真珠をキーにした短編集。カッコよすぎます。
大阪ではこの夏、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を中心とした展覧会がある。日本に来るのは14年ぶり。絵画の中で最も万人に知られているものの1つだろう。その年、数か月前に原田マハのこうした作品を読むのは、やはり高揚感を覚える。どうやら、真珠のMIKIMOTOの公式ウェブサイトに連載されたものらしい。
「フェルメールとの約束」
「庭の朝露」
「真夏の夜の夢」
「ユーレイカ」
「いつか、相合傘で」
「あの日のエール」
「海からの贈りもの」
が収録されている。海外や国内で活躍する、また羽ばたこうとしている主人公たちの、真珠とのかかわり。しかしネックレスにしても、ピアスにしても、虹色を秘めた、白が深く詰まったような真珠の輝き、色合いには特別感がある。それを際立たせるような作品たち。
冒頭作は読んでのお楽しみ。京都、イギリス郊外、シモキタ、冬のシカゴ、空港から運転中の首都高速で、真珠のアクセサリーが閃く。主人公が心惹かれる人物が身につけている。
しかし設定や主人公の立場やストーリーの進行がニクいほど洒脱でなおかつエスプリが効いている。カッコよすぎる。あえて詳しくは書くまい。
物語そのものに添えられる真珠の深い白。さりげなくフェルメールの解説も入っている。
私の部屋の一角はアートの絵はがきやリーフレットなどを置いている。奥のコーナーにはずっと「真珠の耳飾りの少女」のカードが、ミニイーゼルに載っている。ある日模様替えでも、と外したその日に、入ってきた小学生の息子がすぐ
「あれ?あの女の人の絵は?」と当惑った感じで私に訊いた。子どもにも、印象に強く残るパワーが世界の名画ってことなのかなと妙にしみじみと考えたものだ。だから、10数年経った今も同じところにある笑。
ラストの「海からの贈りもの」を読むと、英虞湾を訪ねたくなる。鳥羽には何十年も行っていない。真珠探訪も、いいかも知れないな。
0 件のコメント:
コメントを投稿