紀行、と行っても日帰りだが、人生初めて秋田へ行って来た。行きの飛行機は、久々に乗ったプロペラ機。やや肌寒いのは思った通りだった。
秋田と言えば、鳥海山、白神山地、釣りキチ三平、そして生はげ。鳥海山らしき山は飛行機から見えたが、市内はだだっ広い平野で、曇りのせいか山は見渡せない。米どころ、酒どころ、お土産には好きなにごり酒もあり、飲みたくなったが、荷物になるのでやめた。
駅前の本屋で
三宅博「虎のスコアラーが教える『プロ』の野球観戦術」
小杉健治「父からの手紙」
を衝動買いした。これも旅の楽しみの一つになっちゃってるが、秋田で阪神ものを、というのがおつである(笑)。
関西の桜は、平年より1週間早く4月アタマが満開、東京はもっと早かった。秋田の桜は、これから咲くそうだ。次は泊まりでまた来る。その前に名古屋だ。旅から旅だな。
2013年4月26日金曜日
2013年4月22日月曜日
寒すぎた週末
最近寒い寒いネタばかり。あっという間に暑いネタにるような気もしている。週末ばかり寒いなぁ。でもGWにはもう暑いだろう。
さて、金土日と外仕事。Webで天気予報を見て、雨がちだしこりゃあ、とダウンを引っ張り出して正解。外めっちゃ寒かった。東北地方では雪だとか。
もともと気温を見て、山は2〜3度マイナスだから、などと考えて着るもの選んでたが、外仕事の場合は同じくらいか、それ以上に体感温度が低いこともよくある。外仕事に慣れた身、また、風邪にだけは用心しているし、常に温か目の格好はしているのだが、この日はダウンを着てても寒かった。
仕事終わりで、焼肉。先日家族で、そう言えばしばらく行ってないな〜と話してて、即実行。やっぱたまには焼肉食べんとパワーがつかないぜ(笑)。寒さに震えた後だったのでちょうど良かったが、ちと食べ過ぎた(笑)。さっさと風呂入って、さっさと就寝。息子と同じ時刻から、泥のように眠ったのでした。
さて、金土日と外仕事。Webで天気予報を見て、雨がちだしこりゃあ、とダウンを引っ張り出して正解。外めっちゃ寒かった。東北地方では雪だとか。
もともと気温を見て、山は2〜3度マイナスだから、などと考えて着るもの選んでたが、外仕事の場合は同じくらいか、それ以上に体感温度が低いこともよくある。外仕事に慣れた身、また、風邪にだけは用心しているし、常に温か目の格好はしているのだが、この日はダウンを着てても寒かった。
仕事終わりで、焼肉。先日家族で、そう言えばしばらく行ってないな〜と話してて、即実行。やっぱたまには焼肉食べんとパワーがつかないぜ(笑)。寒さに震えた後だったのでちょうど良かったが、ちと食べ過ぎた(笑)。さっさと風呂入って、さっさと就寝。息子と同じ時刻から、泥のように眠ったのでした。
2013年4月15日月曜日
確かに似ていた
前回書いた千葉は、ものすごく寒かった。帰って来て話を聞くと、やはりこちらも寒かったのだとか。妻によれば、雪が断続的に降ったそうである。さすがは、山。
さて、土曜の早暁、地震があった。阪神大震災の時と同じく、先にゴーッ!という音が聞こえて目覚め、ガタガタ揺れ出したところで、隣に寝ている息子を上からかばった。早朝、音、確かに似ていた。震度は行政区域でいくと4だが、山はさほどでもなく、体感では3行くか、という感じだった。ただ、音のこともあり、エネルギーの高い地震だと直感したので、震源となった他の地域ではもっと揺れただろう、関東か、東北か、と思った。最大震度6弱、大きい地震、という予想は当たったが、まさか淡路島とは思わなかった。
本来、このような大きな地震は、かつての感覚で言えば日本じゅうで数年に一度だったし、関西では阪神大震災以来起こっていなかったはずだ。東日本大震災から各地で大きな地震が起きている。阪神の余震か、という声も聞かれるが、素人目には、大きく東日本の影響がある、と思える。
東京と違って、こちらに帰ってからはまったく揺れに遭遇してなかったのでちょっとびっくりしたが、阪神、東日本の経験から冷静でいれた。iphoneでは緊急地震速報が鳴っていた。会社からだいじょぶか、とメールが来た。
寝直して、起きて、朝ごはんはホットケーキ。少しのんびりして、屋上テラスで、購入したウッドテーブルセットを半日かけて組み立てた。少し寒いが、息子も屋上に遊びに来て、栽培しているラディッシュを「しゅうかく、しゅうかく〜♪」と10本ほど引き抜いて洗って持って行った。椅子4脚を組立てる際の、最後のねじ回しが結構力が必要で、右手のひらにマメが出来た。
夕方からワンを散歩に連れて行く。閉じこもりっぱなしの息子も来た。夜は宅配ピザとコーラ。何週間かに一度の、定番である。真央ちゃん今シーズン最後の白鳥の湖は、相変わらずくっつき虫の息子の相手を右手でし、ふわふわフリースの袖口にじゃれつき噛んで引っ張ってくるクッキーの相手を左手でし、とまったく集中出来なかった。やれやれ。
翌日曜日は、三宮へお出掛け。中華街で炒飯焼売焼きそばサンラーターメンを食べた後、パパと息子は別行動でヤマダ電機。レゴを見に行ったのだが、息子はもっとたくさん見て買いたいようで、帰りにわざわざ西宮のエディオンまで出張。ようやく買いたいものを買えて、ちょっと貯金が減ったことも嘆いていたが、それでもほくほくで帰路に就いたのでした。パパはブックオフが近くにあったので、乙川優三郎「生きる」と、綾辻行人「Another」上下巻を購入。こちらもまあまずでした。
さて、土曜の早暁、地震があった。阪神大震災の時と同じく、先にゴーッ!という音が聞こえて目覚め、ガタガタ揺れ出したところで、隣に寝ている息子を上からかばった。早朝、音、確かに似ていた。震度は行政区域でいくと4だが、山はさほどでもなく、体感では3行くか、という感じだった。ただ、音のこともあり、エネルギーの高い地震だと直感したので、震源となった他の地域ではもっと揺れただろう、関東か、東北か、と思った。最大震度6弱、大きい地震、という予想は当たったが、まさか淡路島とは思わなかった。
本来、このような大きな地震は、かつての感覚で言えば日本じゅうで数年に一度だったし、関西では阪神大震災以来起こっていなかったはずだ。東日本大震災から各地で大きな地震が起きている。阪神の余震か、という声も聞かれるが、素人目には、大きく東日本の影響がある、と思える。
東京と違って、こちらに帰ってからはまったく揺れに遭遇してなかったのでちょっとびっくりしたが、阪神、東日本の経験から冷静でいれた。iphoneでは緊急地震速報が鳴っていた。会社からだいじょぶか、とメールが来た。
寝直して、起きて、朝ごはんはホットケーキ。少しのんびりして、屋上テラスで、購入したウッドテーブルセットを半日かけて組み立てた。少し寒いが、息子も屋上に遊びに来て、栽培しているラディッシュを「しゅうかく、しゅうかく〜♪」と10本ほど引き抜いて洗って持って行った。椅子4脚を組立てる際の、最後のねじ回しが結構力が必要で、右手のひらにマメが出来た。
夕方からワンを散歩に連れて行く。閉じこもりっぱなしの息子も来た。夜は宅配ピザとコーラ。何週間かに一度の、定番である。真央ちゃん今シーズン最後の白鳥の湖は、相変わらずくっつき虫の息子の相手を右手でし、ふわふわフリースの袖口にじゃれつき噛んで引っ張ってくるクッキーの相手を左手でし、とまったく集中出来なかった。やれやれ。
翌日曜日は、三宮へお出掛け。中華街で炒飯焼売焼きそばサンラーターメンを食べた後、パパと息子は別行動でヤマダ電機。レゴを見に行ったのだが、息子はもっとたくさん見て買いたいようで、帰りにわざわざ西宮のエディオンまで出張。ようやく買いたいものを買えて、ちょっと貯金が減ったことも嘆いていたが、それでもほくほくで帰路に就いたのでした。パパはブックオフが近くにあったので、乙川優三郎「生きる」と、綾辻行人「Another」上下巻を購入。こちらもまあまずでした。
2013年4月12日金曜日
親子やりとり
息子は、パパと戦いごっこをする時は、仮面ライダーとかレンジャーものの影響か、荒っぽい言葉遣いになり、パパのこともお前、とかのたまう。完全にテレビの悪役扱い。こないだ「また言っとる。あんなー、たまにはお父さまとか父上とか呼んでみい、おぼっちゃま。」と言ったら、
「うちがもっと豪邸なら、ぼっちゃまもお父さまも言えるけど、この家じゃ似合わないよ」
ぐっ・・。生意気な。成長したな。一瞬、それもそうだな、などと思ってしまった。
先日、いつものようにふわふわボールでドッジボールごっこをやっていて、私が投げたのが息子の顔面に当たってしまい、息子怒った。実は顔に当たるのはよくあることで、痛くは無いはずなのだが、ムカっと来たのだろう。
息子なにやら書き始めて、階下に行った。見に行くと、道路標識のような、人型に斜め線の絵付きで
「パパ立ち入り禁止」
と書いた紙が息子の部屋のドアに貼ってあった。妻が「何があったの?」と訝しがるので、ありのままを説明すると、「いつものことなのにねえ。」
居間に上がってきてからも息子、プンプンでパパに絡んでいたが、ソファの足のせにあるパパの脚をどけようとして、パパが軽く力を入れて踏ん張ったから、反動で足先がコツンと頭に当たり、痛いやんか、と脚をぶとうとした拳が、パパの脚の固い部分に当たり、痛悔しくて泣き出した。よしよしとパパ宥める。
息子が風呂に入っている間、先に上がってきたママに、きょうは一緒に寝ないでいいのかな、と言うと「貼り紙の裏を見て来てごらんなさいよ。」
改めて見に行って裏をめくると、
「ただし寝る前に物語を読んでくれたら入っていいです。でなきゃずっと入ってはだめです。」
ああこりゃいつも通りだなと、この日も風呂から上がった息子の身体にアトピー用の薬を塗ってやり、髪にドライヤーしてやり、ご本を読んでやって寝かしつけたのでした。
週後半は、千葉行き。幕張のホテルは、安くて広くてしかも朝食が充実していた。都内のホテルって、名を知られたホテルでもだいたいどこか欠落してるから、やや辟易してるところがあったが、さすがディズニーランド近くのホテル、といったところか。
息子は日帰りと勘違いしてて、「パパは遅く帰ってきてもボクのベッドで寝るから、きょうはそれまで1人で寝る」と言ってたらしい。微笑。
帰りに春の富士もきれいに見えた。
「うちがもっと豪邸なら、ぼっちゃまもお父さまも言えるけど、この家じゃ似合わないよ」
ぐっ・・。生意気な。成長したな。一瞬、それもそうだな、などと思ってしまった。
先日、いつものようにふわふわボールでドッジボールごっこをやっていて、私が投げたのが息子の顔面に当たってしまい、息子怒った。実は顔に当たるのはよくあることで、痛くは無いはずなのだが、ムカっと来たのだろう。
息子なにやら書き始めて、階下に行った。見に行くと、道路標識のような、人型に斜め線の絵付きで
「パパ立ち入り禁止」
と書いた紙が息子の部屋のドアに貼ってあった。妻が「何があったの?」と訝しがるので、ありのままを説明すると、「いつものことなのにねえ。」
居間に上がってきてからも息子、プンプンでパパに絡んでいたが、ソファの足のせにあるパパの脚をどけようとして、パパが軽く力を入れて踏ん張ったから、反動で足先がコツンと頭に当たり、痛いやんか、と脚をぶとうとした拳が、パパの脚の固い部分に当たり、痛悔しくて泣き出した。よしよしとパパ宥める。
息子が風呂に入っている間、先に上がってきたママに、きょうは一緒に寝ないでいいのかな、と言うと「貼り紙の裏を見て来てごらんなさいよ。」
改めて見に行って裏をめくると、
「ただし寝る前に物語を読んでくれたら入っていいです。でなきゃずっと入ってはだめです。」
ああこりゃいつも通りだなと、この日も風呂から上がった息子の身体にアトピー用の薬を塗ってやり、髪にドライヤーしてやり、ご本を読んでやって寝かしつけたのでした。
週後半は、千葉行き。幕張のホテルは、安くて広くてしかも朝食が充実していた。都内のホテルって、名を知られたホテルでもだいたいどこか欠落してるから、やや辟易してるところがあったが、さすがディズニーランド近くのホテル、といったところか。
息子は日帰りと勘違いしてて、「パパは遅く帰ってきてもボクのベッドで寝るから、きょうはそれまで1人で寝る」と言ってたらしい。微笑。
帰りに春の富士もきれいに見えた。
2013年4月8日月曜日
春雷
この土日は「爆弾低気圧」が日本を通過した。住まいの近くは一日中雨が降り続いた。結構な土砂降りの中、雷まで鳴り、ワンが怯えた。犬は雷に弱いのだ。風も夜半から強くなった。
早かった今年の桜は、これで終了か。会社の花見に参加した時も葉桜近かったし。
母子はプール。サッカーを観て、山本兼一「利休にたずねよ」を読んでいた。晩ご飯には、屋上テラスで栽培した、色の綺麗なラディッシュが並び、マヨネーズにつけて、葉まで囓り食いした。美味かった。
翌日曜日は、かなり寒くなった。三寒四温の例えのごとく、まだまだ4月までは、夜は寒いものだが、過去最高気温を記録した3月を経て、久々に10度を切ったのでは無いだろうか。本当に寒かった。
これも春特有の、転勤した知己の便りも届き、世が動く時期。駅の定期売り場には、新卒、新入学者とおぼしき若者たちが、行列をつくっていた。
早かった今年の桜は、これで終了か。会社の花見に参加した時も葉桜近かったし。
母子はプール。サッカーを観て、山本兼一「利休にたずねよ」を読んでいた。晩ご飯には、屋上テラスで栽培した、色の綺麗なラディッシュが並び、マヨネーズにつけて、葉まで囓り食いした。美味かった。
翌日曜日は、かなり寒くなった。三寒四温の例えのごとく、まだまだ4月までは、夜は寒いものだが、過去最高気温を記録した3月を経て、久々に10度を切ったのでは無いだろうか。本当に寒かった。
これも春特有の、転勤した知己の便りも届き、世が動く時期。駅の定期売り場には、新卒、新入学者とおぼしき若者たちが、行列をつくっていた。
2013年4月2日火曜日
3月書評の2
後半は、不思議小説もあり、今月は、バラエティに富んでいた。ではSTART!
夏川草介「神様のカルテ2」
2011年の読書中、最も涙した作品の続編。勤務医栗原一止が、愛する妻と変な友人、温かでクセの有る病院の仲間たちに囲まれて、過酷な地域医療の現場で奮闘する。
前回は、少々変なシチュエーションの物語であったが、今回は、純粋な医療物語である。過酷な現場、医師に向けられる目、死と自然、といった事に敢然と斬り込んでいる。また、長野・松本という土地柄ゆえ、自然の描写とそのタイミングが、美しい。内向的か、ギラギラした外向けの感性の本が目立つ中、表現力と構成、登場人物の妙とが折り合っている。決してライトノベルではなく、傑物な作品だと思う。
桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」
戦後から現代まで、山陰地方都市の赤朽葉家の女たちを主軸に、社会の移り変わりに翻弄される人間たちを描く。日本推理作家協会賞受賞作である。
不思議な、大河ドラマ風の物語である。最初は不思議ものか、と身構えたが、その実、時代時代の世相と若者たちの変遷を描いており、われわれ世代には、読ませる話となっている。
誰もが戦後、昭和、平成、という時代は追い掛けてみたいものであろう。そこにどう味付けをするか、そんなことを考えさせられた。ラストの台詞といい、不可思議な構成といい、細かな設定といい、桜庭一樹は、やはり只者ではない。不思議ちゃんな話であることに変わりは無いが。
乾ルカ「蜜姫村」
「あの日にかえりたい」が直木賞候補にノミネートされた乾ルカ。直感的に読みたい、と思ったのがきっかけだが、この作品に限れば、ちょっと厳しかった。
新種のアリを求めて、学者と医師の夫婦が奥地の村に逗留するが、村には医療を寄せ付けまいとする空気があり、謎を探るうちに、奇怪な出来事に巻き込まれる。
不思議で、グロで、意味が掴めない。緻密さも感じられないような気がする。異ジャンルに挑戦したのならば、それだけ、だと思う。
三浦しをん「風が強く吹いている」
不思議ものを挟み、スポーツは箱根駅伝もの。今月スポーツ多いな(笑)。
名も無い大学に通う、ボロアパートに集まっている住人達が、陸上競技部の部員となり、箱根駅伝の頂点を狙う、というお話。
スポーツ物語は、ノンフィクションででもない限り、「そんなにうまくいくわけないだろ」と思われてしまうストーリーが多いものだ。私もそう思う。そういう意味でいくと、この作品は、王道を行っている。
管理された陸上強豪校が嫌で、走りに理想を求め実力もある2人が出会い、ランナーとしては素人どころか、運動も苦手な者もいる住人達を、箱根駅伝に導く。指導者は完璧にも見える人物で、故障を抱えている。結果を出すことによって周囲の人々の応援も得ることが出来るようになり、そして・・だ。
執筆に6年間かけたというが、それだけ綿密に調べたということ、のめり込んだということで、さすがに、このレベルの作家となると非常に綿密だ。上であんな事は書いたが、実は私はスポーツものが好きである。その競技を詳しく知る事ができるし、熱くなれるからだ。あまりに出来すぎていて、ファンタジーみたい、という声もあったと聞くが、折り込み済みだろう。
キャラクターも愛せるし、面白い仕上がりになっていて、一気に読んでしまう。惜しむらくは、敵キャラまでもが漫画的過ぎてしまうことか。強豪校には強豪校の理屈もあるのではと思う。
藤原伊織「ひまわりの祝祭」
デビュー作「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞と直木賞を受賞した藤原伊織の第2作。ゴッホの「ひまわり」を巡る陰謀や思惑の数々を描くパワフルサスペンス。
いわゆる「テロパラ」には私も大いに楽しませてもらった。第2作も力作だ。題材は好きな方である。ちょっと理屈が多過ぎ、また主人公がスーパー過ぎるところも目立ち、であった。
ただ感じたのは、行間に漂う雰囲気、けだるくどこかコミカルなところ、また息をつかせずエピソードが展開していく特徴が、いい意味で継続していることだ。ファンが多いのも分かる気がする。
3ヶ月で、36作品、45冊。4月以降も、がんばろう!
夏川草介「神様のカルテ2」
2011年の読書中、最も涙した作品の続編。勤務医栗原一止が、愛する妻と変な友人、温かでクセの有る病院の仲間たちに囲まれて、過酷な地域医療の現場で奮闘する。
前回は、少々変なシチュエーションの物語であったが、今回は、純粋な医療物語である。過酷な現場、医師に向けられる目、死と自然、といった事に敢然と斬り込んでいる。また、長野・松本という土地柄ゆえ、自然の描写とそのタイミングが、美しい。内向的か、ギラギラした外向けの感性の本が目立つ中、表現力と構成、登場人物の妙とが折り合っている。決してライトノベルではなく、傑物な作品だと思う。
桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」
戦後から現代まで、山陰地方都市の赤朽葉家の女たちを主軸に、社会の移り変わりに翻弄される人間たちを描く。日本推理作家協会賞受賞作である。
不思議な、大河ドラマ風の物語である。最初は不思議ものか、と身構えたが、その実、時代時代の世相と若者たちの変遷を描いており、われわれ世代には、読ませる話となっている。
誰もが戦後、昭和、平成、という時代は追い掛けてみたいものであろう。そこにどう味付けをするか、そんなことを考えさせられた。ラストの台詞といい、不可思議な構成といい、細かな設定といい、桜庭一樹は、やはり只者ではない。不思議ちゃんな話であることに変わりは無いが。
乾ルカ「蜜姫村」
「あの日にかえりたい」が直木賞候補にノミネートされた乾ルカ。直感的に読みたい、と思ったのがきっかけだが、この作品に限れば、ちょっと厳しかった。
新種のアリを求めて、学者と医師の夫婦が奥地の村に逗留するが、村には医療を寄せ付けまいとする空気があり、謎を探るうちに、奇怪な出来事に巻き込まれる。
不思議で、グロで、意味が掴めない。緻密さも感じられないような気がする。異ジャンルに挑戦したのならば、それだけ、だと思う。
三浦しをん「風が強く吹いている」
不思議ものを挟み、スポーツは箱根駅伝もの。今月スポーツ多いな(笑)。
名も無い大学に通う、ボロアパートに集まっている住人達が、陸上競技部の部員となり、箱根駅伝の頂点を狙う、というお話。
スポーツ物語は、ノンフィクションででもない限り、「そんなにうまくいくわけないだろ」と思われてしまうストーリーが多いものだ。私もそう思う。そういう意味でいくと、この作品は、王道を行っている。
管理された陸上強豪校が嫌で、走りに理想を求め実力もある2人が出会い、ランナーとしては素人どころか、運動も苦手な者もいる住人達を、箱根駅伝に導く。指導者は完璧にも見える人物で、故障を抱えている。結果を出すことによって周囲の人々の応援も得ることが出来るようになり、そして・・だ。
執筆に6年間かけたというが、それだけ綿密に調べたということ、のめり込んだということで、さすがに、このレベルの作家となると非常に綿密だ。上であんな事は書いたが、実は私はスポーツものが好きである。その競技を詳しく知る事ができるし、熱くなれるからだ。あまりに出来すぎていて、ファンタジーみたい、という声もあったと聞くが、折り込み済みだろう。
キャラクターも愛せるし、面白い仕上がりになっていて、一気に読んでしまう。惜しむらくは、敵キャラまでもが漫画的過ぎてしまうことか。強豪校には強豪校の理屈もあるのではと思う。
藤原伊織「ひまわりの祝祭」
デビュー作「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞と直木賞を受賞した藤原伊織の第2作。ゴッホの「ひまわり」を巡る陰謀や思惑の数々を描くパワフルサスペンス。
いわゆる「テロパラ」には私も大いに楽しませてもらった。第2作も力作だ。題材は好きな方である。ちょっと理屈が多過ぎ、また主人公がスーパー過ぎるところも目立ち、であった。
ただ感じたのは、行間に漂う雰囲気、けだるくどこかコミカルなところ、また息をつかせずエピソードが展開していく特徴が、いい意味で継続していることだ。ファンが多いのも分かる気がする。
3ヶ月で、36作品、45冊。4月以降も、がんばろう!
3月書評の1
忙しい割りには、移動時間などによく読んだ。11作品12冊。2回に分けて、お送りします。
高田郁「小夜しぐれ みおつくし料理帖」
シリーズ第5弾。澪は吉原の大店の主に、吉原で店を持たないかと持ちかけられる。悩んでいる最中、失踪中の天満吉兆庵の若旦那、佐兵衛を偶然見つけるが・・。
シリーズも残り3巻、だんだんクライマックスに近づいてきた。
悩み深いこの巻は、珍しくあまり料理の印象が強くなかった。物語激変の巻、ということもあるだろう。あと2巻が楽しみだ。
天童荒太「悼む人」(2)
「永遠の仔」の天童荒太、2008年下半期直木賞受賞作。異色の物語である。
亡くなった人を「悼む」ために、全国各地を旅している男。彼は問う。亡くなった方は愛されていたか、誰かを愛していたのか、人に感謝されたことがあったのかー。
読後の感想は「密度が濃い」であった。「悼む人」の旅と、彼と向き合う人々を通して、愛とは、死とは、というテーマを深く掘り下げている。それが目的だ、と思うが明確な答えは無く、小説内でテーマを求めて七転八倒していて、実験的小説の匂いまでする。
こんなに人の死が出て来る小説も珍しいだろう。女のエピソードは正直少しく突飛だと思うし、うまくまとまっているとも思えない。しかし挑戦し続ける、厚みと重みのある筆致を持った作品だと思う。
北村薫「朝霧」
円紫さんシリーズ最終話。「空飛ぶ馬」に始まり、「夜の蝉」そしてシリーズ中唯一活動的で事件のある「秋の花」、さらに文学と文壇の歴史にどっぷり浸かる「六の宮の姫君」と続く。
「朝霧」は、出版社に就職した「私」にとって、主に仕事の関係から、俳句や落語、リドルストーリー、和歌を題材にマニアックで緻密で、小説として実に収まりの良い謎の世界が展開される。そして、全編が恋の予感に満ちて居る。そこに向かってゆく最終章「走り来るもの」は見事だと思う。
しかしまあ、いつも思うが、このような形の本は、他の誰にも、おそらく書けない、特殊で、少しく敬愛されるシリーズだと思う。
伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」
解説の言葉を借りれば、軽妙洒脱。表題作他、「動物園のエンジン」「サクリファイス」「ポテチ」が収録されている、短編集である。
私は、なにか意味があるのか、というエピソードや会話を重ねることで、全体的にぼんやりと好意的ものが浮かび上がる。という風に伊坂ワールドを捉えている。作家としては計算があるのだろう。
ストーリーは、正直あまり練られていない感触もある。だからか、あまり好きになれなかったのだが、この作品では、あまりに緻密な計算をするよりは、これくらい自由に書いた方が面白いな、と思えた。
アルフレード・ガティウス
ホセ・マリア・ウック
「なぜレアルとバルサだけが儲かるのか? サッカークラブ経営に魔法は存在しない」
世界の2大サッカークラブ、その経営を、ビジネスの専門家が深く分析した本。経営の話で、何回も読まないとおそらくきちんと理解は出来ない。あんなに高額な移籍を繰り返しながらなぜ破産しないのか、レアルとバルサの微妙な経営手法の違いなども分析してある。
個人的には、高額な選手を獲得した場合の減価償却、1年でダメだった時のことやレンタル移籍に隠されている意味などが面白かった。イブラヒモビッチやカカーの例が挙げてあって興味をそそられた。有名選手のサラリーの一覧表もある。
江橋よしのり「世界一のあきらめない心」
サッカーシリーズ、なでしこジャパンのワールドカップ初優勝を追い掛けたドキュメントである。私も含め、日本中がフィーバーした戦いのプレイバックと、分厚い取材による舞台裏の物語。
掛け値なしに、感動して落涙してしまった。準々決勝、強豪ドイツに勝ち、祝福を受けた情景、心から興奮し、しびれた決勝アメリカ戦。当時の興奮が蘇った。いまもなおこう思うほど、なでしこの優勝は素晴らしかった、ということだ。
何よりいいのは、長い期間取材をして、書きたいこともたくさん有るだろうに、出来るだけ平易な言葉と表現で、情報量も抑えてあることだ。万感の想いも記されているが、まったく過剰ではなく感情移入できる。久々に、泣いたな。
高田郁「小夜しぐれ みおつくし料理帖」
シリーズ第5弾。澪は吉原の大店の主に、吉原で店を持たないかと持ちかけられる。悩んでいる最中、失踪中の天満吉兆庵の若旦那、佐兵衛を偶然見つけるが・・。
シリーズも残り3巻、だんだんクライマックスに近づいてきた。
悩み深いこの巻は、珍しくあまり料理の印象が強くなかった。物語激変の巻、ということもあるだろう。あと2巻が楽しみだ。
天童荒太「悼む人」(2)
「永遠の仔」の天童荒太、2008年下半期直木賞受賞作。異色の物語である。
亡くなった人を「悼む」ために、全国各地を旅している男。彼は問う。亡くなった方は愛されていたか、誰かを愛していたのか、人に感謝されたことがあったのかー。
読後の感想は「密度が濃い」であった。「悼む人」の旅と、彼と向き合う人々を通して、愛とは、死とは、というテーマを深く掘り下げている。それが目的だ、と思うが明確な答えは無く、小説内でテーマを求めて七転八倒していて、実験的小説の匂いまでする。
こんなに人の死が出て来る小説も珍しいだろう。女のエピソードは正直少しく突飛だと思うし、うまくまとまっているとも思えない。しかし挑戦し続ける、厚みと重みのある筆致を持った作品だと思う。
北村薫「朝霧」
円紫さんシリーズ最終話。「空飛ぶ馬」に始まり、「夜の蝉」そしてシリーズ中唯一活動的で事件のある「秋の花」、さらに文学と文壇の歴史にどっぷり浸かる「六の宮の姫君」と続く。
「朝霧」は、出版社に就職した「私」にとって、主に仕事の関係から、俳句や落語、リドルストーリー、和歌を題材にマニアックで緻密で、小説として実に収まりの良い謎の世界が展開される。そして、全編が恋の予感に満ちて居る。そこに向かってゆく最終章「走り来るもの」は見事だと思う。
しかしまあ、いつも思うが、このような形の本は、他の誰にも、おそらく書けない、特殊で、少しく敬愛されるシリーズだと思う。
伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」
解説の言葉を借りれば、軽妙洒脱。表題作他、「動物園のエンジン」「サクリファイス」「ポテチ」が収録されている、短編集である。
私は、なにか意味があるのか、というエピソードや会話を重ねることで、全体的にぼんやりと好意的ものが浮かび上がる。という風に伊坂ワールドを捉えている。作家としては計算があるのだろう。
ストーリーは、正直あまり練られていない感触もある。だからか、あまり好きになれなかったのだが、この作品では、あまりに緻密な計算をするよりは、これくらい自由に書いた方が面白いな、と思えた。
アルフレード・ガティウス
ホセ・マリア・ウック
「なぜレアルとバルサだけが儲かるのか? サッカークラブ経営に魔法は存在しない」
世界の2大サッカークラブ、その経営を、ビジネスの専門家が深く分析した本。経営の話で、何回も読まないとおそらくきちんと理解は出来ない。あんなに高額な移籍を繰り返しながらなぜ破産しないのか、レアルとバルサの微妙な経営手法の違いなども分析してある。
個人的には、高額な選手を獲得した場合の減価償却、1年でダメだった時のことやレンタル移籍に隠されている意味などが面白かった。イブラヒモビッチやカカーの例が挙げてあって興味をそそられた。有名選手のサラリーの一覧表もある。
江橋よしのり「世界一のあきらめない心」
サッカーシリーズ、なでしこジャパンのワールドカップ初優勝を追い掛けたドキュメントである。私も含め、日本中がフィーバーした戦いのプレイバックと、分厚い取材による舞台裏の物語。
掛け値なしに、感動して落涙してしまった。準々決勝、強豪ドイツに勝ち、祝福を受けた情景、心から興奮し、しびれた決勝アメリカ戦。当時の興奮が蘇った。いまもなおこう思うほど、なでしこの優勝は素晴らしかった、ということだ。
何よりいいのは、長い期間取材をして、書きたいこともたくさん有るだろうに、出来るだけ平易な言葉と表現で、情報量も抑えてあることだ。万感の想いも記されているが、まったく過剰ではなく感情移入できる。久々に、泣いたな。
2013年4月1日月曜日
April
エーイプリル♪ 蒼い陽射しの中で
素顔のままの君が
バスを待っている〜
最近何かでAprilという文字を見かけてから、ずっと鼻歌になっている。不思議な歌だが、妙に憶えている。こりゃ5月は斉藤由貴の「MAY」かなあ、ありゃ5月は関係無いんだけど。
先々週の話になるが、久々に、日曜日1日家に居た。ゆっくり寝て、くっつき虫と化した息子の相手をし、犬をゆっくり散歩させて、ipadで太鼓の達人にチャレンジし、本を読み、息子とオセロをした。
太鼓の達人ねー、あれ、難しいですよ。リズムは取れても手が思うように動かない。ipadは指で叩くんだけど、 バチだとまた違うだろうな。
次の火曜はサッカー。息子は起きて観る、と言い張ったが、キックオフ直後にあえなく沈没。寝かし付けて、前半20分くらいから観た。たられば、は尽きない試合。コーナーキックからの点は仕方ないが、2点めを取られていなければ、多くのチャンスに1回でも決めていれば、遠藤のPKが入っていれば・・。しかし、勢いがヨルダンにあったのは確かだ。
本大会のためには厳しい戦いも確かに必要だが、次のホームでのオーストラリア戦では、是が非でも決めたいところ、というのは間違いない。最終アウェーのイラク戦は6月には40度を超える中での戦いになる。日本も3年間の成果は出て、オートマティズムも出来てきているようだし、次こそは結果を手に入れなければならない、と思う。
次の週末はママ誕生日。お休みし、昼間は息子とキャッチボール。コントロールがついて、だいぶ上手になった。パパコーチングに対する聞き分けも良くなった。
夜は、久しぶりに、ちょっといいレストランへ食事しに行った。まだ寒い時もあるが、桜は満開。山にも春、だな。
素顔のままの君が
バスを待っている〜
最近何かでAprilという文字を見かけてから、ずっと鼻歌になっている。不思議な歌だが、妙に憶えている。こりゃ5月は斉藤由貴の「MAY」かなあ、ありゃ5月は関係無いんだけど。
先々週の話になるが、久々に、日曜日1日家に居た。ゆっくり寝て、くっつき虫と化した息子の相手をし、犬をゆっくり散歩させて、ipadで太鼓の達人にチャレンジし、本を読み、息子とオセロをした。
太鼓の達人ねー、あれ、難しいですよ。リズムは取れても手が思うように動かない。ipadは指で叩くんだけど、 バチだとまた違うだろうな。
次の火曜はサッカー。息子は起きて観る、と言い張ったが、キックオフ直後にあえなく沈没。寝かし付けて、前半20分くらいから観た。たられば、は尽きない試合。コーナーキックからの点は仕方ないが、2点めを取られていなければ、多くのチャンスに1回でも決めていれば、遠藤のPKが入っていれば・・。しかし、勢いがヨルダンにあったのは確かだ。
本大会のためには厳しい戦いも確かに必要だが、次のホームでのオーストラリア戦では、是が非でも決めたいところ、というのは間違いない。最終アウェーのイラク戦は6月には40度を超える中での戦いになる。日本も3年間の成果は出て、オートマティズムも出来てきているようだし、次こそは結果を手に入れなければならない、と思う。
次の週末はママ誕生日。お休みし、昼間は息子とキャッチボール。コントロールがついて、だいぶ上手になった。パパコーチングに対する聞き分けも良くなった。
夜は、久しぶりに、ちょっといいレストランへ食事しに行った。まだ寒い時もあるが、桜は満開。山にも春、だな。
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