◼️ シビル・ウエッタシンハ「かさどろぼう」
スリランカのウエッタシンハの絵本。カラフルで題材が輝いていて、謎が魅力的。excellent!
シビル・ウエッタシンハは息子に読み聞かせした「きつねのホイティ」が印象に残っていた。村のおかみさんたちが悪さをするきつねを懲らしめる話で、ユーモアと愛らしさ、異国情緒になにか違い、ようなものを感じた。たまたま福岡アジア美術館の絵本コーナーでみかけ、どれどれと手に取った。この古い作品は女性絵本作家ウエッタシンハの代表作のようだ。
村から初めて町にでたキリ・ママおじさんは傘というものに出会ってショックを受け、さっそく買って帰る。当時村では、雨が降るとバナナの葉や籠などを頭に当てるのがふつうで傘というものが無かった。しかし村のコーヒー屋に入っている間、隙間に隠しておいた傘は持ち去られてしまう。キリ・ママおじさんは何度も傘を買って帰ってきては盗まれたため、一計を案じるー。
まずもって、題材が色彩豊か。本を広げた画面が目にあやで嬉しくなる。デザインもさまざま、模様の描き方は絵画チック。シンプルなタッチの人の顔は愛嬌があるように見えるし、何より描き分け方が鋭いと思う。雑な感じにも笑見えながらどうしてどうして、色遣いや組合せ、線や模様はかなりテクニカルで、ページの統一感、インパクト、個性が感性を惹きつける。
赤、白、黒の版画のようなページには鳥肌がたったほど。それまで原色系も多かったストーリーからいきなりのスイッチ。内容にもベストマッチ。たまりません。
経験的にも、やはり子供向けのお話はちょっとした謎があると興味を引く強さを持つ。ワクワクさせると思う。傘を知らない村で傘が消える謎。悪意もほの見える中、真相は?
1956年の作品で、日本で出版されたのが1982年。その後各国で評価が高まり国際アンデルセン賞にも推薦されたとか。
モチーフは大事だな、という原点のようなものを再確認。それにしてもウエッタシンハ、すばらしい。もっと読みたい。「キツネのホイティ」探し出して読もうかな。
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