年末に初雪が降りました。起きてみたらうっすら積もっててびっくり。さて、各賞。
複数挙げてあるものは★が賞の獲得作品です。。
【シェイクスピア賞】
ウィリアム・シェイクスピア
★「ジュリアス・シーザー」
「十二夜」
「ヴェニスの商人」
「リチャード三世」
「アントニーとクレオパトラ」
これで新潮文庫で出ている作品は「ヘンリー6世」以外全部読んだ。それぞれとても楽しかったが、「ジュリアス・シーザー」は白眉。発見だった。シーザーが暗殺された時、近臣のアントニーは一度は膝を屈するが、計算された弁舌で情勢を味方につけ勝利者となる。その彼もクレオパトラに狂い、破滅する、というとこまで読めて満足。
【シャーロッキアン大賞】
★キャロル・ネルソン・ダグラス
「おやすみなさい、ホームズさん」上下
北原尚彦
「シャーロック・ホームズ 秘宝の研究」
アーサー・コナン・ドイル 北原尚彦編
「シャーロック・ホームズの古典事件帖」
ブリタニー・カヴァッラーロ
「女子高生探偵 シャーロット・ホームズの帰還 <消えた八月>事件 」上下
北原尚彦「シャーロック・ホームズの蒐集」
真瀬もと
「ベイカー街少年探偵団ジャーナルⅡ
アーンズワース城の殺人」
「ベイカー街少年探偵団ジャーナルⅢ
死を招く薔薇の怪事件」
和泉弍式
「黒猫シャーロック~緋色の肉球~」
ジャン=ピエール・ノーグレット
「ハイド氏の奇妙な犯罪」
ジョン・L・ブリーン他
「シャーロック・ホームズ ベイカー街の幽霊」
ナンシー・スプリンガー
「エノーラ・ホームズの事件簿~ふたつの顔を持つ令嬢~」
キム・ニューマン「モリアーティ秘録」上下
シャーロッキアンものは月に1冊は入れようとしている。今年は12冊でうまく計算通りとなった。
その中でも「おやすみなさい、ホームズさん」はそのタイトルと少女マンガ風の表紙絵で敬遠していたけれど、読んでみたら「ボヘミアの醜聞」の裏側を巧みに描いていて、出色だった。
【古典大賞】
★「伊勢物語」
松尾芭蕉「おくのほそ道」
「万葉集」
「今昔物語集」
「良寛 旅と人生」
清少納言「枕草子」
紀貫之「土佐日記」
今年の嗜好として、古典にトライ。川端康成や東山魁夷、千住博の影響が大きい。どれも良かったけど、「伊勢物語」は名歌も多く、おしゃれで、タブー破りなど冒険的な面もある名作でした。
【美術賞】
朽木ゆり子
「ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅」
いろいろ読みました。原田マハも良かったけど、どれか一つと言われればこの作品。昨年末からゴッホの作品と映画を観た流れで読んでとても良かった「たゆたえども沈ます」早期文庫化を望む!
【特別賞】
羅貫中「三国志」上中下
いやー弱点だった三国志を克服。次は項羽と劉邦とか水滸伝、西遊記かな。
【隠れた名著賞】
ゴーゴリ「外套・鼻」
私も知らなかったが、この作品は「負け組」を描いたもので、芥川龍之介「芋粥」など多くの作家の作品に影響を与えている。文学史の記念碑的作品なのかなあ、と感心した次第。
【GOODシリーズ賞】
鏑木蓮「イーハトーブ探偵I」
鏑木蓮「イーハトーブ探偵 山ねこ裁判」
宮沢賢治はだいぶ読み進んだ。詳しくなって、関連書籍を楽しく読めている。この作品は軽くしてあるかな、と思ったらそうでもなく、賢治のキャラクターとその世界を分かりやすく、かつ深みを加えて描いている。続巻を心待ち中。
【郷土大賞】
高野澄「太宰府天満宮の謎」
太宰府天満宮とともに、大宰府政庁のこと、
菅原道真の、ものすごい影響力など多くのことを学んだ本。筑紫ばんざい。
【啓発されましたで賞】
★大谷康子
「ヴァイオリニスト今日も走る!」
千住博「絵を描く悦び」
川端康成「美しい日本の私」
東山魁夷「日本の美を求めて」
武田双雲「『書』を書く愉しみ」
今年はこれらの本で本当に勉強し、新たな読書の局面を開くことができた。「ヴァイオリニスト今日も走る!」は事に望む時「できないはずがない」と思って始める、というのが強烈に心に残った。
【人気賞】
与謝野晶子「みだれ髪」
髙田郁「花だより みをつくし料理帖特別巻」
毎度おなじみ、私が出入りしている書評サイトAとBで、最も「いいね」等の投票数がそれぞれ高かった本。サイトの特徴が現れているな、といつも思う。大阪・堺の与謝野晶子文芸館を訪うのが2019年の1つの目標。
いかがでしたでしょうか。これでオールオーバーです。2019年も楽しく紹介していきますので、どうぞよろしく。
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