2015年8月31日月曜日

再び台風にテンテコマイ






台風15号が襲来。私は外のイベント。場所は兵庫県明石市。25日火曜の朝に行くと風が強く、今にも降りそうな雲。明石には、息子が1年生の頃、東経135度の子午線天文館に行って以来。しかし思い出に浸るヒマもなく、翌日の見通し悪し。

予定変更ですぐ高砂市に行かねばならなくなり、電車で30分ほど西の加古川方面へ。兵庫県は広いなあなどと思いつつ移動。断続的に雨が降るがまだそんなに続かない。高砂を引き揚げて明石には戻る。天気予報が好転し、翌日雨止みそうとのこと。

夕方さあ帰ろう、というタイミングで大風に大雨。これぞ台風。一瞬弱まったスキを見計らい、私は隣の西明石駅のホテルへ。通うつもりだったが、台風ということで急遽とった。ここしか空いてなかった。ふれこみは、「帰って寝るだけ、新幹線の音も気にならないという方に最適」予約した時はえっ・・と思った当地に雨風の中辿り着く。

しばらく放心。悪天候は体力を消費する。身体はそんなに濡れてなかったので、ともかくも買い出しにコンビニへ。ところが、外へ出て、階段を数段降りたところで滑って激しく転倒!尾てい骨をしたたか打ち、思わずついた右手の上腕部分に体重がかかり、両方がひどく痛む。しかし人にも言われる丈夫な身体。しばらくで痛みはおさまり、親に感謝しつつ階段に気をつけて再び買い出しへ。


翌朝早くてホテルの朝食は取れないからおにぎりサンドにピクニックのフルーツ、ビタミンウォーターにカフェラッテ、ポリッピーも買っちゃう。

部屋へ帰ってすぐに、サービスで付いているホテルの夕食会場へ。焼肉定食。まずまず満足し部屋へ帰って着替えようとした時、いやな予感が。

触って違和感。ズボンを脱いで確かめると、お尻の真ん中、腰寄りの所が裂けている。オーマイゴッド。普通に歩いているぶんにはズボンの色も下着も黒なので分かるまい。でも明日は着ていけない。2年に渡り付き合ってきた伸縮性のある黒ジーンズとこんな風に別れの時が来るとは。

すぐ出かける。フロントに聞くとUNIQLOは西隣の大久保駅。しかし、帰宅ラッシュ時に台風には弱すぎるJR。電車動かない。大久保には新快速は停まらない。20分ほど待って、ぎゅうぎゅうの普通でやっと着く。急いでUNIQLO探す。もう7時。今日中に、なんとしてもなんとかしたい。

幸い店はすぐ分かり、入るや、これと同じものをちょうだい!急いでいますよろしゅうにー!と言うと、まったく空いた店内、おまけにお店は21時までと安心させてくれる。すぐに黒ジーンズ伸縮性スリムゲット。ついた女子の店員がはからってくれ、裾仕上げも5分ほどだった。あ、ありがたい。

よしこれで、と勇んで帰ろうとするも、今度こそ電車動かず。次の列車はまだ姫路とか。あきらめて、タクシー乗り場。これがガラガラだった。大阪とか東京ならものすごい行列が出来ているところ。10分ほどの待ち時間で乗れて帰る。ようやくお風呂ベッドだー。朝早かったから眠い。次の日は5時少し前に起きたい。風呂入って身体を冷やしてちょっと本読んで21時過ぎには寝る。

シューーーッキュウウウンーー!!

窓の外は新幹線の線路。西明石はこだま以外はほぼ通過駅。通る度に目が覚める。「新幹線の音も気にならない方に最適」・・気になるわこれー、安くて朝食ばかりか夕食まで付いていて、最後まで空いているホテル・・確かに綺麗ではないが、ちょっと気に入りつつあったんだけど。最終の新幹線通過後、ようやっと本格的に就寝。

朝起きだして風呂入ってご飯食べて駅へ向かう。雨も風も止み、静かで気温も上がりつつある明石公園。待ち合わせまで本読んで待つ。無事決行、終了。ああ疲れた。

少し朝晩涼しい。夕陽がきれいに見える。でも次週は秋雨が長く降るとか。 

秋はパタパタと休むヒマがなかなか無い。深まるにつれて忙しい。でも、忙しがりすぎて休まないことの無いようにしよう。まだまだ先は長いんだから。

2015年8月24日月曜日

秋の始まり




秋の始まり

昔、同級生の女子が、立秋を過ぎたら暑中見舞いではなく、残暑見舞いだ、と教えてくれた。立秋は夏至と秋分との中間。今年は8月8日だった。

立秋はまだ暑いので、毎年やはり高校野球が終わってから秋を感じる。9月まで残暑は厳しいが、朝晩少し涼しく、過ごしやすくなった。

高校野球は、東海大相模の優勝で幕を閉じた。私を含め、仙台育英に好意的な向きが多く、甲子園の観衆も後押ししたが、最後は力尽きた。

しばらくは車内勤、週末は京セラドーム。昔は大阪まで行って環状線だったが、いまは阪神と近鉄が直通になってくれて1本でいけて、本当に楽。中仕事なので汗かかず。

最近は「ダイヤのA」に息子ごとハマっていて、次々買ってきてしまう。最近は寝かしつけに昔見た映画のキング・コングの話をしてやったり、続・桃太郎SEASON7ゾロアスター編というのを始めてしまった。ゾロアスター教を勉強しながら創作。知識的には楽しかったりする。

いくつかヤマはある。しかし毎年秋はチョー多忙。それに備える時期である。

2015年8月19日水曜日

いわゆるひとつのピーク





高校野球は大変盛り上がっている。それぞれ特徴があって、今大会は面白い。鳥羽、秋田商、東海大甲府、遊学館、中京大中京、九州国際大付など強打者も好投手も居て、応援する気になる。

個人的に好きだったのが広島新庄。2回戦で早実と当たり、2年生エース、サウスポー堀と早実打線の対決になるかと思われたが、どうしてどうして。

早々に代打を出し、ピッチャーも4人をつぎ込む、スキがあればダブルスチールなどで点を取りに行く、早実に打ち負けない、などなど、総力戦であと一歩のところまで粘った。控え選手を信頼する、プレーという意味での全員野球は、素晴らしい好感を残した。

きょう現在、清宮の早実、佐藤世那、平沢の仙台育英、オコエの関東一、そして小笠原の東海大相模と、それぞれ知られた選手のいるチームがベスト4に残っている。この段階で西日本のチームはひとつもなし。大会前から、清宮のこともあって関東方面の盛り上がりを感じていたが、この結果とは思わなかった。

実感的には高校野球の熱はいま北東にあり、北海道・東北・北陸が熱い、と思っているが、ただ、去年の決勝が大阪対三重、その前が群馬対宮崎だったことを考えればニュースではあってもあまり騒ぐほどのことではないと思う。

清宮対小笠原は見たいけど、心情的には東北勢初優勝かな・・。

さてホントに暑い中の走る仕事が終了。月末のイベントが終われば、ちょっと楽になる。
台風15号と16号発生。注意必要。

2015年8月10日月曜日

汗みずく





夏は早い。朝も夜もものすごく蒸し暑くなってから何日経つだろうか。

だいたい8月も下旬になったら朝晩涼しくなってくるものだが、いまは、早くて2週間後くらいにそうなるとはとても思えない。ずーっと太平洋高気圧が居座り、7日連続の猛暑日とかもう大変なことになっている。

雨降れー。空気入れ換われー。外仕事が多い身としては切実な願いである(笑)。木曜日は激しい雷はなったものの、ついに降り切らず。

高校野球もあっという間に抽選会も終わり、本大会が始まった。高校野球100年の大会の開会式。第1回大会優勝校、京都二中の流れを汲む鳥羽の主将の選手宣誓は、立派だった。

8月は例年の名作ミステリーシリーズ。心配していたが、ちょっとした仕事のヤマが過ぎたこともあり、出だしだけは好調である。最初の5日で2冊、東野圭吾「禁断の魔術」ジョン・ディクスン・カー「皇帝のかぎ煙草入れ」読了し、3冊め小峰元「アルキメデスは手を汚さない」も順調に消化。次は泡坂妻夫「11枚のとらんぷ」である。

推理小説はやはり早い、ということか。

キンキンに冷房が効いているバスから降りて山道を10分歩くと汗みずく。休みの日も、息子は暑くてもキャッチボール、なのでやはり汗みずく。運動は出来るならいまはしたくないが、始めると変な手抜きは出来ない性格なのでさらに汗みずく。

休みの時間を少しずつ使い、小さい買い物を積み重ねる。こないだは、夏用の靴下、そして黒の靴。いまの仕事は、身に付けるものは消耗品と割り切っているのであまり高くないもの、シューズも歩きやすいゴム底である。消耗品ゆえボロくなるものが多くなってくると、一つずつ買い物する。次は通勤バッグかな。柔らかい生地のジーンズも。まだまだいっぱいだ。

最近はどうも、迂闊なことが多くなっている。細かいことだが、ちと気をつけよう。けっこうショックだったのが、2回ほど、読む本を忘れたこと。それがきっかけで、かねてから心の隅にあったプロットを使ってまた書き始めているが、読むのと違いエネルギーを遣い頭脳を酷使するので、なんか書き続けられない。ま、いっか。

金曜日、新入社員を相手にビール飲みながら先輩としての論をぶつ。一種可愛そうたが、まあそんなもんだー。最近はよく仕事で一緒になる後輩から2杯目を呑んでたら「珍しい」と言われてしまうのに4杯も呑み、土曜日二日酔い。夕方雷とともに豪雨が降ったからラッキー。少しだけど涼しくなった。

日曜日はお仕事。帰りに雷が。東の方に黒雲。やば、傘持ってない。私は西に帰る。帰り着くまで降るなーと願う。セーフ。でも暑い。次週は多少暑さは緩むというがホンマかな。

毎年夏は忙しい。もくもくと、動こう。


2015年8月1日土曜日

7月書評の2




もう朝から暑すぎる。涼しいバスで、きょうはいつもより遠くの駅で降りよう、と思って行くと、事故でバス来ない。人生こんなもんだ。8月1日土曜日朝。

梨木香歩「雪と珊瑚と」

梨木香歩の作品はいつも、続編読みたいな、と思うな・・。

珊瑚は21歳。結婚して離婚し7ヶ月の娘、珊瑚と暮らしている。働くために雪を預けようとするが、公立保育所や民間の託児所には全て断られ、途方に暮れていたところ「赤ちゃん、お預かりします。」という張り紙を出していた年配の婦人、くららと出会う。

物語は以前のアルバイト先のパン屋で働き始めた珊瑚がくららの薫陶を受けて食べ物の大切さを思い、惣菜カフェを開きたいと考える成り行きだ。自然植物系が得意分野の梨木香歩なので期待してしまうが、それもありつつ珊瑚と雪を取り巻く環境と人間関係、珊瑚の気持ちに焦点が当てられている。

梨木香歩は独特の、純和風ファンタジーのような話、「家守奇譚」を読んで続編出ないかなあ、と思っていたところ、「冬虫夏草」が出たので、早く買った友人に借りて狂喜して読んだ。昨年末には、遅まきながら名作「西の魔女が死んだ」を読み唸らされた。自然系、生活の知恵などの知識は本当に感心した。

トントントン、と話が進み、うまく行き過ぎている感が強い。そこが気になるところだが、予想通りというか、豊潤な話である。

この物語も、カフェ経営と人間関係と子育ての間で揺れる珊瑚の物語が、途中で終わっている気がする。続編きっと出すよね、そして、もっと自然系の知識をバンバン盛り込んで、美味しそうな料理が出てくるよね、と思いたい。

珊瑚が雪の夜泣きで苦しんでるところは、思い出したな〜。つらかったー。

朝井まかて「ぬけまいる」

女3人、ユーモアとスリル溢れる、痛快なお伊勢詣りの旅。まずまず面白かった。

若い頃は「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれたお以乃、お志花、お蝶。アラサーのいま、お以乃は何をやっても続かず、行き遅れで親の一膳飯屋手伝い、お志花は下級役人の妻に、お蝶は婿をもらって実家の小間物屋を切り回している。ある日顔を合わせた3人は、その場から「抜け詣り」に出発する。

解説によると、伊勢神宮の財政が逼迫したことから、従来町人の移動を厳しく禁じていた江戸幕府は、お伊勢参りに限っては通行手形を容易に出すようにしたため、ブームのようなものが起こった。お伊勢参りなら、勤め先や家の者に無断でいきなり旅に出ても許されたという。へ〜である。

まあ、旅ならではのトラブルあり、人助けあり、激しい恋あり、切った張ったありのエンタテインメントだ。意識してか、お色気も混ぜている。

お以乃、お志花、お蝶それぞれの性格と今の状況が、現代に被らないでもない。女子が、のびのびと描いた感がある作品だった。

重松清「とんび」

ごつくて、荒っぽくて、涙もろくて、不器用、照れ屋で情の深い父親。

広島・備後。通運会社に勤める20代後半のヤッさん。大好きな妻の美佐子との間に息子のアキラが生まれ、幸せに暮らしていた。しかしある日曜、会社の荷捌きの仕事を片付けようと家族を連れて行った時、事故が起きてしまう。

重松清は、ツンツンと、我々世代の胸を刺す作家、というイメージだ。あまりツンツンされたくないな、という思いを抱いたこともあり、読まなかった時期もあった。これは意外に同じ感想を持つ人もいた。

昨年は「青い鳥」に泣かされたが、今回は、ヤッさんと一緒に悲しんで、照れて、笑って泣いて、という話。何回か軽く吹いてしまった。昭和30年代からの設定も郷愁をそそる。

貸してくれた子持ちのママは、泣いて泣いて・・と言っていたが、逆に言われていたせいか、同じ息子持ちだけど、あまり泣きはしなかった。山も谷もある、悲しくも微笑ましい、人生劇場。ほんのりと楽しめたかな。

7月書評の1




とても忙しい月だった。7作品8冊。少なめだったが、中身は濃かった。ではスタート!

熊谷達也「氷結の森」

大河ドラマ。興味のある時代と地域。堪能できた。

もと秋田のマタギ、柴田矢一郎は、日露戦争従軍後、樺太に渡り鰊漁や山仕事の飯場で働いていた。しかし、矢一郎に深い怨みを抱いた亡き妻の弟が、銃を手に矢一郎を追い続けていた。

「相克の森」、直木賞&山本周五郎賞を受賞した「邂逅の森」に続く「マタギ三部作」完結編らしい。

南樺太が日本の領土だった時代。樺太、間宮海峡、シベリアが舞台であり、第一次世界大戦とロシア革命後のシベリア出兵、尼港事件が題材となっている。ギリヤーク族など北の土着民族も絡み、スケールの大きなストーリーだ。

とても興味のある話で、また熊谷達也独特の「北」の表現力と取材力が活かされていると思う。また今回は抑え気味だが、固有の男臭い感じ。やっぱり好みだ。

かなり楽しめたが、主人公がちょっと今回スーパー過ぎ、都合が良い部分もある気がした。また思考にも、んー、と引っ掛かりを覚えるところはあった。

テレビドラマか映画に・・なんないだろうなこういうの。(笑)

朝井リョウ「何者」

ぐわっとえぐってくる、直木賞受賞作。うーん、やっぱ朝井リョウ、なかなかだわー。

拓人は、バンドヴォーカルの光太郎とルームシェアして暮らしている。光太郎と付き合っていた瑞月が、同じアパートの1階上に住む理香と友人で、4人は就職活動グループとして、時に情報交換しながらそれぞれエントリーシートや面接にアタックし始める。

朝井リョウは、「桐島、部活やめるってよ」「もういちど生まれる」「星やどりの声」「少女は卒業式しない」と短編集ばかり読んでいて、今回が初の長編となった。短編集ではその独特の感性と表現の仕方が好きではあったが、やはり、同パターンが多いのにちょっと食傷気味だったところ、この長編でエグられた。

心理描写と対比させるような、日常の仕草やシーンの面映ゆい、細かい描写といったものもいつもの独自性だが、今回はやはり、どんでん返しとも言うべき仕掛けが最大の特徴だろう。微妙で心理的な突っ張り合いを伏線に、最後は人がほのかに持っている自尊心を打ちのめす。ラストも綺麗すぎない。

ツイッターなどなどSNSが小道具。恋愛感情も味付け。やるな、という感じだった。直木賞選考委員の各氏の評も、これは絶賛と言っていいだろう。

小森陽一「天神」

今日夜はウィンブルドン女子決勝で楽しみ。
巨人ー阪神をテレビで観ながら書いてるが、ボコボコにやられているタイガース。

自衛隊ファイター・パイロットを目指す若者。そこそこ面白かったが、まあそこそこだ。

祖父も父もパイロットの坂上陸は航空学生出身。飛行準備過程チームチャーリーに所蔵している。防衛大学出身者のチームブラボーに所属する高岡速はエリートとして名を馳せている。高岡は、なぜか、学科が出来ず馬鹿にされている陸に興味を持つ。

この2人の立ち位置は物語が進むにつれ変わっていくのだが、その過程も、オチもなんだか不思議でもう一つだ。ひとつ前に

ただ空を飛んでいる時のリアリティ、そしてまた主人公が私と同じ福岡県春日市出身、北九州の芦屋基地が一部主要な舞台となっていることなど、好感を持つ部分もあるが、どうも消化不良の要素が多かった。

恩田陸「ねじの回転」(2)

私が思うに、ある作家の作品を多く読んでいると、面白いものとそうでないものに分かれる。恩田陸は比較的安定している方だが、今回は「そうでない」作品だったな。

近未来、国連はタイムスリップが出来るようになったことで乱れた歴史を修正し始める。そのポイントに選ばれたのが1936年2月26日の2.26事件。国連は若手将校や石原莞爾大佐に理由を話し、通信機を持たせる。

題材が面白そうだな、と思っていたが、よりSF寄り過ぎてもうひとつ。どうも絞り切れない感じだった。恩田陸には全体にバランスを感じるものの、ちと冷静過ぎるかも。

イメージ的な描写で、日本がアメリカの州になっている、というのがある。日本・ドイツが第2次大戦に勝ったという設定で「高い城の男」を書いたフィリップ・K・ディックを、ちょっとだけ思い出した。