2013年7月28日日曜日

やや久しぶり

ここのところ、あまり出張が無く、ちょっと久しぶりのビータである。今回は宇都宮。東京まで新幹線、そして東北新幹線に乗り換え。向かいのホームにはスーパーこまちが停まっていた。

50分で宇都宮。以前来た時、地元の方は、ようこそゲリラ豪雨と雷の名所、南東北宇都宮へ、と言われていたが、暑さは東京と変わらない。宇都宮は降らなかったが、この日の夕方は、東京ではゲリラ豪雨となったようだった。

着いて駅ビルで餃子定食をたいらげた。写真は餃子のモニュメントである、宇都宮のいいところは、タクシーの接客がいい事だ。以前は仕事先までの15分で宇都宮の産業のあらましを知る事が出来た。今回も、ワンメーター乗っても全く嫌な感じが伝わって来ない。駅前タクシー乗り場のナビゲーターらしきおじさんも、実に気持ちいい対応だ。

東京まで帰る前に、また駅ビルで、焼き、揚げ、水餃子をビールとともに完食。いい感じで東京まで爆睡した。

翌日東京でひと渡り仕事して、夕方に帰る。たったひと月ぶりくらいでしょうが、と人には言われたが、なんか新幹線乗るのも新鮮な、変な気分だった。(笑)

それにしても、暑い。猛暑に、熱帯夜。エアコンなしでは耐えられなくなった。天神祭、大阪の街はそこかしこに夜店も出て、祭りの風情である。土曜日は小学校の夏祭り。妻はPTAの役員で準備から本番の受付から後片付けまで出張っていた。当日は私も行って息子の相手をしていた。コロッケとカレーライスとフランクフルトと焼きおにぎりを食べて夕食。息子はビンゴゲームがまったく当たらず、不機嫌だった。買った水鉄砲で、友達と遊んでびしょ濡れになっていた。遊びに夢中であまり食べてなくて、帰って来ておなかがすいた、とポケモンカップラーメンを食べていた。

さて、サッカー東アジアカップ、オーストラリア戦は総入れ替えのチームBが頑張って、3点取って勝った。日曜日の、韓国戦はまた総入れ替え。柿谷、いいねえ。またやってくれた!

各国も日本と似たり寄ったりで、ベストメンバーからは程遠いが、それでも、期待の若手チームが必死にプレーする姿は観てて面白いものだ。豊田、斎藤、そして高萩に柿谷はフル代表に入って来るだろうか。あと、柏の鈴木大輔は、オリンピックのときから好きである。ボランチは、層が薄いか・・

楽しみを抱かせてくれるのは嬉しい事である。さて、息子が夏休みで借りて来た本を完読しようっと。

2013年7月22日月曜日

ハート

日曜日だけ休み。身体も目も疲れていたので、息子の遊べ遊べ攻撃をかわしてのんびりした。

午後に選挙に行く。写真は山道ではなく、投票所への坂道。まあ野趣溢れるところにある(笑)。

このまま帰ると面白くないだろうなと、バス停まで下って自販機で飲み物を買う。息子は「みどりのハート」。スポーツ飲料系だ。私は息子の幼少のころからよく2人で散歩に行っていたが、暑い時などはスポーツ飲料も買ってやっていた。

ある時妻が、「きいろいハートって何?」と訊いて来たことがあった。くだんのスポーツ飲料は、白いハートと黄色いハートがあり、その前の散歩で飲ませていたのだ。

当時は正式な名前で覚えていたので、この言い方には、なるほど、幼児はそう言うのか、と感心したものだった。白、黄色は、ハートの色ではなく、ペットボトルそのものの色である。ハートのマークが付いていて黄色いの、という意味だったのだ。ちなみにぐずった時や機嫌がどうしようもなく悪い時も、よく冷えたスポーツ飲料を飲ませたら収まったこともあった。熱中症防止には、水だけよりも、甘みや塩分も入ったスポーツ飲料系がいいらしいし、熱が出た時にも有効である。小さなお子さんをお持ちの親御さん、覚えておきましょう(笑)。

パパはペットボトルのコーヒー。息子はこれも絵柄で覚えていて、ふだん、ママと買い物行くならコーヒー買って来て、と言うと「あの、青くて白い山の絵が描いてあるやつねー」と正しく買って来る。

バス停のとこの雑貨店で涼をとってまた10分歩き。暑かったので2人とも、家に帰り着くまでにペットボトル完飲。帰ってから折り紙紙飛行機、ガチャガチャサッカーゲームをする。また、夏の定番、ポケモンスタンプラリーをipadで調べたりする。

パパは夜東アジアカップを観る。前線はよく頑張ったが、どうもディフェンスがあかんなあ。3-3は明日への糧か。次戦は他のメンバーも見たいぞ。山田大紀とか。

休日終わり。夏だし、どっか連れてってやらないかんなあ。

2013年7月15日月曜日

三つの休み

個人的に、「四つの署名」「六つのナポレオン」というシャーロックホームズもののタイトルをもじってみたのだが、面白くもなんともないな(笑)。ともかく海の日がらみの3連休は全休。仕事の具合の問題だが、おそらくは9月まで土日はさほど忙しくない。

土曜日。妻が実家に泊まるため、パパと息子の2人暮らし。ポケモンの映画を見に行った。「神速のゲノセクト」実は2年前観に行った時は眠くなったのだが、今回は全部起きていた。初日だし多いかな、と思ったがまあ概ね8割の入り、といったところだった。「神速」場面は、あるにはあったが、あまり強調はされてなかったようだ。最初聞いた時には「神速て!」と思わずツッコミを入れたものだったが。でもまあ面白かった。

ただ、これがウルトラマンなり仮面ライダーなら、どうしてそうなったのか理屈付けをするだろな、と言ったところ、息子はポケモンをけなされたと感じたのか、不機嫌になった。

本編の前に、ポケモンしか登場しない短編があって、その中で、「ゴチルゼルは、遠く離れた宇宙を映し出すことができる」という場面があった。ゴチルゼルがいたら、天文学は格段に発展するのにと少し本気で思ってしまった。(笑)

翌日の朝ご飯のポケモンパンと、昼ご飯の一平ちゃん夜店の焼きそばを買ってバスで帰る。晩御飯はママが買って来ていたお弁当。さっさと風呂に入って、ポケモンカードゲームして、この日は寝る。寝かしつけた後、江戸川乱歩「孤島の鬼」を読んでいた。

乱歩は小学生の頃、「怪人二十面相シリーズ」を全部読んで、高校の頃好きなやつに「白髪鬼」を借りて以来か。怖くて面白かった。もちろん大掛かりに作られたものではあるが、日本における推理小説の嚆矢、乱歩の色が大いに出た作品だろう。

息子と2人で夜を過ごすのは、幼稚園の最後のほうにママが引っ越し準備で関西へ帰って以来だから、2年半ぶり3回め。まだ10ヶ月の頃、妻が10日ほど入院した時が1回め、である。前回は、だいじょうぶ、と口では言いながらも寂しがって夜中に起きて来たものだったが、さすがに3年生、今回はなんの問題も無かった。夜は羽アリがポツポツとフロアを這っていた。屋上テラスを見てみると、窓際に集まっている。ただしよくあるようなアリの行列ではない。なんじゃこりゃ、と思いながら殺虫剤で駆除。このへんは東京の家で経験あり、である。

翌日曜日は、宿題の日。算数の宿題につきあって、朝昼ご飯を食べさせて、ポケモンカードゲームをして、ママとワンの帰りを待つ。暑いなーと思っていたら激しい夕立ち。ママ、山を登っている最後もう一息のところで降られたらしい。帰って来た時はすでに弱まっていた。いつも通りの柿の葉鮨がお土産の晩御飯。食べたらパパは異様に眠くなってしまい、朝方まで寝てしまった。

で、起きて風呂入って2度寝して、ちゃんと起きて、朝一番からポケモンセンターオオサカへ。バス乗って、JRでいつも通り開店と同時に入って、人の少ない店内でポケモントレッタフェス。また新しいシリーズになっていたが、映画で貰った赤いゲノセクトが強く、史上初のトリプルゲット達成。買い物して、中華のご飯食べて、ずっと降った雨の中早々に帰って来た。

帰ってポケモンフィギュア使ってサッカー遊び、風呂入る前にまたポケモンカードゲーム。ポケモンと息子三昧の3日間。いいかげん遊びのバリエーション増やさなきゃあ、と話をしていたら、山登りなんか1回もした事ないとか、けっこう考えなきゃ、というコメントも出て来た。山は秋にしといて、とりあえずなんか考えよう。

でもさ、ウチの父は、毎週のように、4人の子供を遊びに連れ出して、山も行ったし、釣りにも行ったし、海にも行ったし、ドライブしたしで、けっこう頑張ってたんだな。ほっぽらかされたこともそりゃあったけど。ちょっと考えてしまったのでした。

2013年7月7日日曜日

Not Sleepy

いつも夜は、いかんいかんと思いながらも、読書やケイタイゲームで遅くまで起きていて、翌朝眠い頭を抱えて行くのがパターンだ。

そんな日が続くと、夜早く眠くなったりして、息子の寝かし付けでそのまま眠ってしまい、朝方に近い夜中に目が覚めることもある。こういうときは、しばらくぼーっとして、風呂に入ってから、本なぞ読んで身体の熱を冷ましていると、外が明るくなる時間帯くらいに再び眠くなってくる。

で、二度寝するのだが、すぐ起きなければならないため、やっぱり眠い頭を抱えて行かなければならない。ようはいつも眠いのだ。(笑)

しかしながらこの数日は夜も暑い。山ゆえ、2階1階を網戸にして風通しを良くすればある程度風が通るが、雨でムシムシして気持ちが悪い。おまけに息子はまた成長痛で足が痛いらしく、夜中にうなされて起き、寝かし付ける。朝方やたら暑くて汗かいたりして、やっぱり良く眠れなくて眠い。

土曜は休み。夕方にレオンクッキーを連れて、行ったことのない、3つ隣町の公園までプチ遠征。今年初めて外短パンを着た。曇っていて風もあり、そんなに暑くは無かった。長雨で散歩に行けてなかったワン達も、やはり初めての場所はワクワクするのか、いつもより歩みが早かった。たっぷり1時間歩いて帰る。住宅街だが山なので、たまに見える緑の風景に、和んだりする。

夜また雨。大いに霧が出て、屋上に出ると、ちょっと煙臭いような感じもした。これでムシムシして、今年初めてエアコンのドライを点けた。でも点けていると涼しすぎる、点けないと暑いの悪循環。

日曜の朝、息子は早起きしてテレビ見る。パパは9時に起きて「題名のない音楽会」を見たが、天気カンカン照りでもう汗だく。午前息子と動かすサッカーゲームして遊ぶ。これが惨敗。昼ごはんのペンネミートソースの後ママと息子は買い物で午睡を楽しむ。起きたころまた汗だく。またサッカーゲーム、また惨敗。

少し涼しくなった夕方、Tシャツ替えて、エアコンの室外機カバーを組み立てる。そんなに難しくは無いが、あれこれで小1時間。それから息子と公園。キャッチボールのあと、バットを持った息子に初めてホームラン打たれる。公園からボールが出て、あれあれと取りに行く。犬の散歩のお爺さんに、すごいね〜ホームラン、と褒めてもらって嬉しそう。

キャッチボールも、もちろん軽いボールでだが、ちゃんと取るし、右も左もそれなりに投げるしで、幼少のときから数えて、初めてまともなキャッチボールだった。その後はサッカーして、またキャッチボールして、ボールが外に出てしまってパパ探しに行って、用水路水際の急な坂道だったから、無いだろうと思ったら奇跡的にあって、戻ってブランコしてたらママから晩ご飯電話。

風は吹いていたが、もう汗みずく。ビールでトンカツ。酔っ払って、レオンとクッキーを散歩に連れて行く。風呂入って、暑いので屋上でしばらく涼む。夏の大三角形はまだ出たばかり。うっすらと牽牛星見える。きょうは七夕ナイト。織姫は、相変わらず光度強く、ピュアホワイト。

先に息子のベッドで待ってたら、目の前に、顔から落ちて来た。滑って階段落ちてあちこち打って泣いちゃった。この日は、ドライも、除湿できたかな〜というころに弱まるというのを発見。これなら点けて寝てもそこまで寒くなんない。

土日終わる。さすがにきょうは早めに寝ようかな。

2013年7月1日月曜日

2013上半期読書ランキング!

6月も終わり、2013年も前半が終了。毎年恒例の、上半期ランキングである。

グランプリ=大賞は、年末のこととして、今回はランキングのみ。

6カ月で、70作品、81冊読了。

今年はかなりのハイペースで来ている。毎年前半は、もひとついい作品に巡り会えなかったりするのだが、今年は数も増えたせいか、とても濃厚な上半期だった。

では、おなじみ読んだ作品の一覧。( )は巻数を表します。

村上春樹「1Q84」(6)
村上春樹「遠い太鼓」
神永学「心霊探偵 八雲」シリーズ
「1.赤い瞳は知っている」
「2.魂をつなぐもの」
中島京子「小さいおうち」
蒼井上鷹 「ホームズのいない町 13のまだらな推理」
高田郁「今朝の春 みをつくし料理帖 」
北村薫「六の宮の姫君」
船戸与一「砂のクロニクル」(2)
浅田次郎「珍妃の井戸」
藤原伊織「テロリストのパラソル」
川村元気「世界から猫が消えたなら」
横山秀夫「第三の時効」
藤沢周平「蝉しぐれ」
石田衣良「波のうえの魔術師」
石田衣良「4TEEN」
奥泉光「シューマンの指」
神永学「神霊探偵八雲」シリーズ
「3.闇の先にある光」
「4.守るべき想い」
船戸与一「虹の谷の五月」(2)
京極夏彦「姑獲鳥の夏」
和田竜「のぼうの城」(2)
山田悠介「ニホンブンレツ」
ナンシー・スプリンガー
「エノーラ・ホームズの事件簿
〜消えた公爵家の子息〜」
三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ
「栞子さんと二つの顔 」
高田郁「小夜しぐれ みをつくし料理帖」
天童荒太「悼む人」(2)
北村薫「朝霧」
伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」
アルフレード・ガティウス
ホセ・マリア・ウック
「なぜレアルとバルサだけが儲かるのか? サッカークラブ経営に魔法は存在しない」
江橋よしのり
「世界一のあきらめない心」
夏川草介「神様のカルテ2」
桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」
乾ルカ「蜜姫村」
三浦しをん「風が強く吹いている」
藤原伊織「ひまわりの祝祭」
ヤン・マーテル「パイの物語」(2)
西加奈子「円卓」
山本兼一「利休にたずねよ」
宮下奈都「よろこびの歌」
北村薫「ニッポン硬貨の謎」
神原一光 「辻井伸行 奇跡の音色 恩師との12年間」
高田郁「心星ひとつ みをつくし料理帖」
村山由佳「星々の舟」
藤原伊織「手のひらの闇」
綾辻行人「Another」(2)
乙川優三郎「生きる」
三宅博「虎のスコアラーが教える『プロ』の野球観戦術」
小杉健治「父からの手紙」
金城一紀「GO」
江國香織「号泣する準備はできていた」
辻村深月「凍りのくじら」
藤原伊織「名残り火 てのひらの闇 �」
高田郁「夏天の虹 みをつくし料理帖」
東野圭吾「真夏の方程式」
五十嵐貴久「For You」
桜庭一樹「荒野」
スコット・フィッツジェラルド
「冬の夢」
城島充「ピンポンさん」
舞城王太郎「世界は密室でできている。」
辻村深月「太陽の坐る場所」
貫井徳郎「乱反射」
西加奈子「さくら」
ウイリアム・アイリッシュ
「幻の女」
朝井リョウ「桐島、部活やめるってよ」
高田郁「残月 みをつくし料理帖」
舞城王太郎「煙か土か食い物」
村上春樹
「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」
泡坂妻夫
「しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの神霊術」
重松清「君去りしのち」


そして、上半期のランキングは、こうなりましたー!

数も多いし、がっつりしたものが多かったので20位までやっちゃいます。

1位 藤原伊織 
「テロリストのパラソル」

江戸川乱歩賞、直木賞ダブル授賞。サスペンスと独特のお気楽さの同居、素晴らしくテンポの良い構成、そして深みを与える、大学紛争の名残り。落ち着いてよく読むとまた違う面も見えてくるが、初見は夢中になること間違いなし。

2位天童荒太「悼む人」

これは正直、積極的にはお薦め出来ない作品だ。痛快でも無い、目的が分からない、そしてオチがついているわけでもない。おまけに暗い。しかし、生と死、というテーマに対して、作者がもがいた末に表現しようとしている、と思える。理屈では無い、不思議なパワーを持った直木賞作品である。

3位朝井リョウ
「桐島、部活やめるってよ」

朝井リョウは、才を感じさせる。1位の「テロパラ」と同じように、文壇がその才能を早々に認めたのが解る気がする。正直「桐島」と同様の高校生小説はいくらでもある。が、恩田陸にも、辻村深月にも、宮下奈都にも無いものが、朝井にはある、と、思わせる。まあ読んでみましょう。すぐ読めます。

以下、このようになった。

4位金城一紀「GO」
5位山本兼一「利休にたずねよ」
6位川村元気
「世界から猫が消えたなら」
7位夏川草介「神様のカルテ2」
8位辻村深月「凍りのくじら」
9位奥泉光「シューマンの指」
10位村上春樹
「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」
11位綾辻行人「Another」(2)
12位五十嵐貴久「For You」
13位乙川優三郎「生きる」
14位西加奈子「円卓」
15位船戸与一「砂のクロニクル」(2)
16位宮下奈都「よろこびの歌」
17位桜庭一樹「荒野」
18位京極夏彦「姑獲鳥の夏」
19位東野圭吾「真夏の方程式」
20位中島京子「小さいおうち」


特別賞
江橋よしのり「世界一のあきらめない心」
城島充「ピンポンさん」

20位に入り切れなかったものでも読みごたえのあるものはたくさんあった。村上春樹の「1Q84」、横山秀夫「第三の時効」、三浦しをん「風が強く吹いている」、村山由佳「星々の舟」、貫井徳郎「乱反射」、小杉健治「父からの手紙」等々は、ランキング内に入ってもおかしくない作品だ。

特別賞の2つには、なでしこにはストレートな感激を、ピンポンには、人生という意味での心の揺れを味わうことができた。

もひとつ、舞城王太郎は、ランク外が似合う。その方がいいような気がする(笑)。

充実した上半期読書でした。さて、下半期も、読むぞ〜!

6月書評の2

暑涼しい気候。梅雨明けの暑さがちと怖い。さて2部スタート!

高田郁「残月 みをつくし料理帖」

久しぶりに出た最新刊。見てすぐ買ってしまった。前刊で良き料理人、又次を喪ったつる家。しかし事件は次々と起きる。ついに、失踪していた佐兵衛が姿を現す!

前回は、大きな災害に見舞われた巻だったが、今回もまた、次から次へと、エピソード満載の巻となっている。鼈甲珠が小憎らしい。澪もフル稼働で美味しそうな一冊。干瓢の海苔巻きが旨そうだ。

舞城王太郎「煙か土か食い物」

2001年の作品。これでメフィスト賞を受賞し舞城王太郎はデビューした。前読作「世界は密室でできている。」とよく似ているが相対的に品が良く見えてしまうのはデビュー作だからか。(笑)

ハチャメチャで暴力的で、家庭環境が陰惨、というのはパターンなのか。そして遊びを交えつつ織り込まれる大胆なトリック。ほとんどトリックのためのトリックだが考え抜かれていて、スピーディーな文体とあいまって確かにパワーを感じる。この口語を交えるセリフ回しや、やたら急ぐ雰囲気は独特なものだ。

今回もまた、大事なところは明示されなかった。うーん、面白い要素はあるだけに、そこの緻密さはもう少し・・というところか。まあ分かってやってるのだろうが、やはり動機に重きを置いて無いのがねえ、という感じだった。また、ちょっと都合良すぎるかな。

村上春樹
「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」

誰一人欠かせなかった仲良しの男女5人組。多崎つくるは、突然他の4人から拒絶されてしまう。なぜそうなったのか、16年後に、理由を求めて、つくるは動き出した。

「1Q84」に比べると、小さなエピソードを描いた作品だが、じっくり読める。初期の作品のようなフワフワ感も無い。関東への出張の時ちょうど売り出しで、東京駅の本屋の店員が声を張り上げていた。

けっこう引き込まれた。相変わらず会話は、これまでと同じように独特で、話の流れも、登場する女性達が理知的、という点でもほとんど同じ。しかし孤独と喪失というものを、種類を変えて、設定を変えて丹念に描いている。ファンタジックな部分もあるが、落ち着いた作風で、没頭できた。

泡坂妻夫「しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの神霊術」

亜愛一郎など名探偵を世に送り出した、故・泡坂妻夫のヨギ・ガンジーシリーズである。信者の多い惟霊講会という新興宗教団体に、紛れ込んだガンジー一行は、断食の行を手伝うことに。しかしその裏には・・!

あれあれという間に、いつのまにか話がうますぎる方向へ進むが、ふむまあそうか、と思えるオチがつく。1987年の作品で、冴えている部分と、当時の牧歌的な雰囲気も出ている。さらさらと読めた。皮肉でない意味で、往時の推理小説の匂いがした。

重松清「君去りしのち」

最新の文庫である。幼い我が子の突然死にいやおうなしに向き合う両親。夫は、長く会ってなかった前妻との娘とともに、旅を繰り返す。前妻は、病に犯され、余命いくばくも無い身だった。

借りた本で、「泣きますよ〜」と言われ手渡された。重松清は「春夏秋冬」シリーズを読んだだけで、長編は初めて。あの短編集はなかなかツンツンと心を衝いただけに、言われた通りぐじゅくじゅになるかも、と思ったが、程遠かった。

旅を重ねる姿は痛々しいし、そこに微妙な父娘関係が絡むのは、旅の風景とエピソードをベースに、揺れ動く心を描く設定としては良いのかもしれない。

ただ重ね過ぎてしまうと、立ち直りつつある姿の光がぼやけてしまい、どうも暗くなり過ぎて終わってしまう、という感慨を持った。

6月書評の1

土曜の晩はなでしこのドイツ戦を見た。ハイペースで真っ向勝負も、気合いの入りまくったホーム、ドイツに押し込まれての負け。でも、1年ぶりの3連戦としては悪くないと思った。リーグではキレキレの宮間がもひとつ、なのはちょっと気になったが。

さて、6月は出張が多かったせいか、11作品11冊読めた。ではスタート!

舞城王太郎「世界は密室でできている。」

英語のサブタイトルを入れるとすごく長くなるのでごかんべんを。これって初めてですな。ウワサの覆面作家、舞城王太郎も初めて。石原慎太郎や宮本輝に酷評されるという名誉に浴している(笑)方である。

これはミステリである。既存の本格ミステリに対して意図的に挑発的な。

これまで何度も書いて来たが、設定、キャラクターが面白く、興味深い謎があり、その手法を取らなければならなかったというのっぴきならない理由付きでの奇想天外なトリックがあり、引くに引けない言い訳なしの動機があり、なおかつ個性的で魅力的な探偵が鮮やかに謎を解いてみせる、推理の材料は出来るだけフェアに読者に示されなければならない、というのがミステリの理想と、目されているだろう(予想)。いやー厳しいですな。

この作品は、福井を舞台とし、方言を駆使した、アップテンポな会話風文章が大きな特徴。どことなく森見登美彦を思い出す。密室の謎はそれなりに面白いが、物語の流れに必然性がなく、犯罪の理由も、最終的な謎解きも・・。こりゃベテランは怒るかな(笑)。

でも、いまのところは、ハチャメチャに突っ走って欲しい。世間には常識があるから、きっと存在価値はある。「阿修羅ガール」も読みたいな。

辻村深月「太陽の坐る場所」

高校生たちの、生々しく、幼く、どす黒く独善的な感情と、振る舞い。10年後の現在にもつながっているものを描く。

一章ずつ主人公が変わり、それぞれの、高校時代の隠されたエピソードを紐解きながら物語が進行していく、という流行りの形である。特に女子にどろどろした感情が多く出てくる。

自分自身の高校時代は、もううすぼんやりとしたもので、部活の仲間とつるんでいた記憶があるばかり。物事を深く考えているわけではなく、田舎からちょっと都会の高校へ行った不安もあり、周囲にうまくなじめない焦りも、確かにあった。ただ多くの高校生の物語に出てくるように、多感でもなかった。

ただ、確かに女子同士の行き過ぎた確執はあったようだ。後から聞いたりしたが、女は、けっこう激しい争いをやっている。自分的には、高校の時は人気者だった男子が、就職して、いまだに、どうしてあの頃のようにうまくいかないのか、と思っているところ、また、詳細は省くが、貴恵の「殴ってやった」の下りは心に残った。

宮下奈都氏が解説で激賞しているが、人の自尊心が高いのもまた確かで説得力はあるような気がする。ただ、まあそこまで考えるか?というのもあり、最後の会話もちと背負い過ぎだな、と思う。「冷たい校舎の時はとまる」の鮮烈さから、私の感性的には、少し停滞期に入っているか。恩田陸のようでもある。しばらく間を置こう。

貫井徳郎「乱反射」

誰しも持っている、少しづつの身勝手さが積み重なって人の命が奪われる。2歳の子供が倒れた街路樹の下敷きになって亡くなった。

推理作家協会賞受賞作。アガサ・クリスティーの「オリエント急行殺人事件」の日本版、という紹介がされていたが、うーん、かなり違うと思う(笑)。

取り組みは斬新で、読む方も身につまされる事が多い、内省を求める小説である。細かな罪だけでなく、それぞれの登場人物について、家庭環境での葛藤も仔細に描きこんであり、濃厚だ。たんたんとした文章が、宮部みゆきにも似ている。事故が起こるまでが長く最初は読む速度が上がらなかった。

正直を言うと、もう少し精巧な推理小説かと思ったが、やはり設定的にフィクションだなと思えてしまう。直接の原因となった理由が・・と感じる。

後半は、前半現れた人に、新聞記者の父親が一人一人当たっていく。そこが迫真の感じを増していて、どんどん読める。微妙なものが、どうなって行くのだろうという期待を持たせて、面白かった。

西加奈子「さくら」

光り輝いていた兄ちゃん、美しくハチャメチャな妹とともに成長する次男・薫。明るかった我が家に、絶望が訪れて・・

西加奈子の出世作、である。「円卓」とはまた違った、感性の作品だ。まず会話や例えが現代口語風である。極端に言えば、今月読んだ舞城王太郎を思い起こさせる。

また、はっきりわかる特徴は、明らかに色彩を意識していること。それはまるでチャン・イーモウや北野武の映画のようでもある。表現、表現、という手法はこれまで何人かの作家に見て来たが、例えば宮下奈都に比べればそれはより口語体で思い切った、それでいて暖かいところへ着地する。

全体的に、口語を使用しているので隠れがちかも知れないが、純文学風だ。例えば村上春樹のように、関係性のあるような無いような事柄が、メインの物語を引っ張る。一つの家に起きる様々な苦難に対し愛犬さくらがその象徴として、救いをもたらす作りとなっている。ラストなどまるで芝居のようなセリフ回しである。

斬新で、より大阪チックで、ちょっとした笑いから狂気までさまざまなものをミックスしていて興味深いが、芯のところがもひとつ訴えかけて来ないような気もする。

ウイリアム・アイリッシュ
「幻の女」

アメリカの作家、ウイリアム・アイリッシュの代表作。1991年、入社したて、大阪で暮らし始めたばかりの若い私は、身の回りが落ち着くと、好きなミステリーをたくさん読もう!と心に決め、折良く出版されたハヤカワの「ミステリー・ハンドブック」を読み込んだ。その中の「読者が選ぶ海外ミステリー・ベスト100」で1位を獲得していたのが、「幻の女」だった。ランクには、「偽のデュー警部」「深夜プラス1」なども入っていて、聞いたことも無い未知のミステリーたちに出会ってワクワクしたものである。

日本では江戸川乱歩が原書を読み、「ぜひ日本でも出版すべき」と言った話は有名らしい。また、書き出しの「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」という粋な文章が、後の日本の作家たちに影響を与えたと言われている。

さて、20ウン年ぶりの再読、中身は、やはりほとんど忘れていた。最後はついに現れた幻の女を、車のヘッドライトがパッと照らして、的な感じだったと確信していたが、全く違ったので笑った。(笑)

スコット・ヘンダーソンがある夜の外出から帰って来てみると、妻が絞殺されていた。現場には彼のネクタイがあり、まずいことに、彼と妻は離婚話でもめていて、当夜も喧嘩していた。さらには彼には愛人がいた。絞殺時刻のアリバイを証明出来るのは、たまたまバーで出会い、食事してショーを一緒に観た、名も知らぬ女だけだったー。

焦れる展開、ヘンダーソンの死刑執行日が迫る!見えない魔の手、そしてきれいなドンデン返し。なるほど、古典的名作なのも分かる気がする。ま、ネタが割れてみれば、というのは有るんだけどね。

再読も、グイグイ進んだ。面白かった。読むべし!

朝井リョウ
「桐島、部活やめるってよ」

朝井リョウ、今年でまだ24歳。男性としては、史上最年少の直木賞受賞者。早稲田大学在学中、弱冠20歳の年にこの作品でデビュー、小説すばる新人賞を獲得した。

もちろん、話題性でチョイスした。前から狙っていて、先日ブックオフに出ていたので即買いしてきた。高校生の話である。

舞城王太郎、西加奈子らと同じく、生々しい面白さを感じさせる会話を織り込んでいるスタイル。しかし、その表現は、両者とはまったく違う、純文学にも近いのではないかと思える美しさ、だということだ。どれかというと宮下奈都とか安達千夏とかが好きそうな世界。彼はもっとピュアに、ストレートに衝いてくる。映画部の章は秀逸だと思う。

ちなみに、同じ高校内のタッチするかしないかの一人ずつが主人公の章立て。手法はよくあるが、ここまで関係性が薄いのも珍しいか。桐島は、各章に噂として出てくるが、桐島本人は一切登場しない。味がありますねえ。評価の高い一冊だ。