年末から、四国にばかり行っていて、本当にひさびさの東京出張。今回の宿は神保町にある学士会館。
いわゆる七帝大の卒業者が利用していたクラブ。昭和3年開業、2・26事件の際には東京警備隊司令部が置かれたり、戦後にはGHQが接収、高級将校の宿舎やクラブとして使われたり、との近代史を持つ建物。現在は結婚式場もあって、一般の方でも利用できる。現在国の有形文化財に指定されている。
私が泊まったのは、昭和3年の旧館で、途中革張りのソファーとマホガニー?の円卓があったりする、いかめしく重厚な造りの建物。
部屋のドアがオートロックじゃないのはちょっとびっくりしたが、部屋は天井が高く、奥にデスクがあり、手前にテーブルと椅子。ちょっと広い。しかも!お風呂とトイレと洗面台がセパレート、クローゼットもゆったりめ。寒の戻りの夜だったが毛布も完備。シングルベットの狭さはまあ、致し方なし。豪華ではないけれど、滞在心地が良かった。
洋朝食はきれいな配膳。卵料理はオムレツにスクランブル、ハムエッグからチョイス。サラダにパンにヨーグルト。レストランも由緒ある感じだった。ちなみに、東京のホテルとしては、リーズナブルなお値段である。
そして目的のひとつ、「日本野球発祥の地」のモニュメント。写真の通り。1871年にアメリカから来日したホーレス・ウィルソンという教師が、この地でのちの東京大学となる東京開成学校予科で生徒たちに野球を教えたのが、日本野球の始まりとされる。明治初期の話で、あっという間に野球人気は広まった。
このモニュメントは、ウィルソンが2003年に野球殿堂入りしたのを記念して作られたもので、新しいものだが、この形状が野球好きの心をくすぐる。満足。
夜は神田で焼き鳥食べて、さすがは神田、安かった。残念ながら、すぐそこにありながら古書店巡りも、神保町カレーも行けなかったが、絶対また泊まろうと思う。
帰りは不思議で、新横浜から新幹線に乗ったのだが、混んでいるのに、トイレも喫煙室も、行くとこ行くとこスッと自分のためのスペースが出来た。挙句の果てというか、座席指定するときも、混んでまして、通路側しか空いてません、と言われてたのに、私の列には最後まで人が来ず、窓際で楽勝で帰れたのでした。
息子を寝かしつける時に、シャーロック・ホームズの「ボヘミアの醜聞」をアレンジして話したら「面白かった」との評をいただき、しばらくこのセンで行くことにした。
翌日は休んだ。終業式から帰ってきた息子が「4年生のクラス最後の日だった。」と何回めかの名残惜しい言葉を漏らした。息子はそのクラスでの生活がとても気に入っていて、毎日早く学校に行って、友達に会いたくてたまらなかったらしい。昔同い年の友人からも同じ話を聞いたことがあったが、私にはついぞ無かった感情だ。
「春は別れの季節なんだよ。でも、そんなにいいクラスだったのは、本当に良かったね。」と言ってあげた。私も小学校で何年が楽しかったかといえば3、4年だろうと思う。担任の若い女の先生は、成人式にも来たし、就職が決まった時は電話をくれた。
まだ寒い春。でも、季節は不断に前に進んでいる。
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