2015年3月30日月曜日

春の雑文





深夜、本を読んでいる。朝井リョウ「少女は卒業しない」。メガネを外して、本に顔を寄せて読む。3月末の深夜はまだちょっと寒い
。目がちょっと痛い。眼医者の話によれば涙が通常の3分の1しか出ない、スーパードライアイだそうだ。卒業式の物語は、やはり3月中に読んでしまいたい。

息子を寝かしつける時に一緒に寝てしまい、深夜早朝に起きて風呂に入ることが最近かなり多い。身体にはあんまり良くないと分かってはいる。でもそんな時の深夜、風呂に入った身体の火照りがなくなるまで本を読むこの時間を気に入っている。ソファか、テーブルでじっと読んでいる。外からは生活騒音が一切しない時間帯。苦くあったかいコーヒーも欲しくなる。甘いお菓子がちょっとだけあれば文句はない。

なんか最近ちょっと神経過敏である。仲良かった元のマンションの友人が単身赴任することになって辛そうにしているのを見たり、子供が2人居る優秀な女性が会社を辞めることにし、会社の男性陣はやっぱり考え方が封建的だし、周りの誰も反対してくれないんですよね、とか言ってるのを聞いたりしてちょっと刺さってしまったりする。

春は別れの季節である。息子も、とても好きだった小学4年生のクラスが終わり、残念そうだった。

朝井リョウは好きだ。想定読者の中ではたぶん高年齢層に入るであろう私も、この、ちょっとしたわざとらしさと、小賢しさ、プロットとメッセージ性を気に入ってしまっているクチだ。そろそろ別ジャンルを書いてみてほしいな、とも思うが、男性史上最年少の直木賞受賞は伊達ではなく、紡ぎ出される物語は愛すべきものが多い。実は現実感が無かったりするが、そこがいいところでもあるだろう。

キュッとなってしまうから、続けて読むのがしんどかったりする。やれやれ、このおっさんは。高校時代なんて30数年前だよね。

世の中は住みにくい。人生は、思う通りいかない。そんな本が最近多い。でも、その通りかも。

土曜は仕事で京セラドーム。阪神近鉄乗り入れで、阪神西宮までバスに乗って奈良行きの快速急行でおよそ25分くらいでドーム前に着く。JRで行くと乗り換えありで時間がかかる上に、大正駅からはちと遠いので、大変嬉しい。

日曜昼間はお留守番。パワプロの高校野球に息子とハマる。同じチームで、打つ方が息子、投げるのが私。甲子園出場、2回戦では9回裏、息子起死回生の逆転サヨナラツーランホームラン。決勝では私が完封リレーでついに優勝で興奮。ケイタイの電池がほとんどなくなった。でも、あれは面白いな。

帰ってきた妻が雨が止んだ外で息子とキャッチボール。幼稚園の頃に比べるとだいぶ上手くなったとご満悦だった。そりゃまあそうだよね。ブランクがあった分、感動の度合いが大きくて良かった。

それに比べるとこちらは、いつもしてるし、家の中では柔らかいボールでドッジボール、投げ方を指南したりしている。でも、あんまりこだわらせるのもな、と思い、うるさくはしていない。

きょうはこちらのほうが考えながらやっていた。私は、野球の基本は身に付いていると思っているが、最近おおざっぱで、形が出来ていれば多少こぼしてもいいし、ワンバウンドは身体に当てて止める=ちゃんとキャッチしない。柔らかいボールを使っているので、ゴロを捕る時、気が付けばグラブより先に素手の右手に当たることも多い。

これが例えば硬球だったら痛いし、下手をすると骨の怪我をする。また試合ではひとつのポロリが結果を左右する。このトシからなんだが、と途中からグラブで正確に捕れるよう、片手で捕球の練習をしていた。

夜は少し寝て、息子を寝かせて、久々に?夜に風呂に入る。さあ寝よう。あすはあったかいらしい。桜の開花が本格化する週だろう。

2015年3月26日木曜日

東京行





年末から、四国にばかり行っていて、本当にひさびさの東京出張。今回の宿は神保町にある学士会館。

いわゆる七帝大の卒業者が利用していたクラブ。昭和3年開業、2・26事件の際には東京警備隊司令部が置かれたり、戦後にはGHQが接収、高級将校の宿舎やクラブとして使われたり、との近代史を持つ建物。現在は結婚式場もあって、一般の方でも利用できる。現在国の有形文化財に指定されている。

私が泊まったのは、昭和3年の旧館で、途中革張りのソファーとマホガニー?の円卓があったりする、いかめしく重厚な造りの建物。

部屋のドアがオートロックじゃないのはちょっとびっくりしたが、部屋は天井が高く、奥にデスクがあり、手前にテーブルと椅子。ちょっと広い。しかも!お風呂とトイレと洗面台がセパレート、クローゼットもゆったりめ。寒の戻りの夜だったが毛布も完備。シングルベットの狭さはまあ、致し方なし。豪華ではないけれど、滞在心地が良かった。

洋朝食はきれいな配膳。卵料理はオムレツにスクランブル、ハムエッグからチョイス。サラダにパンにヨーグルト。レストランも由緒ある感じだった。ちなみに、東京のホテルとしては、リーズナブルなお値段である。

そして目的のひとつ、「日本野球発祥の地」のモニュメント。写真の通り。1871年にアメリカから来日したホーレス・ウィルソンという教師が、この地でのちの東京大学となる東京開成学校予科で生徒たちに野球を教えたのが、日本野球の始まりとされる。明治初期の話で、あっという間に野球人気は広まった。

このモニュメントは、ウィルソンが2003年に野球殿堂入りしたのを記念して作られたもので、新しいものだが、この形状が野球好きの心をくすぐる。満足。

夜は神田で焼き鳥食べて、さすがは神田、安かった。残念ながら、すぐそこにありながら古書店巡りも、神保町カレーも行けなかったが、絶対また泊まろうと思う。

帰りは不思議で、新横浜から新幹線に乗ったのだが、混んでいるのに、トイレも喫煙室も、行くとこ行くとこスッと自分のためのスペースが出来た。挙句の果てというか、座席指定するときも、混んでまして、通路側しか空いてません、と言われてたのに、私の列には最後まで人が来ず、窓際で楽勝で帰れたのでした。

息子を寝かしつける時に、シャーロック・ホームズの「ボヘミアの醜聞」をアレンジして話したら「面白かった」との評をいただき、しばらくこのセンで行くことにした。

翌日は休んだ。終業式から帰ってきた息子が「4年生のクラス最後の日だった。」と何回めかの名残惜しい言葉を漏らした。息子はそのクラスでの生活がとても気に入っていて、毎日早く学校に行って、友達に会いたくてたまらなかったらしい。昔同い年の友人からも同じ話を聞いたことがあったが、私にはついぞ無かった感情だ。

「春は別れの季節なんだよ。でも、そんなにいいクラスだったのは、本当に良かったね。」と言ってあげた。私も小学校で何年が楽しかったかといえば3、4年だろうと思う。担任の若い女の先生は、成人式にも来たし、就職が決まった時は電話をくれた。

まだ寒い春。でも、季節は不断に前に進んでいる。

2015年3月21日土曜日

飛鳥行




日中かなり暖かくなり、コートの類はいらないかな、という日もあった。ただちょっと寒い風が吹いたりするので、街にはダウンの人もいる。わかる。次週また寒の戻りがあるそうだ。その時に出張。まあこんなものか。

ある日、ちょっと気分転換、心の洗濯、と日がな一日外出。

まず朝一で映画「くちびるに歌を」を観に行った。初の大阪ステーションシネマ。

原作で端折っている部分をただ匂わす程度にしてたり、ガッキーに焦点を当てすぎてたり、といのはあったが、泣いた泣いた。泣きすぎて涙が無くなったな、という実感があったくらい。

昔30人31脚というテレビ番組があって、親世代としては、小学生がただ頑張る姿だけを見ていても涙腺が潤んでしまったものだけれど、今回も歌という要素が絡んで、泣きに泣いたな。やっぱり歌は素晴らしい。アンジェラ・アキの「手紙〜拝啓 十五の君へ」を何度もYoutubeで聴いてしまった。

そのまま環状線に乗って天王寺、近鉄阿部野橋から飛鳥駅まで45分くらい。降り立ったところから、飛鳥〜という感じがした。なんというか、平坦で、落ち着いてて、低い山々に囲まれている。倭建命が国のまほろば、と行った、大和し麗し。

駅前のラーメン屋で塩ラーメンにライス食べて、外に出ると雨。うわせっかく来たのにと思いつつ、煙草を吸ってるとやんだ。駅前のレンタサイクル借りていざ周遊。レンタサイクル屋のおばあちゃんたち、あまり観光案内してくれないし、レンタサイクルちょっと高いし、ママチャリ。

走り出してけっこうすぐ高松塚古墳。歩いてしばらくの壁画館に行く。レプリカだが、色彩に目を奪われる。四神の青龍、白虎、玄武を見る。飛鳥時代にも芸術家はいたんだな、歴史的価値ばかりでなく漂ってくる強さにも感心。

本道に戻って走り出すと、標識も何もなく、すぐ天武天皇・持統天皇陵。おお!はや!こないだ読んだ、「朱鳥の陵」の主要人物2人。壬申の乱、また乱後の当事者たち。確かに入り口までしか行けないけれど、誰もいない。ちょっとびっくり。まあ、独占したと思わば、得した気分。陵の横の田んぼでは梅がきれいに咲いていた。

目標の甘樫の丘まで自転車でちょっと走る。途中登り坂もあったが、思ったほど遠くなかった。展望台への最も近い駐輪場が分からずちょっとウロウロしたが無事丘を登る。まむし注意の立て看板、怖いが登り切って丘からは綺麗に、大和の平野が見下ろせる。風景が開けて、気持ちいい。

畝傍山、耳成山、香具山。いずれも山というよりは丘の様な山を見下ろす。写真は甘樫の丘からで、左の盛り上がりが耳成山、右の森のようなところが、百人一首にもある香具山。蘇我馬子、入鹿もここから見下ろしていたのだろうか。甘樫丘、あまかし、という名前の響きがいいよなあ。

飛鳥川を横目に、信号を渡って飛鳥寺へ。この辺も大和を実感できる、落ち着いた、平坦な地形。飛鳥寺は、駐車料金の看板に驚いたが(よく見ると普通車30分以内無料)小ぢんまりした境内は喫煙可、料金を払って本堂に入ると、日本最古の大仏、推古天皇時、つまり聖徳太子摂政時、609年開眼という本尊に圧倒される。補修を重ねているらしいが、正に蘇我馬子の時代から同じ場所に今でもある大仏に壮大な歴史を感じる。写真もOK。

本堂から外に出て、鐘を撞くのも問題なし。こんなに歴史・文化的価値あるものを抱きながら、飛鳥寺はすごくオープンだ。寺の外に出てみると、蘇我入鹿の首塚をはさんですぐそこに甘樫丘。大化の改新時は、飛鳥寺には中大兄皇子軍、甘樫丘には蘇我氏軍の兵が集まり、睨み合っていたそうで、ここでも飛鳥時代のスケールを感じる。飛鳥寺は、都が移った後は衰え、江戸時代まで本尊がなんと露天だったり、かりそめの本堂程度だったらしい。

これで目的地訪問終了。のんびり自転車こいで帰る。ここまで2時間。暑くなく寒くなく気持ちいい。これが夏だったら体力をかなり消耗してただろう。急行までおよそ20分くらいあり、温かいごま団子食べてしばし休憩。帰りの電車で藤沢周「武曲」を読みこむ。充実した1日だった。久々の自転車でおしりが痛くなった。

2015年3月16日月曜日

ラストの寒?




月曜休みにして、ブレザーを買いに行った。大学入学時、姉と買いに行って以来である。福岡・天神前のあまりの人混みに、姉は私を盾にして、進んでよー、と言った。そのブツは、社会人まで持ったが、確か独身時代の引越しの際捨ててしまった。ブレザーが一着あると、ユーティリティーだけにずいぶん助かるのである。あとこの春欲しいのは、ブレザーに合って歩きやすいゴム底の靴に、スボーティなパーカー。遅くならないうちに買うに限る。

火曜日水曜日は、めっちゃ寒くて雪降る日によりによってどちらも外仕事。ホントに本当に寒かった。人生こんなもんだ。

木金と進まぬ仕事をして、金曜はホワイトデー対応で終業後阪急百貨店の地下へ。飛んで火にいるナントヤラ。すごい人混みだった・・。

土曜は留守番で外出せず。最低気温は6度ほど。夜煙草を外で吸いながら、明日の夜は暖かいのかなあ、と思っていた。

日曜は息子と朝一番エディオン。人がおらず妖怪ウォッチゲームを楽勝でして、DSの新ソフト買って、ブックオフでパパ買い物して、息子の散髪して、駅でコロコロコミック買って帰る。バスが無くしばらくぶりに夙川沿いを息子とお散歩。遊具で遊んだりしながらのんびり歩く。暖かくはないが、そう寒くもない。気持ちいいね、と息子も言う。けっこう幸せな、2人外出。

新ソフトを買ったから、早く家に帰りたい息子、昼ご飯はバス停にあるコンビニでバン買って食べる。ソーセージマヨパンが意外に美味かったようだ。バスに乗って帰り、パパは読書、息子は新ゲーム。意外に肌寒い。これもきょうまでだろうか。雨が降り出した。

本は、湯本香樹実「夏の庭」、安部公房「砂の女」を買ってきた。どちらもwebを見て、面白そうだった古めの作品。今は、待ちに待っていた藤沢周「武曲(むこく)」を読んでいる。剣道もの。単行本で読んだ、体育会系剣道部出身の女子が、いいと言っていた剣道もの。夢中になって読んでいる。

次週は暖かくなるそうな。今夜を体感する限りホンマかいな、だが、どんなもんだろう。

2015年3月8日日曜日

オリンピックは火の車




タイトルは、久保田利伸のアルバムにあった曲名で、何の意味もない。最近懐メロづいていることもあって、ふと心に浮かんだ。

さて、雨が多い。丸亀も雨、この土曜のJリーグ開幕も雨。武藤の2ゴールはすごかった。しかし雨の前後はピーカンで四国は日差しが強いので、顔がいい色に灼けた、と言われるのである。灼けると引き締まって見えるのか、痩せましたねーと立て続けに言われた。

そんな中、長年愛用の折りたたみ傘が壊れたので、コンビニで購入。壊れたものはやや旧型の傘で畳んだ時ちょっと大きかった。

よく売っている、平面的に畳めるものは、コンパクトで安く一時期よく使用したが、広げた時、傘そのものがとても小さい。冬場はコートもカバンも濡れるし、息子と2人で外出する時いきなり降り出しても、子供との1.5人分をカバーできない。でももしもの傘は出来るだけ荷物にならないようにしたい。

なので、今回、60センチサイズと大きくて、丸畳みだが旧型よりコンパクトなやつを購入。いやー皆たぶん同じ不満を持ってるんだな。こういうコンビニエントなところは、日本人は素晴らしい。

日曜日も外出。日中13度まで上がるらしいが、朝晩寒いからやはり厚めのダウン。まだ陽がかげるととても寒いし、空気が冷たい。この日は先輩の息子さんがヴァイオリン・ソロでメンデルスゾーンのコンチェルト、略してメンコンをやるというので観に行った。小さいホールだったが、熱のこもった演奏で、とても良かった。休憩の時演じてすぐの本人がロビーに居たのでびっくり。ヴァイオリン2人とソプラノ1人観て出る。

喫茶店で一緒に行った先輩とおしゃべり。クラシック鑑賞はこのひとときが一番楽しい。いずれも良い演奏、歌唱だったと思う。オケを見たとき、自然と弦楽器の数を数えている自分が居て思い出す。記録キロク。ステージも大きくなく、10、8、6、6、4の布陣。管楽器は、フルート、クラリネット、オーボエ2ずつ、ホルン3本、トロンボーン3本、トラ2本でチューバなし。歌でフルートとの共演が聴かせどころだった。

やっぱたまにはオケ聴かなくちゃね!

帰りは暖かかった。駅で見る人は、私と同じく厚着している人は朝に出た人、薄めの人は昼以降に出た人と見分けがつく。

次週は真冬並みの寒さだとか。雨、晴れ、温寒を繰り返しながら春に向かって行くんだな。寒い期間にまた外仕事予定。そんなものだ。でもいい気分転換だったな。