2016年11月7日月曜日

美術の日





いやー、メアリー・カサット展、ものすごく良かった。平安神宮近くの京都市立博物館。阪急と地下鉄乗り継いで行った甲斐あり。京都はやはり独特の雰囲気があり、ステキな街だ。

カサットは印象派がパリで活躍したころの、アメリカ人の女流画家でドガの盟友である。私はたまたま、原田マハの本で知った。母子の絵をよく描き、アメリカではかなり人気の高い画家らしい。しかし知名度は低い。

カサットの初期から晩年までの作品群と、影響を受けたという日本の浮世絵、さらに別の女流画家、マネの絵のモデルとしても有名なベルト・モリゾの作品、ドガの小品などが展示してあった。

何がと言って、おこがましいのを承知で書くが、センスがいい。全てを描くわけではないが、特に観劇をする女性、母子像、などは、手指や肩、髪の毛など、どこかポイントを決めて、リアルに、明るく描いているようだ。また衣服やリボン、アクセサリーなどがかわいい。顔もポイントを押さえていて明るく美しく、女子が描いている感がものすごく強い。色使いもハッとするセンスがあり、なかなか「ニクい」画家だ。さらに、展示されていた、歌磨呂、北斎の作品も凄く良く、ベルト・モリゾの「バラ色の服の少女」の絵、その衣服の描き方や表情に感銘を受けた。

私はすっかり感心し、どころかのぼせたようになって、2回廻って、売店で絵葉書4枚買って、さらに出入り口の売店で、展覧会の盛り上げでインタビューしていた江國香織の「日のあたる白い壁」という美術エッセイを買って、ついでにハンカチ忘れたから竹久夢二デザインのものを買った。

満足して、地下鉄東西線東山駅への途中にある洋食屋でランチ。相席になった、高そうな服を着たおじいさんが話しかけてきた。海外、おそらくイギリスに行き、全部日本語で話そうとしたら、近くにいた者が気を遣ってくれ、一流の通訳が来た。そして、誰も来ない別室が用意され、お互い忌憚なく意見を交換して友人となった。つまり、海外では日本語で通す方がいい、そしたら無料で一流の通訳のもと、で話ができ、知らない人と親友になっちゃえる、というのが一つ。さらに、イギリスは日本と違って100年単位で物事を考えるから、いま再度の日英同盟を望んでいる。それでプーチンのロシアに対抗しようとしている。ところでプーチンはシベリア鉄道を北海道まで延伸したがっているようだが、いっそのこと東京からロンドンまでリニアモーターカーで繋いでしまえば12時間で行けるから、飛行機いらなくなる、というのがもう一つ。

彼はこの話のレポートを内閣官房室宛てに書き送ったそうだ。ランチにビールを呑んでいたが、近くの家で奥さんとケンカしたらご飯作ってくれなくて1人店に来たらしい。私は、はいはいと聞いてさっさとランチを済まして店を出た。ハンバーグと魚フライとえびフライのグリルランチだった。

でもう大阪に帰ってきて、次は国立国際美術館でやっている、「ルネサンス期の巨匠たち」だ。昔はこの時代の絵なんて、宗教関連で、暗くて、好きではなかったが、5〜6年前に大橋巨泉の本で目覚めた。この時代の人たちはリアルめに上手い絵を描き、光と影が比較的はっきりしている。今回は、ティツィアーノの「受胎告知」とティントレットの「聖母被昇天」がメインだった。

メアリー・カサットも上手いとは思ったが、この時代の画家は、身に付けている布用の衣服のひだを大胆に、かつリアルに描く。そこが明らかに演出の一つだ。また髪の毛、髭なんかも上手い。

ティツィアーノの「受胎告知」はその荒っぽさ、大胆さに感心。ティントレットは職人的上手さを身に付けた人だと思った。いや、良かった。メイン2つの絵葉書買って帰る。

絵画はとてもいい。疲れた頭に新鮮な刺激を与えてくれる。今回の題材は、広がりがあって、色彩的にも目を満足させてくれた。

岩波文庫の、ハッブル「銀河の世界」を探しているが、どこにもない。もうインターネット通販かな。探しているうちに、ホームズものの新刊文庫を見つけてしまい(笑)、買わざるをえなくなる。日曜は三宮のブックオフ。紅玉いづき「ミミズクと夜の王」万城目学「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」レーモン・クノー「地下鉄のザジ」購入。

いったい本読みというものは、ああ名作系読んでないなあ、とか、同じ作家の本ばかりぐるぐると読んでるなあ、とか不毛に思い悩むものだ。私的には名作系と、今年は意図せずに児童文学とファンタジーが異様に多い。う〜〜む。

今年はまだ「来たっ」という本が無い、と言いながら本格を避けているよんな感じ。うーん、あまり長い作品は読む気がしないしなー。と不毛に(笑)悩む秋だった。

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