2012年8月27日月曜日

夏の終わり

夏は冬にあこがれて、冬は、夏に戻りたい。

日曜日は、今度はイナズマイレブンのゲームをしたいというので、再度つかしんに出掛ける。

マクドナルドで昼ごはん、目的のゲームをして、おもちゃ屋を見て、本屋に行って、もっかいだけゲームして帰る。地元の駅馴染みのドッグカフェでアイスクリーム食べた。川沿いに水遊びしながら帰ると、もう河原は赤とんぼでいっぱいだ。夜はイナズマイレブンのカードゲームして、寝かす。

パパは夜、本屋で買ってきたマンガ「シャーロッキアン!」2、3巻を一気読み。幸せである。マンガやパスティーシュとともに、シドニイ・パジットの挿絵のTシャツとかマグカップとかブックカバーを売れば儲かると思うのは私だけだろうか。ああ、そういえば忘れていたが、日本シャーロックホームズ協会に入会しようかなあ。

さて月曜日も休み。夏休みの自由研究工作どうしよう〜と言っていた妻は、結局、小惑星探査機「はやぶさ」を作ることにしたらしい。ホームセンターに行って厚紙やらセロファンやらを購入。ボディの黄色は何?という質問があったので、アルミホイルのような素材だよ、と答える。

パパは、うたた寝。夕方起きて、公園サッカー。いや暑い。帰ってすぐ風呂。筑波宇宙センターで買ってきたはやぶさTシャツを着てほうら、と言うと、妻は「そういうものを、本当に買う人って居るんだなあ、ていう感じ」などと憎たらしいことをのたまう。

晩ご飯は、息子の好きな枝豆、南瓜、おからに納豆、キュウリトマトのサラダに豚肉炒め。食べて夏休みの読書一緒にピーターラビット読んで、読み終わったら息子パパの膝の上赤ちゃん抱っこ状態で入り込み、寝る。もう抱えるのも重い。布団に寝かせて、今に至る。

夏休みも、もうすぐ終わり。土日にしか息子を連れ出せないのは不自由だが、こう暑いとどうもねえ、という感じでもある。行くとこ限られるし。昨年の夏は単身赴任中で、フルで付き合ったのは初めて。これが、普通なんだな。

2012年8月19日日曜日

一気

昨日は、まだ雨が降り雷がゴロゴロする中傘さして馴染みのドッグカフェで晩ご飯食べた。

ここは最近文芸カフェ化しつつあり、客がいらなくなった本を引き取っている。私もつい、道尾秀介「ソロモンの犬」を読み始めて、結局持って帰って一気に読破した。軽く読むにはいい物語だった。

最近一気読みが多い。「ノルウェイの森」も「武士道シックスティーン」も「ビブリア古書堂の事件手帖」もそうである。明日は早いので、「ミハスの落日」少しだけにしよう。

明日は妻子犬が遂にご帰還だ。間に合わせの掃除(内緒・笑)をして、牛乳と卵と食パン買って、妻子の布団の敷布を洗い、タオルケットも洗い、パパ仕様になっているテーブルを片付けて、後は明日からベッドに戻る用意をすればおしまいだ。

終わったらさっさと寝よう。ではこの辺で。

2012年8月18日土曜日

サンダー&ライトニング

土曜の夕方、すごい雷だ。ただ、近くの甲子園では大雨なのに、こちらではさほど降っていない。高校野球の試合は、降雨の前から、雷のため中断している。

一時は晴れ間が遠くに見えていたが、どうやら雷雲は、停滞しているようである。この文章を書きながら、横目に稲光が何度も走る。雷鳴も、ガラス戸が震える程だ。

晩ご飯食べに出て行けるかなあ。

2012年8月16日木曜日

お盆の恒例

妻子が実家に帰省し、しばらくの独居期間。きょうはど早朝のお仕事で、夕方には帰ってきた。

水曜映画1000円デーなので、三宮か大阪に流れて映画観て帰ろうかなとも思ったが、正直眠かったのでさっさと帰って、夕方涼しく寝て、起きてサッカー日本代表戦を観た。まあ、久々に集まったし、こんなもんかという感じである。親善試合だし。ベネズエラは、上り調子の南米のチームで、それなりに強かったし。

単身赴任は、何でも自分でしなければならないし、寂しいし、留守宅と東京の往復に体力を使う。しかし引き換えに手にした、良いこともあった。それは、「家事を、自分のペースで出来ること」だ。これを言うと、女の人はびっくりするのだけど。

例えば、服を洗うとする。妻に任せると、つい、2、3日後には来て行きたいけど大丈夫かな、会社用だからきっちり仕上げて欲しい、とか思うが、一旦自分で全部やるとなると、いつ乾いて、どんな状態で、何をケアすべき、というのが全部把握出来る。

妻子がこの時期帰省してからすぐ取り掛かるのは、まず冷蔵庫の検査。卵や牛乳は賞味期限いつまでか、他に、速く食べるべき食材や惣菜はないか、等々をチェックして計画を立てる。きょうの晩御飯はカップ焼きそばだったのだが、2個あった賞味期限明日までの卵でダブルの目玉焼き作って焼きそばの上にのせた。

洗濯も小まめにする。その日の服を選ぶとき、「これは使えない」というのは減らしたい方だし、犬の毛が気になるので、シーツなども総洗いである。普段家の中で着ている服や、会社用のズボンなんかもこの際と洗ってしまう。

流しも、カビ等々ケアし、ぬめりが取れないものは干す。掃除は割り切って、妻子が帰る直前の休みにする。まあ、こんな感じだ。ちなみに、帰ってきた後、褒められたことはほとんど無い(笑)。ま、結局のところ、そこまで大したことをしてるわけでも無いんだけど。

たまには、あくまでたまに、だけど、単身赴任なんてもうしたくも無いけど、独居はいいな。何というか、見つめ直せるし。さあ、夜更かしせずに寝よう。

2012年8月13日月曜日

想ひ出めぐり

平日の休み、神戸ハーバーランドから三宮まで歩いた。

福岡から出て来た頃、遊びに行くと言えば神戸で、ハーバーランドが出来てからは、朝一番の映画を観に行って、昼ご飯を食べて、元町商店街をぶらぶら歩いて帰るのが、休日の基本的な過ごし方だった。

元町商店街は、三宮に比べれば派手さは無いし、前時代的だ。でも私は大好きでだった。ふと見かけるセンスのいい店に入って絵葉書を買ったり、テーラーの店先で3枚1000円の靴下を買ったり、道行く人に配っているお茶屋さんの抹茶の匂いを嗅いで、なんてこたない屋外の煉瓦造りの休憩所で煙草を吸い、楽器屋や古本屋に立ち寄って、たまに果物屋さんの店先で売っている搾りたてジュースを飲んだり、煙草店でパイプを眺めたり・・。

楽しい時も、独りで辛く寂しい時も、同じように歩いた、この道。もう昔行っていた名画座は無いし、美味しいビーフシチューを食べた洋食屋も無い。ほろ苦い想いが蘇る。でも新たに元町映画館が出来ていたし、不思議なチーズケーキの店、観音屋も、お茶屋もあった。震災があったものの、以前通りの風情を未だ色濃く残している。

子供が出来てからは、全く来ていなかったから、もう8年振りくらいだっただろうか。きょうは至る所に花やおもちゃを入れた氷柱が立っていて、目に涼しかった。感傷的な、夏の散歩だった。

2012年8月12日日曜日

突き抜けた

今回のオリンピックは、多くの団体スポーツで、これまでの殻を破った印象がある。次の世代は確実に育っている、のだろうか。メダル数も史上最高タイだそうだ。

男女とも、サッカーはよくやったと思う。特に男子は、ここ最近を考えると素晴らしい躍進だ。ひとつ言うとすれば、あと一つのOA枠には、大きな大会を経験している攻撃的なフィールダーを配するべきだったろう。監督でさえ、オリンピックの上位なんて初めてなんだから。やはり上に行くと、ギリギリの勝負がさらに厳しくなるものだ。

一番燃えたのは、女子バレーの準々決勝。かつて高校生日本代表として騒がれた木村沙織がエースとなり、いまやさらに若い江畑が獅子奮迅、エース格の働きをしている。サッカーもバドミントンも、卓球も突き抜けたんだ、長い間低迷したバレーも突き抜けろ!という想いで観ていた。すべてのセットが接戦となった中国戦はフルセットで競り勝ち、ソウル以来24年振りのベスト4進出を見事勝ち取った。いやー燃えた〜。ちなみにオリンピックで中国に、セットを取ったのも、勝ったのも初めてだそうだ。

以前も書いたが、真鍋監督は選手の選出も上手いし、用兵も、戦術も巧みで、伝統ある日本バレーにおいては、まさに新時代の監督、という印象を受ける。

勝負のかかった場面での選手交代は、選手への信頼が感じられ、ジョーカー、という雰囲気を醸し出す。これでは選手もやる気が出るだろうし、策が当たるひとつの要因だろう。

さて、フィリップ・ル・ゲイ監督のフランス映画「屋根裏部屋のマリアたち」を観た。

1960年代のパリ。上流階級の多くの家庭では、当時フランコ独裁政権下のスペインから出稼ぎに来たメイドを雇っていた。彼女達は狭く環境の悪い住居に住み、朝から晩までの重労働に就いていた。証券会社を経営するジャン・ルイは新しく来たメイドのマリアを通じて、彼女達の世界を垣間見、興味を持つ、というお話。

ストーリーとしては単純な傾向があるし、映画的なカットやエピソードも通りいっぺんだし、なのだが、新鮮だった。

まずは、主な舞台となるアパルトマンでの撮影は、照明に工夫が成されていて、昔よく観たフランス映画を想起させ、はっとさせてくれる。カメラワークも、派手さはないがところどころスパイスが効いていた。

また、ヌーベルバーグの伝統を持つフランス映画界はやはり単純ではない。当時の社会情勢も折り込みながら、どこの家庭にも当たり前のように居たというスペイン人メイドにスポットを当てている。キャストの絶妙さと、彼女達の生き生きとした様を見せる、コミカルな演出は好感が持てる。

ラストはいささか単純だが、確かにこうした方が筋は通る、かも知れない。ただあっさり家庭を捨てるのはなんかあまりにもストレートなんじゃないの〜とも思える。マリアを認め信頼を寄せたり、夫が変わった原因に取り乱さず、理解を示したりする妻を描いているだけに、余計齟齬を感じたりするのだが、まあ後味は悪くなかった。

私が大学生の頃、世間で大流行した村上春樹「ノルウェイの森」を完読した。なかなか夢中になって読めたものだが、感想となると、うーん、である。

読書と音楽。かなり格好良く織り交ぜてある。これもスタイルだろう。ただ、中身は、ペラペラ喋る女と、やたらもてる主人公、女の喪失、自殺者ばかりの周囲、また登場人物はよく酒を飲む。と、けっこうワンパターンだなと思ったりした。

登場人物の妙もあるのだろうか。作者は、アメリカンハードボイルド風味だが、実はヌーベルバーグの影響を受けているのではないだろうか。

最近一気読みが多く、この後は誉田哲也「武士道シックスティーン」を、ほぼ一日で読み切った。いまは、桜庭一樹「私の男」をゆっくり読んでいる。

立秋を過ぎた。いつも行く、何ということも無い公園は、蝉が喧しい。脱け殻の周囲の土の部分には、夥しい数の小穴がある。木陰だし、好きでよくぼーっとしに行く。「立秋を過ぎたら『残暑見舞い申し上げます』なのよ」と、19歳のとき教えてくれた女の子は、風の噂にもう大きな子の母親と聞いた。なあんかちょっとだけハードボイルドな?締めでした。

2012年8月5日日曜日

夏と言えば

淀川の花火大会。ベランダから観た。息子が喜んでいた。

先日はスイカが食卓に並んだ。仮面ライダーフォーゼの映画観て、おもちゃ買って、桜庭一樹「私の男」、誉田哲也「武士道シックスティーン」買って来た。

水遊びして帰り、汗だくでビールが美味い。サッカー日本買った!44年振りのベスト4!バドミントン決勝藤垣応援中。

2012年8月1日水曜日

7月書評

ひと月というのは早いものだ。7月はよく読み進んだし、色々な事があったものだが、だいぶ早く過ぎたような気がする。

葉室麟「風渡る」

先頃直木賞を受賞した作家の作品。受賞作は「蜩ノ記」である。「風渡る」は久々の時代劇で新鮮だった。時は戦国クライマックス、主人公は希代の策士、黒田官兵衛と、異国人の容貌を持った日本人修道士、架空の人物ジョアンの2人。時代と権力者によって翻弄されるキリシタン達の姿を描く、といったところか。歴史小説は、そうでない作品とはまた評価の基準が違う部分が有るようだ。日本におけるキリシタン、という部分は知っているようでなかなか知識を得る機会も無いので、本能寺の変、秀吉の権力奪取、名うての武将が続々登場する、という舞台装置と相まって、面白く読めた。

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ
�栞子さんと奇妙な客人たち
�栞子さんと謎めく日常
�栞子さんと消えない絆

大人気シリーズとなり、出版社の部数記録を塗り替えた作品。北鎌倉にある古書店。そのオーナーの栞子は、若いながら、書籍のことなら無類の知識を持ち、弁も立つが本以外は極度の恥ずかしがり屋。ひょんなことから古書堂で働くことになった無職の五浦とともに、古書にまつわる事件、問題を解決していくが、思わぬ危険も招く、という話。

以前、美術ミステリーを読んだが、構成はそれに近く、古書をベースにハートフルな問題がいくつか展開される。主人公は、いかにも男性が守ってやりたくなるような感じの設定で、「萌えアニメ」すら想像させるので、実は女性受け悪いんじゃないかと邪推してしまう。古書、というのがやはり古めかしいだけに、なのか、文体も平易で、展開される問題なり事件は難解では全くない。

栞子さんはこの巻では入院していて、いわゆるロッキングチェア・デテクティブ、安楽椅子探偵役なのだが、こういうケースにありがちな、不自然な切れ過ぎ感、北村薫流に言うと「神の視座」に立っているのではと思わないでもない。

しかし、本がテーマ、というのは面白いものだ。古本業界のことなども描かれていて興味深く、ライトノベルのわりに新機軸で奥が深いと思う。シリーズ3巻まで出ていて、すらすらと読んでしまった。次が楽しみだ。

高野和明「ジェノサイド」

いやあ、タイトルだけで暗澹たる予感がしたのだが、軍事もので、描写が残酷で、その一方難病の新薬開発の方はなかなか難解で、また突飛な物語でもある。ハードで分厚い一冊であったが、一気に読まなければと3晩で読み切った。

この方の作品では、江戸川乱歩賞を取った「13階段」を昨年読み、個人的年間ランキングでも上位に入れた。よく調査している、といつのが伝わってくるし、テーマも重めである。

今回の作品では、感想らしい感想を出すのは難しい。ハードだったな、というのが最もピタリとくる。色々知識を仕入れることは出来たが、オチがどうも突飛である。もちろん突飛な仮定というものはそれなりに面白く、ふううむ、となってしまうのではあるが。

もうひとつ、前作を通じてだが、意図的にそうしているのか否か、作者自身に、ジャーナリスティックに主張したいような意見が有るように見えるのも特徴か。それはやや、物語の邪魔になっている感がないでも無い。

百田尚樹「永遠の0」

零戦、特攻の話である。主人公として出てくるパイロットが実在の人物かどうかは分からない。途中は泣ける。最後もうまく閉まるが、どうもステレオタイプ、という感じが抜けきれない。よく調べてあるし、日本軍首脳はやはりダメだったのだろうし、主人公の懊悩も表現されているのだけれど、きれい過ぎるような気がする。カウンターパートの新聞記者も、ちょっと弱過ぎるきらいがある。物語、ということを意識し過ぎなのかな、と。ただ途中は泣いた。当時の状況も、おそらく本物の元パイロットが言っていることもよく分かった。

ローリー・キング「シャーロックホームズの愛弟子 バスカヴィルの謎」

ホームズとその妻ラッセルが、あまりにも有名な「バスカヴィル家の犬」の舞台、ダートムアの地で魔犬の噂と陰謀に立ち向かう。

最初の電報といい、夫婦で「ホームズ」「ラッセル」と呼び合っていることといい、なかなかシャーロッキアン的にはくすぐられる。

ちなみに、最初の電報とは、かつてホームズがワトソンに当てた「ツゴウガヨケレバコイ、ツゴウガワルクトモコイ」のもじりであり、ホームズとワトソンは、どんなに親しくなっても、ファーストネームではなく、お互いのファミリーネーム、姓で呼び合っていた、という事実に基づくものである。

しかしながら、相変わらず、ラッセルの女の子らしい心の動きを中心に描いているせいか、明らかに不必要と思われる叙述も多く、もっと早く展開出来るやろ、と思う。やはり愛弟子シリーズは・・って、ここのところパスティーシュは同じような嘆きが多いな。私はシャーロッキアンとしてミーハーなのだろうか(笑)。

川上弘美「センセイの鞄」

人に薦められた本である。2001年の作品で、谷崎潤一郎賞を受賞している。ウィキペディアによれば、当時ベストセラーにもなったそうだ。飲み屋で偶然再会した、老いた教師とその教え子の中年女性の物語、である。

老教師には、どこか「天才柳沢教授の生活」のような色が漂う。このマンガは男性誌に不定期連載されているにも関わらず、女性受けが非常に良い印象を持っている。

女性は、ある意味等身大、社会的にはなんら不足も無いが、結婚もせず、何かしらに強い情熱も持てず、気持ちを素直に出せないタイプ。この基本的に情熱皆無、というのは、ある意味現代の女性に横たわる感性のような気がしている。

悪く取らないで欲しいのだが、無理して何かに情熱的になる必要は無い、自分らしくありたい、冷静で社会的な反面、内向的な自分がちゃんと有る、という性向は女性だけでなく人間一般のものであると思う。そこでもがく事を好む人も存在するような気がする。しかし、理解して欲しい、自分の内面を解放したい、という強烈な願望というのは、必ず隣り合わせて有ると思う。それはセンセイも最終的には、同じなのであろう。

悪くはない恋愛も、無いと寂しいが、決してベストでは無い。ベストに飛び込むにはリスクを伴うが、そちらを選んでしまうのも、また女性というものだ、といえば言い過ぎか。

何やかやと、現代の縮図のような主人公の女性の設定と、その内面の描き方と、センセイとの理想的な関係に、読者は強烈に惹かれたのではないかと思える。丁寧さと、素朴さ、最後のスピード感と切なさを持ってすれば、この作品の評価が高かったのも頷けると思う。

7月は、8冊。夏は去年もよく進んだ。8月は、どうだろな。