2026年4月5日日曜日

コンサートとドーナツ

土曜日とはうって変わってよく晴れて気温が上がった日曜日は京都でコンサート🎻

佐々木つくし、という若手が2024年にプラハの春国際コンクールで、2025年にはメンデルスゾーン全ドイツ音楽大学コンクールで第1位を獲得したと目にして覚えていた。すると今回京都を含む2公演するというので貴重な機会と京都・北山のコンサートホールへお出かけ。

早くに行って、1950年創業の名店で本まで出ている六曜社さんへ。12時までのモーニング、めちゃうまとSNSで読んだマーマレードのトースト+ゆで卵。そして12時からの、評判高い自家製ドーナツ。

トーストをザクザク。熱い厚い食パン、しっかり焼いた面にマーマレードがよくなじむ。ドーナツはしつこすぎず甘すぎず、パクパクと食べてしまう味。満足。次に来る時はパウンドケーキやロールケーキを頼もうかなと。

フランソア、ソワレ、築地、スマート珈琲と老舗さん行って次は六曜社と決めてたので嬉しいっす。

コンサートは
・レスピーギ「ボッティチェリの3枚の絵」
・モーツァルトヴァイオリン協奏曲3番
・ムソルグスキー「展覧会の絵」

弦が繊細な音を奏で、それぞれ表情を変えるレスピーギの3曲。そしてコンチェルト。桜色のドレスの佐々木つくし。この3番コンチェルトはヒラリー・ハーンやジャニーヌ・ヤンセンでかなり予習した。いかにもモーツァルト、の明るく跳ねるようなメロディーで始まる第1楽章、ヴァイオリンの聞かせどころも多い。第2楽章は語りかけるように、そして第3楽章のロンドは、途中、突然挟まる短調、テンポを落としたフレーズが哀愁を醸し出し、風情を盛り上げていて好ましい。

佐々木つくしは丁寧に、しっかりと、音を刻んでいく。確固としたものと見ていて聴いていて、何というか、信頼できる雰囲気がある。2楽章、そして終楽章の転調、とても良かった。

重厚で壮大な「展覧会の絵」を聴き切って気持ちよくホールを後にしたのでした。

2026年4月4日土曜日

出会いと別れとひと区切り

季節です。この週は送別会・歓迎おつかれさま会。週末帰り、最終1本前のバスはひさびさに混み混み。

桜、先週末から今週にかけて満開へ。地元は名所100選入りしてて、昼時のスーパーのレジは大変な行列になったりする。でもこの土曜日は日がな雨で、店も静かなものだった。日曜日は晴れるようなのでにぎわうかなと。

彗星がにぎやか。いまMAPS彗星が来ている。太陽への最接近で崩壊しなければかなり明るく肉眼で見えるかも、ただし西のチョー低空。我が家の西側は六甲山系でとてもムリ。先日試しに見回してみて、やはり山、と諦めて逆の東側を見ると、ビル街の上に赤い満月が。不気味、高度が低いから大きい、そして円ではなくて立体感を伴い球、ということを感じる。平安の昔なら不吉だと言われていただろうな、なんて思うくらい。

でもおもしろい。見れて良かった赤の月🟥🌕

まあこういうふうで、それなりに春っぽい新年度最初の週なのでした。

ライオンズ🦁弱い・・

4月中旬にはPANSTARRS彗星が見頃らしいのでまたほうき星を探して早起きしよう。

4月書評の1

上はチラシを貼り合わせた自作ブックカバーです。もう破れがあったりするけど結構お気に入り😆

◼️最果タヒ「パパララレレルル」

言葉でぴったりこない感情を模索する短編集。

最果タヒは詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」が映画化されるなど人気の詩人・作家だ。これまで最初の小説「星か獣になる季節」、第一詩集、中原中也賞を受賞した「グッドモーニング」を読んだ。

詩集では+、/などの記号を使ったり、行をずらしたりと意味を理解しにくい、でも出来るだけの表現をしたい、という気持ちが伝わるような作品が多かった。そして最新の小説は短編集。やはり一筋縄では・・行かなかった。

多くは恋愛が絡むもので、人魚姫、眠れるの美女、竹取物語、ギリシャ神話、マッチ売りの少女、白鳥の湖、、白鳥の湖、親指姫などをパロディにしたり、美人とブス、隕石と殺人、またビー玉に惹きつけられる「真珠のネックレス」などもなかなか怪しい。

まあその、ふつうの物語ってわけではもちろんない。シチュエーションは理解できるし、もう少し整理すればふつうの物語が多い。

真ん中に、ビルの広告看板、赤いシャッター、CDケース、本棚の本の背表紙に文章を載せている「きみはPOP」がある。実験的マインドは忘れまい、いう心意気は立派。売れるための歌に走った女性シンガーのモノローグ・ストーリー。

物語になると少々、いや結構かなり理屈っぽく、話は確信からあちこちにそのものズバリでなく、ぴったりとこない感情を言葉によって、不完全でもいいから、何でもとにかく表そうとしているようにも感じる。不思議な会話に翻弄されながら、なんとなく読み進む。

まあ理解できてる、とはとても言えない。ただ神戸出身で、関西弁も織り交ぜたりした作品を読むと、曖昧な何かが少し見えてくる気がしている。にも?が付きそう笑。殺人、ピストルなど毒も多い。

ともあれ、もう少し読みたくなる作家さんだ。

3月書評の12

◼️ 燃え殻「それでも日々はつづくから」

毎年恒例らしい福島応援ブックカバーの上から季節もの、桜をあしらった布ブックカバー。その上はCHIHIROのフィナンシェ。美味しいです😋わが家のお気に入り。

最近何かと見かける方のエッセイ集。いかにも現代の・・という感じ。ふむ。気に入った。

SNSの定番でもはやOLDになってきたものは目を通している。読書関係のものが多いけども、燃え殻は最近かなりの頻度で見かける。ペンネームも近ごろ少し、なんというかハネてる気味のものが増えて、その類の作家さんは敬遠してたけども、何か一冊買おう、というタイミングで目に入り、そんなに売れてるならと手に取った。

過去の恋愛経験(かなり豊富である)、自分の周りの突飛な知り合いのこと、主にネットやSNS文化に浸りきった人の行動、そして自分の生きにくさ、大雑把に言うとこんな分類で40余りのエッセイとミニ漫画、さらにミニコラムが収録されている。

人と話すときマウントを取らないと死ぬんじゃないか、という人、謝らないミュージシャン、そのとき俺がなんて言ったかわかる?と答えのない質問をした上に、俺日本昔ばなしを押し付ける人、スタバでリモート会議に参加して大声で機密事項をしゃべる人、などなど、読み手があーあるある、とうなずいてしまいそうな話も多い。お店でのサインと、サイン本を数百冊作ったエピソード、ほか写真撮影、ラジオ出演、ネットでの交流?の話などなど、だ。クスッと来る話、ノスタルジー、少し純文学的な要素も、特に恋愛体験談にうかがえるような。

読んで行くうちに、あ、好きかも、と思えてくる。エピソードの選び方もそうだが、なにしろ文章が流れるようで、大げさだったり、小難しい表現がない。短い中にいくつかの要素を入れ共通点というか、与える影響が似ているようなことを抽出したりする。そしてスッと退くように終わる。ふむふむとなったり、クスッと笑ったり、あるある、と考え込んだりしているうちに、決してページ数の多くないこの本は読了してたりする。

大槻ケンヂの巻末の解説を読むと、著者は聞き上手なんだとか。なるほど、それを意識して読むと、自分がちょっと気弱でヘタレ、さほど売れてない作家、のようなイメージで描かれている中に、きらりと光る、文章の流れがある気がする。

次を楽しみに読もうかな。小説も読んでみたい。

3月書評の11

◼️原田マハ「すべてが円くなるように」

真珠をキーにした短編集。カッコよすぎます。

大阪ではこの夏、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を中心とした展覧会がある。日本に来るのは14年ぶり。絵画の中で最も万人に知られているものの1つだろう。その年、数か月前に原田マハのこうした作品を読むのは、やはり高揚感を覚える。どうやら、真珠のMIKIMOTOの公式ウェブサイトに連載されたものらしい。

「フェルメールとの約束」
「庭の朝露」
「真夏の夜の夢」
「ユーレイカ」
「いつか、相合傘で」
「あの日のエール」
「海からの贈りもの」

が収録されている。海外や国内で活躍する、また羽ばたこうとしている主人公たちの、真珠とのかかわり。しかしネックレスにしても、ピアスにしても、虹色を秘めた、白が深く詰まったような真珠の輝き、色合いには特別感がある。それを際立たせるような作品たち。

冒頭作は読んでのお楽しみ。京都、イギリス郊外、シモキタ、冬のシカゴ、空港から運転中の首都高速で、真珠のアクセサリーが閃く。主人公が心惹かれる人物が身につけている。

しかし設定や主人公の立場やストーリーの進行がニクいほど洒脱でなおかつエスプリが効いている。カッコよすぎる。あえて詳しくは書くまい。

物語そのものに添えられる真珠の深い白。さりげなくフェルメールの解説も入っている。

私の部屋の一角はアートの絵はがきやリーフレットなどを置いている。奥のコーナーにはずっと「真珠の耳飾りの少女」のカードが、ミニイーゼルに載っている。ある日模様替えでも、と外したその日に、入ってきた小学生の息子がすぐ

「あれ?あの女の人の絵は?」と当惑った感じで私に訊いた。子どもにも、印象に強く残るパワーが世界の名画ってことなのかなと妙にしみじみと考えたものだ。だから、10数年経った今も同じところにある笑。

ラストの「海からの贈りもの」を読むと、英虞湾を訪ねたくなる。鳥羽には何十年も行っていない。真珠探訪も、いいかも知れないな。

元町山手の隠れ家カフェ

兵庫県公館から歩いてすぐ。行きたかったカフェnazca birdさんへ。

通りに面したビル2F、大人の隠れ家的な雰囲気を漂わせる。

この可愛らしいカップたまりません。
ハミングバードケーキも美味しく食べ応えがある。対応も柔らかく、店内は静か。この日は早々に引き揚げましたが、一度ゆっくり本を読みに来たいお店でした。

必ず再訪します😉

3月書評の10

◼️ ハン・ガン「涙の箱」

ノーベル賞作家による、大人のための童話。

まさに涙が全編の中心、核で、種類を分けるだけでなく、もうひとつ掘り込んでる、気がする。

昔のある村に"涙つぼ"と呼ばれている子がいた。感受性が強すぎ、人々が予測も理解もできないところで涙を流す。いつも泣いてばかりいた。ある日、涙を集めている、というおじさんが村に来て、その子のことを「特別な涙を持っている子」と言い、いろんな涙を見せてくれる。袖口からは翼と尻尾が青いウグイスが顔を出していた。これから涙を売りに行く、というおじさんに、涙つぼの子はついて行くと決心するー。

涙の結晶って魅惑的。涙が核なだけに後半は泣くシーンが長い。でもやはり泣いて泣いて、泣き尽くさないと、という気もする。そして多くの涙を流した時、なにが問題で、どこがブレイクスルーなのか見えてくるものがある、ということだろうか。

ハン・ガンといえば2024年、アジア人女性として、70年代生まれとして、史上初めてノーベル文学賞を受賞した。「すべての、白いものたちの」しか読んでいないが、その散文調は新鮮で、さすがやるな、と思ったものだ。この本は表紙挿絵が児童もの画家として大変人気のjunaidaでハン・ガンも彼のファンで日本版を喜んでいるのだとか。挿絵は物語に添いつつもどこか超越していて、いせひでこさんを思い起こさせる。

主人公の子は男の子か女の子か明らかにされていない。私は女の子と思い込んで読んでいた。ちょっと大人びすぎているところも気になったといえばそうかな。変わった設定と、途中から出てくる、ちょっと宮沢賢治のような想像性と、人生を深く観る姿勢とが併せられて、不思議ながらも納得感があったりする。

おじさんの相棒、桃色で羽と尾が青い「明け方の青い鳥」も、まるでジブリに何かと相棒の動物が出てくるようでいいアクセント。鳥といえば物語の成り行きはヘルマン・ヘッセの「デミアン」に似てるかな(確か😅)

影絵を使ったのもなかなか楽しい。たしかに大人に問いかける内容かもしれないな、と。まあふつうの人は泣き尽くす、というほどのことは日常ではまず無いし、ある程度悲しい、悔しい思いをしていてもそれを直接人前で表すことには慣れていない。ハン・ガンさんはその点意見をもっているようではある。

ふむふむ、という感じの作品だったかな。junaida私も好きですね〜。また展覧会ないかなあ。

兵庫県公館

今日もきょう(3月28日)とて建築探訪。月に2回の兵庫県公館の公開日。1902年、明治35年の竣工。

やっと行けて嬉しい。こういった建築は、坂の多い神戸の街をきれいに見せるな、とは今日の感想。ぐっと暖かく光が強く、緑がまばゆい。

役割的に、式典などを行うのであろう、ホールのような大きな部屋、大会議室と応接室などの小部屋が並ぶ構造で、戦災や阪神大震災でダメージを受けた後、建設当時の姿に再建されている。

照明や一部のソファや絨毯のデザインは県の花である「のじぎく」をモチーフにしているんだとか。

コロナ等もあり、平日のみの公開、団体のみの申込制公開などを経て、この2月から第2・4土曜日に予約不要の一般公開が始まり、行きやすくなった。JR元町駅から歩いて5分。新神戸や三宮から地下鉄を使えば県庁前駅すぐ。西側に兵庫県警ビル、北側にいまの兵庫県庁。いわば官庁エリア。

1階と中2階のスペース、3階と屋上庭園。部屋やロビーには兵庫県にゆかりのある芸術家の作品が。神戸で育った東山魁夷や小磯良平の作品もあった(美術品は撮影不可)。

フランスへ留学した文部省技官山口半六の設計で、国内では珍しいフランス・ルネッサンス様式だとか。もともとは県庁舎で当時は日本最大級の庁舎建築だったそう。やがて迎賓館的な役割となり、いまも式典や賓客の接遇、会議などに利用されている。

屋上庭園のベンチでしばし休憩。気候的に快適な日。青空と名建築。桜もチラリ🌸

満足っす。