今年もやって来ました、上半期のランキング発表。各賞とランキング。まあテレビ番組じゃないし、各賞が先というのももったいつけ感が大きくなるので、サクッとランク付け表を。ではでは!
1位 楊逸(ヤン・イー)「時が滲む朝」
2位 上橋菜穂子「狐笛のかなた」
3位 坂東眞砂子「朱鳥の陵」
4位 米原万里
「オリガ・モリソヴナの反語法」
5位ピエール・ルメートル
「その女アレックス」
6位川端康成「雪国」
7位熊谷達也「荒蝦夷」
8位藤沢周「武曲(むこく)」
9位桜庭一樹「少女には向かない職業」
10位上橋菜穂子「精霊の守り人」
11位奥田英朗「ガール」
12位朝井リョウ「少女は卒業しない」
13位雫井脩介「つばさものがたり」
14位湯本香樹実「夏の庭 The Friends」
15位P•D•ジェイムズ「女には向かない職業」
16位ジャック・ロンドン「野性の呼び声」
17位万城目学「鹿男あをによし」
18位阿部和重・伊坂幸太郎
「キャプテンサンダーボルト」
19位乾ルカ「夏光」
20位パウロ・コエーリョ
「アルケミスト 夢を旅した少年」
直近に読んだものほど記憶が鮮明なので、つい上位に入れてしまう、というパターンは仕方がないと思っているが、この上半期は、しっくり来るものはあったにせよ、それほどガツンと来る作品が無かったのも事実。上位につけているものも、私なりの完成度の尺度で言うともうひとつのものが多かった。
1位「時が滲む朝」は、ある意味古典的で、やや強引な感じもしたが、訴えかけるものがあった。この類、天安門事件を経験した学生たちのその後、も観たことがあるけれど、やはり喪失感、という部分が特化されていたと思う。楊逸は留学生として日本にいたものの、居ても立ってもいられず北京に行ったという。この民主化運動は、それ自体は鎮圧されたが、東欧に飛び火し世界に大きな変化を産んだ。成果は手元には残らなかったからの喪失感を表した作品だろう。
2位「狐笛のかなた」
戦国期と予想される日本を舞台にしたファンタジー。物語の世界に入り込んで、読了とともに戻ってくる感覚を初めて味わった。
3位の「朱鳥の陵」は興味あるテーマだった。後の女性天皇と、関東の田舎から出て来た主人公の対比に上手い、と思った。
4位「オリガ・モリソヴナの反語法」
最後の感動の仕掛けは、渾身の快作か。ディテールに特殊な存在感があった。女子ものドラマもいい味を出していた。
5位「その女アレックス」は構成演出が抜群に上手かった。掛け値なしに面白い作品だと思う。技術だけ取れば、1位以上だ。
6位「雪国」には敬意を表します。表現手法が素晴らしい。芯のストーリーはいまいち分かるような分からんような感じではあるが。
もうひとつの押しが無かっただけで、この上半期は愛せる作品もあったと思う。やはり読書は出会い、巡り逢いだ。自分は古代が好きなんだなあ、と思ったし、女子ものを向いているかと思ったら、熊谷達也なんかの荒っぽくて男臭いやつも好きだし、と発見もあった。下半期も、読みたい、興味ある本を探して、読むぞ〜!
では各賞を適当に。
表紙賞
上橋菜穂子「狐笛のかなた」
光る霊狐。なんか、好きである。これに決定!次点は「荒蝦夷」かな。
私には珍しいノンフィクション賞
須田桃子「捏造の科学者 STAP細胞事件」
誰もが興味あるテーマで、実に面白かった。
競馬賞
ディック・フランシス「興奮」
いままで手の付かなかったフランシス。まずまず良かった。
絵画賞
西加奈子「白いしるし」
絵画そのもののネタが、やられたと思った。
想像で、魅力的な世界へ行ってしまえる。
ほか、「野性の呼び声」がインパクトあったかな。こんな感じで!
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