海」、マイケル・シェイボン「ユダヤ警官同盟」、千住真理子「聞いてヴァイオリンの詩」、宮部みゆき「火車」、横山秀夫「ルパンの消息」、中村計「甲子園が割れた日 松井秀喜5打席連続敬遠の真実」、須川邦彦「無人島に生きる十六人」、湊かなえ「告白」、橋本紡「流れ星が消えないうちに」、「大橋巨泉の美術鑑賞ノート」、フィリップ・
K・ディック「高い城の男」、浅田次郎「日輪の遺産」、重松清「季節風 夏」、夏川草助「神様のカルテ」小池真理子「午後の音楽」、井上荒野「切羽へ」、真保裕一「最愛」、恩田陸「中庭の出来事」、辻仁成「海峡の光」、中山七里「さよならドビュッシー」、恩田陸「黒と茶の幻想」、重松清「季節風 秋」、角田光代「空中庭園」、「最後の恋」、窪美澄「ふがいない僕は空を見た」、吉野弘「二人が睦まじくいるためには」、池井戸潤「下町ロケット」、湊かなえ「境遇」、安達千夏「モルヒネ」、吉田修一「あの空の下で」、北村薫「鷺と雪」杉山茂樹「3-4-3」、角田光代「ドラママチ」、高野和明「13階段」、北村薫「リセット」と65作品。やはり1年積み重なると違う。

いま沢木耕太郎「チェーン・スモーキング」にかかろうとしていて、冬休みも読むだろうから、もう3冊いけたら、てなところかな。ちょっと気が早いが、大賞と5位までを発表すると・・

大賞 「リセット」北村薫
1位 「対岸の彼女」角田光代
2位 「モルヒネ」安達千夏
3位 「13階段」高野和明
4位 「パレード」吉田修一
5位 「四度目の氷河期」荻原浩
次点 「ドミノ」恩田陸
「神様のカルテ」夏川草助

ああ、私としたことが、最高賞にファンタジーを選んでしまった。しかも最近読み終わったのが多く、なんて分かりやすい(笑)。
「リセット」はかなり感じ入った作品となった。「鷺と雪」が序章となって、大きな感動を導いてくれたような気がする。時代考証と構成が非常に緻密で、背景に流れるものが見え、ストーリーも恣意的なものが無く自然に流れ、オチも秀逸。これが作家の力というものなのか、という感じだ。表現やエピソード単体から、全体で一つの本を編み込んでいる、というのがこんなに感じられた事はなかった。感情的にも「かなわんなぁ・・」と思わされた。

「対岸の彼女」は描かれているエピソード以上に、心に残ったものがあった。完成度と計算性の高い作品。「モルヒネ」は深く、作り込まれた作品。救いが無い部分もあるが、揺さぶられる部分もまたあった。「13階段」これも重いテーマ。気骨のあるサスペンスだと思う。「パレード」は、怖かった。読書しながらあんなにゾッとさせられたことも無いだろう。「四度目の氷河期」は好き、で入賞。「ドミノ」は個人的には恩田陸の転換期的なお笑い作品。「神様のカルテ」は変わっているが今年1番泣いた本。というわけです。

ああ長かった。でもとても充実した年間読書だった。来年も、読むぞ〜!

2011年12月19日月曜日

Love princess

松山に行って来た。タイトルは愛媛、を無理矢理英語にしたものである(笑)。

当地では仕事の他、東京時代の友人と貴重な時間を過ごす事が出来た。最近その手の会話をしていなかったこともあって、思い出話に華が咲いた。癒された。

松山は、学生時代に車で四国一周旅行をしてから、25年ぶり2回目。空港からバスで市街へ出て、当時記憶に残ったオレンジのアーケード街が「大街道」という地名だと知る。

今回も短い滞在だったが、松山には、独特の空気があって、どこかワクワクさせられた。やはり「坂の上の雲」のイメージだろうか。日本列島は今年一番の冷え込みとなったが、何となく暖かく、余裕かあって大らかな雰囲気が街を包んでいて、私を和ませた。

行き帰りの飛行機と待ち時間と空港バスで、高野和明「13階段」を一気に読んでしまった。いや、重いテーマだったが江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く、というキャッチコピーは嘘ではなく、こりゃ面白いわーというサスペンス。緻密に練り上げられたプロットと構成、平易な文体。盛り上がるゾクゾク感もいい。最近の読書はホンマに充実ですな。

そんなこんなで、少々疲れたけれど濃密な松山行だった。

2011年12月14日水曜日

Masked Rider

火水と連休で、今日の休みは午前片付け、昼は2頭の犬の散歩に行った。陽が出ると河原はぽかぽかと暖かい。家で昼ご飯食べて、息子帰った後、仮面ライダーフォーゼとオーズの映画を観に行った。長年?子ども映画を観ていると、なんしかトレンドが分かる。

いまは、戦闘シーンに迫力とスピード感を出す為に、CGを多用するのが旬だ。これは、おそらくウルトラマンシリーズで使われたのが初めてだと思う。2007年の「大決戦!超ウルトラ8兄弟」で私は初めて観た。今回の仮面ライダーにも結構ふんだんに使われていて、迫力があり面白かった。まあ宇宙がモチーフでもあることだし。個人的には仮面ライダーダブルが活躍したのが嬉しかった。

大満足、のはずが、映画の後、テレビのウルトラマン列伝の録画予約をして来なかったのが発覚、しかも最新の映画からのシリーズ最終回だったものだから息子はかなりな不機嫌となり、なんと自ら行方不明に。生まれてから初めて、所在が分からなくなった。たまたま息子を覚えていてくれた通りがかりの親切な方が連れ戻ってくれたのだが、少々焦った。

泣きながら戻った息子、さらにごねるので、ママに外で厳しい指導を受け、大泣き。パパも最初は本気で叱ったが、最後は抱っこでなだめざるを得ず。たまたま当てずっぽで、すぐBSジャパンで放送するよと言ったら、これがホントで、日曜に同じ回があるという事が分かり、感情的にも事無きを得た。

やれやれ。反省も、考える部分もあり、参った休日でした。

2011年12月13日火曜日

Season ticket

昔、「シーズンチケット」というイギリス映画を観に行った。プレミアリーグのシーズンチケットを買うために、貧しい少年たちが作戦を立て・・という物語だったのだが、途中にとても感動した。

昔父親に、サッカー観戦に連れて行ってもらった話をいつもする主人公。しかしそれは自分の体験談ではなく、きょうも主人公は、友人にその話をして聞かせてくれとねだる。少年の切ない憧れが、心にきて、泣けた。脚本家の才能を感じた作品だった。

11月は、吉野弘「二人が睦まじくいるためには」、池井戸潤「下町ロケット」、湊かなえ「境遇」、安達千夏「モルヒネ」、吉田修一「あの空の下で」の5冊となった。今年初の詩集となった「二人が・・」には、新鮮な響きを感じた。難解な現代詩が多い中、分かりやすく、広く愛されている詩集、との事だった。頂いた方に深く感謝し、その感覚に心から敬意を表します。

「下町ロケット」、直木賞受賞作。ロケットの話だし、愛せる、力のある作品だと思う。しかし、都合が良すぎる点も多々あり、どうも素直に受け取れなかった。小惑星探査機「はやぶさ」の成功という時流にも乗ったと思う。ただ、おそらく、そのような批評は織り込み済みで描いたのだろう。昨今の余裕のない世の中に向けて放った矢とも言えるだろうか。「境遇」は、主人公の二人が宿命的に向き合う、という、少々先が読める物語である。ただ、仕掛け的には面白い。どうして、と思う場面もあるにはある。

「モルヒネ」は先に書いたが、圧倒的な表現の量にやられた、という感じだ。恋愛とは、いや恋愛感情とは、結局、シンプルなもの、だが、だから余計に心に来る。最近、子供を相手にしていて、子供は親に愛情を求めるのに躊躇が無い。スキンシップひとつにしてもそうだ。でも、そうして欲しくても、素直に言えないのが、大人になってからの恋愛感情ではないかと思う時がある。いやまあしかし、最近はあまりリアルでもないので、この程度にしよう。ともかく、11月のMVPである。

「あの空の下で」は、重松清をもう少し若くしたような感じだ。本当に短いので読みやすい。全日空の機内誌に掲載されたものだという。ライトを求める方にはいいだろう。

日曜日は、また、神戸の科学館へ行った。もはや息子は科学館慣れして、大好きなよう。土曜の月蝕は、独特の欠け始めの形や、静かに進行して行くところ、完全に隠れる前の形と色の綺麗さ、また皆既中の赤銅色、明けの光など、本当に美しく楽しめた。今度ビデオ見ようっと。次は来年の金環食だな。

2011年12月10日土曜日

Lunar eclipse

いま皆既月蝕を見ている。日本の各地で、途中で沈むこともなくいいコンディションで見られるのは11年ぶり。寒いのはいいのだが、ここ東神戸はかなりの強風である。

自宅ベランダで完全防寒、コーヒーにビデオカメラに双眼鏡、残念ながらiphoneではこれくらいの写真しか撮れなかった。ビデオは最初はだいぶとんでいた=ぼかしたようになっていたが、花火モードにして、絞りこむ設定に、マニュアルでしたらよく映るようになった。

欠け方が、上弦のとき、いわゆる普通の三日月とは違い、端のほうが真っ直ぐに近く残る感じで、幻想的だ。オリオン座の斜め上で、まさにさんざめく星たちと一緒。空気は澄んでいる。静かだ。なんて美しく贅沢な時間なのだろう。

2011年12月5日月曜日

Get tough!

暖かかった今年の秋、ついこの間まで、自宅近くをイノシシがうろついていたが、寒くなってパッタリと見なくなった。

なかなか新しい職場は多忙で、11月は結局5冊の読書に留まり、12月ももう5日だというのに1冊も読了していない。ちなみに北村薫の直木賞受賞作「鷺と雪」に、杉山茂樹のサッカー本「3-4-3」を並行して読んでいる。「4-2-3-1」は名著だと思ったが「3-4-3」はいまのところ、そこまで達してない感じだ。ちなみにこの数字はサッカーのフォーメーションのことで、最初の数字はディフェンダーの数を指す。最後の数字はいわゆるフォワードの事で間の1つもしくは2つの数字がミッドフィールダー、中盤の選手の数の事である。

この土曜日もパタパタ外出し、iphoneを4Sに替え、ipad2も入手。しかしそれをゆっくりいじる間もなく、パパは日曜早朝から仕事。昼終わりで梅田で待ち合わせ、妻子とポケモンセンター大阪に行ったが、これがとんでもない人の数で、レジまで1時間。一瞬東京に戻ったかと思った。結構重めのバッグを持って、ダウン着て並んでいたパパは暑いわ重いわ眠いわで少々やばかった。さらにその後、息子と、大阪の科学館へお出掛け。神戸に比べやや狭い印象だが、作りがモダンで、子供が遊ぶ実験的な仕掛けも多く、息子はミニ竜巻を起こしてみたり、実物大の交通信号の色を変えてみたり、磁石で遊んだり、惑星の重力の違いによる自分の体重の違いを計ってみたりして大いに楽しんだのでした。もちろんパパも一緒に遊んで楽しかったけれど、最後のほうはさすがにヘロヘロ。夜は早々から爆睡したのでした。

男はタフでなければ生きていけない。ちょっと骨身にしみたかな。