2013年8月25日日曜日

一転雨涼

しばらくは一滴の雨も降らなかったのに、高校野球が終わってから雨がちとなった。特に日曜日は、早朝から午前中、ずっと強い雨が降り続いた。なんでこんなに、というくらいの雨、朝にはひょうも降ったそうだ。

金曜日、帰りのバスで山の雨。けっこう降っていて、小さい折りたたみ傘にすぼまるようにして帰った。翌土曜日も雨。雨勢はそうでもなかった。久しぶりにアウトレットに行った。息子のレゴを見て、addidasで息子の靴を買おうと入ったら13時まで半額、とのこと。あわててパパの薄い上着も買う。前から言っておいたので、この日はパパの財布と出張バッグも購入。ご飯食べて、食器買って帰る。息子は前回来たときに明石焼きが気に入ったらしく、この日も食べていた。

雨の日曜日はママ髪チョキチョキでお留守番。パパ読書して、眠くなる。息子とポケモンバトルして、サッカーゲームして、本読んでなでしこリーグカップ準決勝を見て、晩ご飯は回転寿司。帰ってまたなでしこリーグカップ準決勝もう1試合を見て、息子を「新・桃太郎 頼光四天王と伏」(笑)で寝かしつけた。

涼しい。山でさえ、8月はもう夜もかなり暑かったが、今夜は冷房なしでよさそうだ。まだ残暑はあるだろうが、暑いのも、あとひと月だ。

2013年8月17日土曜日

お盆の涼

お盆の週は1日休みが取れたので、神戸の元町商店街に出来たミニシアター、元町映画館に初めて行って来た。この時期、戦争ものはご勘弁なのだが、大地康雄企画・主演の親子もの「じんじん」を上映していて、泣かされた。いやー泣いた。誰もが子供に絵本を読んであげた記憶があるはず、そこをうまく衝いた作品だった。

また、舞台が北海道で、ああーっ北海道行きてぇ〜!と思った。レオンが来る前の旅行といえば毎年のように北海道だったのである。やっぱすべてが雄大だ。映画のストーリーは偶然性が強く無理も多少あったが、久々に観た映画が当たりだったのは嬉しかった。

ブックオフ寄って3つ買って帰る。今回は変わったラインナップで、桜庭一樹「伏」、高橋克彦「鬼」そして恩田陸「黄昏の百合の骨」。

「伏」は南総里見八犬伝のファンタジーものと聞いている。4年くらい前に文芸仲間が薦めていたのを思い出して買った。「鬼」は、先だっても触れたが、私は鬼ものが好きだから。それから最近あまり積極的には買わなかった恩田陸を買ったのにも理由がある。

恩田陸は、デビューから4作めの実験的作品「三月は深き紅の淵を」から派生した物語をいくつか書いている。「三月」はオムニバスで、その第4章だけの間口を広げ一作品にした「麦の海に沈む果実」、やはり「三月」の第4章にタイトルのみ出てくる「黒と茶の幻想」、また短編で「麦の海」の番外編も書いている。

で、「黄昏の百合の骨」は「三月」と「麦の海」のヒロイン、理瀬が主人公のお話らしいのだ。というわけで久々に食指が動いた。

ちなみに、「三月」は、私の周りでは、あまりの訳わからなさに途中で挫折した者が相次いでいた。ははは・・。

久しぶりに飲みに行く。なじみの十三の居酒屋で、生ビールに焼酎を最後はロックでいただく。ちょっと酔ったが22時閉店になったとの事で、早帰り。しばらくしたら酔いも醒めて来た。

しかし4日連続の40度超えは並じゃない。参るねこりゃあ。

妻が留守の間、外周の植栽には2日に1度ホースで水撒き、屋上テラスの野菜たちには毎日、自分でも意外なほど丹念に水を遣っている。

それでも熱と陽射しで枯れる葉が出るのは致し方ないな、とちょっと寂しく思っていたらある日、気が付くと茄子の花が咲いた。

なんか単純に嬉しかった。嬉しくて写真を撮ったらピンぼけの画像になった。翌日見ると、花はもう萎んでいた。

ここのところ、こないだ書いてたバスケットボール自分史をスタートさせてみたら、あれこれ本当にたくさん思い出す事があって、睡眠時間を削って深夜まで書いている。こりゃ、脳の活動にはいいかも。にしても、眠い。

17日土曜日は、USJの花火大会屋上テラスから正面に見えた。しばらく夜も暑かったが、最近は涼風が吹く。

来週からは、社会も動き、家族も帰って来る。もう少し、日中涼しくならんかな。

2013年8月10日土曜日

SOUNDS OF FROGS

多忙の時期は終了。田んぼで囲まれた家で育ったので、梅雨から夏は、雨や湿気の多い夜となると、ゲコゲコゲコゲコ、物凄いカエルの合唱がおなじみだった。

関西に来てからは、比較的田畑から離れていたので久しく聞かなかったが、山に越して来て、すぐ下が大きな畑。用水路もあるし、久々にゲコゲコを多少耳にしている。

しかし暑い。お盆の週は毎年妻子犬は実家に帰る。家を出る前、パパとのしばしの別れを惜しんでくれる息子を有難いなと思い、送り出す。さてこの間は高校野球つけて、独りでひたすら読書と書きもの。いまは自分に影響を与えた野球とバスケットボールについて、整理して書いてみようと思っている。公開するかどうかはハテナマークだ。

高校野球今年の1回戦屈指の好カード、浦和学院対仙台育英の試合を見届けた。センバツ王者、浦和はやはりエースの序盤の不調が響いた。夜植栽に水を遣ってテラスに出てみると、重低音の音響が聞こえ、淀川の花火大会が見えた。

お盆を過ぎれば、晩夏、ほどなく秋。だいたい9月20日過ぎたら涼しくなる。暑いのは嫌だが、いまは盛夏の最後を楽しむ風情である。

2013年8月4日日曜日

カブトムシ

ちょっと仕事のヤマがあって多忙である。連日遅く帰って来て、すぐ風呂浴びて、エアコンと扇風機で身体を冷やしている間だけ サッカーゲームして、カブトムシにエサやって、息子のベッドに潜り込む。

さっさと眠ろうとするのだが、やはりスローダウンの時間が短いせいか気持ちが昂ぶっているからか、寝付きは悪い。もともと起きてから家を出るまでと、帰って来てから眠るまでの時間が長い方である。

深夜、玄関のドアを開けた瞬間、2頭の犬がワワワーンと一斉に吠える。そしてガサゴソいう音が聞こえるので、寝室のドアを開けるとクッキーがじゃれついてくる。レオンは吠えるだけで7割方は出て来ない。クッキーういやつ、である。

妻とも話すが、レオンは仔犬の頃、我が家の王子様だった(息子が産まれてからその座から転落した)が、2頭めのクッキーには、あんまりかまってやってない。その辺が差となって表れているようだ。また、オス犬はやはり人間の女性が好きで、メスは男が好きな傾向がある、というのも分かるような気がしている。

そして、着替えにパパの部屋に入った途端に、つがいのカブトムシがガサガサ動き出す・・ような気がする。もらって来た時から、昼間はおとなしく、夜は一晩中激しくガサガサ動く。もともとは、息子の部屋に置いていたのだが、気になって眠れないので、いまはパパの部屋に置いている。深夜には、ジュイ、ジュイ、という鳴き声のような音まで発しているのがよく聞こえる。パパの部屋にいて、エサをあげるのはパパだから、帰ってくると悦ぶのかなあ、と錯覚している。

で、また朝いつもより早く出て会社に行く。その繰り返しである。上司がヘロヘロさかげんを見兼ねたのか、タフマンパワーをくれた。時間が無いので、昼も夜もコンビニ弁当、という感じで、ちょっと顔ふっくらしました?とか訊かれるが、むしろ睡眠不足で、顔と身体がむくんでいるのだろう。

土曜日も働いて、夜に、ふもとの駅近の小学校のお祭りに行ってた妻子と落ち合い、焼き肉食べに行く。たまにはパワーを・・特にいま、である。夜遅くて朝早いので、家族との団欒も久しぶりで新鮮だ。

ふにゃふにゃだが、ヤマ越え目指してがんばろう。鼻唄は、aikoの「カブトムシ」である。

2013年8月1日木曜日

7月書評の2

最近、そんなに数読むなんて、並行して3、4冊読んでるでしょう?という質問を受けた。実のところ2冊は並行して読んだ事があるが、自分はそんなに器用ではないと気付いてからやめている。

通勤と、夜間に読んでるだけだ。なんというか、あまりその他の余暇の過ごし方をしてないからかな。では第2弾。

村山斉
「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」

東京大学数物連携宇宙研究機構の機構長が書いた、宇宙についての本である。太陽、地球といった身近なものから、ブラックホール、ダークマター、ダークエネルギーや素粒子、マルチバース理論など最新の理論まで、重力やエネルギーをキーワードに語られている。

非常に興味深く、優しい本である。かつての著名な学者の、発見の歴史もひもといているので、コペルニクス、ガリレオからケプラー、ニュートン、アインシュタイン、シュバルツシルド、ガモフ、ハッブルらの「発見」について紐解かれているのも、宇宙好きには面白い。

夢中で、あっという間に読了した。やっぱ夏は宇宙だな。

西加奈子「通天閣」

孤独のまま、一生を終えようと考えている男。ゲテ物揃いのスナックのチーフをしている、振られた女。同時進行の物語に、やがて・・。

西加奈子は3作め。暗くも明るくもなく、大阪テイストを過剰なばかりに敷き詰めている部分もある、いつもの感じ、いつもよりかなり淡々としたストーリーが進行する。

まあこれは、最後の仕掛けの物語だ。明るい色が途中からほの見えるのが微笑ましい。女の方は、店が過剰すぎるな、やっぱ。ちょっと大阪を強調し過ぎのような気がする。でも、振られた気持ちの描写は、すごく良かったと思う。仕掛けも、オモロイ。

百田尚樹「モンスター」

人並外れて醜い顔の和子は、高校生の時に、好きな男に対して事件を起こし、家族にも疎まれて故郷を出る。しかし整形手術をきっかけにその人生は大きく変わり、やがて故郷の街に帰って来る。彼女の最終目的はー。

ある意味単純なストーリーの流れだし、すらすら読める。しかし中身は、整形の施術のリアルさや、男の浅はかさが満載で、考えさせられる内容である。

解説にもあるように、女性にとって美醜は大変な問題だろうな、と思う。また社会的にも、女性が独りで生きて行くのは大変で、それらは現実だ。

結の部分はうーんと難しいものがあるが、和子の人生、また生活、男というもの、は、うーん、と唸るところの多い作品だった。

星新一「きまぐれロボット」

小学生向けショートショートの本である。夏休み用に、息子が借りて来ている本の中にあった。1969年、私2歳のころの発行。

星新一は、1000以上の作品を書き、さらに時代の様相と共に、改稿を重ねていたそうだ。おかげて、今でも、特に違和感なくヒョイヒョイ読めた。

植物学者のエス博士、動物学者のエイ博士、エス氏、エヌ氏、お金持ちのアール氏など、固有名詞が出て来ないのはいつもの事だそうだ。

中学の頃友人が持っていて、読んだ以来の星新一か。感想は、新鮮で、不思議と納得できて、平易で面白かった。長編も、読んでみたいな。

星新一の他、小学生に流行っている科学漫画「サバイバルシリーズ」も読んでいる。今回は原子力のお話で、結構難しい。そういうと、皆読んでるよーと軽く言われた。

スコット・フィッツジェラルド
「グレート・ギャツビー」
村上春樹訳

最近も映画になった、スコット・フィッツジェラルドの代表作である。最初に記しておくが、この本には時間がかかった。なにせ、表現がどの方向を目指しているか、さっぱり分からなかった。

東海岸、ニューヨーク近くのウエスト・エッグに引っ越して来たニック・キャラウェイは、隣の、とてつもなく大きな屋敷に住み、頻繁にパーティーを開くジェイ・ギャツビーという青年と仲良くなる。謎めいた魅力を持つ彼は、ニックの友人と古いつながりがあった。

正直言って、不意を衝かれたようなストーリーだった。もっともっと、いろんな意味でスマートな話かと思った。

訳者の村上春樹は、この作品が自己のベストワンだと書く。私はその他大勢と同じくうーむ、である。欧米の小説の、よくある無軌道な会話や行動の描き方は苦手だな。それによって、主人公のまともさを浮かび上がらせるのは、ひとつの手法と思われるとはいえ。

いいなと思えるのは、村上春樹の作品は、影響を受けたとはいえ、全く違うものと思われる事だ。それにしても、世界の名作には憧れるが、まだまだ修行が足りないようである。

7月書評の1

7月は、とても忙しい月で、あっという間に過ぎてしまった。
もう8月、というのが信じられない。では、10冊、2回に分けて行ってみましょう。やっぱ夏は宇宙だな。

湊かなえ「少女」

それぞれに屈折した想いを抱える女子高生の友人同士、敦子と由紀。「人の死を見たい」という願望のもと、それぞれに行動を起こすが・・

登場人物が絡まり合う、毒のある小説、である。未熟な考えと危険な行動、刹那的な感情、冷めた目線、など割り切った部分も多い。

うーむ、あまりきれいすぎるのも何だが、これについては、心情的に動かされるものはなかった。むしろこちらも冷めてしまう。

梨木香歩「家守綺譚」

時はおよそ100年前の京都の山すそ。売れない作家綿貫征四郎は、亡くなった友人の実家に住みながら文筆活動に励むのだが、奇怪なことがまるで日常のように相次ぐ。

河童、仲裁犬ゴロー、恋するサルスベリ、桜鬼、化かす狸にキツネ、人魚、亡友の霊、長虫屋など、奇怪な中にも憎めない面々が入れ替わり立ち代わり登場する。またそれを当然のことと受け止める、アクセントのある周囲の人たち、隣のおばさん、近くの和尚、編集人山内、そしてダァリヤの君。

季節感、山すそ、湖、疎水と周り変化と植物の情報を豊富に取り入れながら、一編の興味深い物語が出来ている。これで完結するなら、どこかで種明かしなり、例えば都会へ出て来た後年の征四郎の話など入ってたらいいかも、などと思ってしまった。

続きが読みたくなった。これはこれでひとつの形であろう。

福井康雄「大宇宙の誕生」

名古屋大学大学院教授の、研究成果をまとめた本である。1998年、すばる望遠鏡が稼働する前の発行で、古いので、第3部のみ大幅に改訂してある。

星の一生からひもとき、星のたまご、星の誕生のプロセスまでの研究の結果を詳しく書いてある。なかなか興味深かった。

が、やたら自分のところが偉業を打ち立てた、というようなフレーズが出て来るのはやはり気持ちのいいものではないし、最初の方こそ繰り返し優しく解説してくれているが、中盤以降は、それを放棄してしまったように、説明のない言葉も出て来るので、理解の助けが無い状態である。

あとがきも、自分の中だけで言葉を消化している感じだ。全体的に、書いた人というよりは、編集の問題であろう。ただ、宇宙研究には、世界最高の設備を、国は準備すべきだ。世界に先駆けて、国策として、どんどんやるべし!

江戸川乱歩「孤島の鬼」

若く美しい青年、蓑浦の婚約者初代が密室状況で殺された。さらには、探偵と依頼した男も、人の多い海水浴場で、犯人不明の状況で殺された。 2つの不可能殺人の裏には、確かな目的と、途方もない犯罪があった。

江戸川乱歩傑作選で出ているものを借りて読んだ。いや、本当に面白かった。出だしと終わりの暗明は矛盾を感じるものの、読後感は非常に良い。

いわゆる障害者、文中では不具者、片輪、などと呼ばれる、が多く登場する。現代ならとても出版できない代物だろう。しかし、そこがこの物語を面白くしていることは否めない。

小学生の頃、学校の図書館にある限りの「怪人二十面相シリーズ」を読んだ。その筆の具合、というのも垣間見えてナイスだった。シャーロッキアンとしては、「六つのナポレオン」のネタが出て来たのは嬉しいし、まさに乱歩が西欧の推理小説に通暁していたのが如実に表されていると感じた。乱歩は、今後趣味のひとつに入ってくるだろう。

太田治子「明るい方へ
父・太宰治と母・太田静子」

太宰治の愛人の子である作者が、母と太宰の関係を綴った作品。ベストセラーとなった「斜陽」は太田静子の日記が下敷きになった。

母と過ごす日々から、母の日記から、娘の目線から母の所作、言葉を元に書き上げていくものは他には真似のし得ない説得力を持つ。母の行動に不満もあっただろうし父からの仕打ちに恨みもあっただろうなと思わせる。

感想としては、研究本としては興味深い。しかしこう、生身の人間についてこれほどまで細かい行動を推測するのは、少なくとも私的には魅力が少々薄いといものだった。毎度この手のものは、当時の文壇を知る材料としてそそられはするのだが、まあ太宰作品をあまり知らないから、というのもあるだろう。