2023年4月2日日曜日

3月書評の13

ドラマのリバーサル・オーケストラ観てたらフルオケが聴きたくなって行ってきました。大好きな原点の曲、いわゆるドヴォコン、ドヴォルザークのチェロコンチェルト。

フランスの新星カミーユ・トマさんはスラリと背が高く、ダイナミックに「歌う」チェリストでした。これが聴きたかった。何回も聴いたドヴォコン、次に弾くパートに目が行き期待する。指が動く。第2楽章のフルートとの掛け合いには涙が出ました。第3楽章、センセーショナルな出だし、豊かで強い波のような響きが寄せる中盤。そしてカッコ良すぎるラスト。解放される感じ。癒されました、溶けました。

好きなドヴォコン、と多少入れ込んでたものの別に精神的にはフツーで悩みもない。でもトマさんの演奏は、大人が社会生活で無意識に造っている堅いバリケードを取り外し、中の柔らかく温かい部分を優しく撫でてくる。初めての感覚で、これからも追いかけようと思いました。

トマさんは演奏中から終始にこやか。アンコールは自分の声で伝える。

"SONG OF BIRDS"

カザルスの鳥の歌嬉しかった。

聴衆もたぶん、好きなドヴォコン聴きたかったと思う。いいステージで、トマさんは熱のこもった拍手喝采を浴びていました。

土曜は日展に行って帰って家でBリーグ。🏀横浜ビー・コルセアーズの勝利をバスケ沼部さんたちと見届けて、世界フィギュア選手権男子フリー。

昔でいえばスペインのキャンデロロ、日本では織田信成のように愛される選手、友野一希は「こうもり」でノリのいい演技。6位に食い込んだ。そして、最終グループはノーミスの選手が続き、首位が次々と入れ替わる熱い激戦🔥🔥マリニンがものすごく高い4A、4回転半アクセルを飛ぶ。結果宇野昌磨が日本人史上初の連覇。観る方も熱くなったフリーだった。教えてもらったジェイソン・ブラウンのアーティスティックなスケーティングは発見だった。

友人に貸してもらった「その本は」がやや幅広のサイズで通常のブックカバーが入らないので、去年のヨシタケシンスケ展のチラシでブックカバー作り。

日本の桜百選の地元の桜は満開直前にきょう雨☔️が降って、どうなるんだろという感じ。

3月最後の週末の夜はカラオケ☆バトルU18歌うま選手権と楽しんだ週末でした。。

◼️ ヨシタケシンスケ・又吉直樹「その本は」

想像力、ネタ、哀しい話・・色とりどりです。

本屋に行けば今も平積みしてあるベストセラー。ジャンルは違えど人気作家の共演。装丁も立派で外見から存在感あり。タイトルやカバーで強く興味を惹かれる本はあるものですが、この本は、まさに、実物を見たら欲しい、読みたい!という衝動が湧きますね。

さて王様が諸国を回りたくさんの本の話を集めてくるのじゃ、と2人の者に申しつけます。2人はそれぞれ1年間の旅に出て集めた話を王様に聞かせます。

又吉パートは文章で、ヨシタケシンスケパートはいつものように絵と素朴な言葉で、交互に章を織りなしていきます。片や笑いを呼ぶ短いネタの連発あり、長めの切ない話あり。片やいつものように想像力を広げたものあり、どこか心に潜む本読みの感性を突くようなものあり。

ちゃんとオチをつけている、つけてないようなとこがまたおもしろいかも。

旅先の話だけに民話や不思議な童話、また最近のカズオ・イシグロのようなファンタジックな話があるのかな、なんて軽く考えてましたがちょっと違ってたかなと。

ヨシタケシンスケは「あるかしら書店」を読み、本というものに本読みならではの愛着を持っている人だとは感じてました。又吉直樹についてはこの点説明不要かと思います。

ページそのものも味があるような演出感。楽しめました。読みたい!という本を読了すると、祭りの後の寂しさ、を感じて反芻しちゃいますね。

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