ベルリン映画祭やベネチア映画祭のように、金熊賞とか金獅子賞とか、タイトルを少し考えたが、まあ、今年はこれで行かせてもらいます。ちなみに写真は、お気に入りの店の、名物パンケーキwithフランクフルト。東京時代はだいぶお世話になった。
2012年は、73作品82冊を読み切ることができました。では、昨年よりグレードアップしてお届けしましょう(笑)。まずは読んだ作品一覧。( )の数字は巻数を表します。
冲方丁「天地明察」
沢木耕太郎「チェーン・スモーキング」
村上春樹「羊をめぐる冒険」(2)
伊吹有喜「風待ちの人」
スティーグ・ラーソン「ミレニアム」(2)
君塚良一・金沢達也「ニュース速報は流れた」
村上春樹「スプートニクの恋人」
宮部みゆき「理由」
辻村深月「冷たい校舎の時は止まる」(2)
村上春樹「うずまき猫の見つけ方」10作品
山崎豊子「沈まぬ太陽」(5)
平山讓「ファイブ」
辻村深月ほか「宇宙小説」
恩田陸「劫尽童女」
北村薫「秋の花」
北村薫「ターン」
渡辺俊介「アンダースロー論」
リチャード・コーフィールド「太陽系はここまでわかった」
伊坂幸太郎「砂漠」
宮下奈都「スコーレNo.4」
北村薫「スキップ」
ジュリアン・シモンズ「シャーロック・ホームズの復活」
葉室麟「風渡る」
三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ
「栞子さんと奇妙な客人たち 」
「栞子さんと謎めく日常 」
「栞子さんと消えない絆 」
高野和明「ジェノサイド」
百田尚樹「永遠の0」
ローリー・キング「シャーロックホームズの愛弟子 バスカヴィルの謎」
川上弘美「センセイの鞄」
隆慶一郎「一夢庵風流記」
福本豊「走らんかい!」
村上春樹「ノルウェイの森」 (2)
誉田哲也「武士道シックスティーン」
桜庭一樹「私の男」
江國香織「きらきらひかる」
道尾秀介「ソロモンの犬」
貫井徳郎「ミハスの落日」
東野圭吾「ガリレオの苦悩」
畠中恵「いっちばん」 40作品
藤波辰爾 長州力「名勝負数え唄 俺たちの昭和プロレス」
北村薫「街の灯」
北村薫「夜の蝉」
北村薫「玻璃の天」
貫井徳郎「慟哭」
マンリー・W・ウェルマン&
ウェイド・ウェルマン
「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」
東野圭吾「聖女の救済」
松谷みよ子「アカネちゃんとなみだの海」
ロバート・B・パーカー「晩秋」
伊坂幸太郎「ラッシュライフ」
窪美澄「晴天の迷いクジラ」
村上春樹「国境の南、太陽の西」
有川浩「クジラの彼」
宮本輝「葡萄と郷愁」
中山七里「おやすみラフマニノフ」
佐々木譲「廃墟に乞う」
北村薫「紙魚家崩壊」
藤島大「スポーツ発熱地図」
誉田哲也「武士道セブンティーン」
誉田哲也「武士道エイティーン」
森絵都「風に舞い上がるビニールシート」
北村薫「空飛ぶ馬」
辻村深月「鍵のない夢を見る」
柚木麻子「終点のあの子」
森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」
高田郁「みおつくし料理帖シリーズ」
「八朔の雪」
「花散らしの雨」
「想い雲」
森博嗣「すべてがFになる」
熊谷達也「邂逅の森」
三浦しをん「舟を編む」
有川浩「海の底」
有川浩「空の中」
やはり12ヶ月で見ると壮観。今年は新しい職場にも慣れたし、いいペースで読めました。では常識?と反対に、グランプリから発表しましょう!
「2012年パパ読書大賞」は ・・
熊谷達也「邂逅の森」
でした!理屈っぽい&どれかというと女性的な感覚が好きなパパからすると、だいぶ武骨な、秋田のマタギの話。雰囲気、舞台設定、話の流れと、迫力。直木賞作品。環境的に、今年他の直木賞を読んだ際、たまたま短編集が多く、がっつりしたものを求めていたタイミングでもあり、またふだん女性的な作品をたくさん読んでいるので、余計に響いた、というのも有るだろうが、唸らされた。
さて恒例のランキング。グランプリの下にランキング1位が有るのは不自然という向きもあろうが、そこはボクシングもチャンピオンの下にランキング1位が居るという事で。
2012年パパ読書ランキング
1位 村上春樹「国境の南、太陽の西」
2位 柚木麻子「終点のあの子」
3位 宮下奈都「スコーレNo.4」
4位桜庭一樹「私の男」
5位北村薫「玻璃の天」
6位辻村深月「冷たい校舎の時はとまる」
7位窪美澄「晴天の迷いクジラ」
8位北村薫「スキップ」
9位冲方丁「天地明察」
10位誉田哲也「武士道セブンティーン」
「国境の南、太陽の西」
ハルキをほんとは1位に持って来たくないのだが(笑)、感銘度、ということになるとやはり1位。自分の心に嘘はつけないな〜。
普遍のテーマに正面から斬り込むハルキの良さが出た作品だと思う。
「終点のあの子」
女子高生もの。フレッシュな心理描写に敬服。いや、みずみずしいとはこの小説のようなもののことを言うのでしょう。
「スコーレNo.4」
思い切った文章表現も好きだし、丁寧に生活と仕事と感性を描いた佳作。書評をたまたま見かけて購入した、掘り出し物。
さて、その他の賞です。
年間特別賞
平山讓「ファイブ」
バスケットボール男子、佐古賢一選手ら、JBLのアイシンに集った個性的なメンバーの物語。ノンフィクションである。個人的に感動する作品。
優秀エンタテインメント賞
三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ
有川浩「海の底」
「ビブリア」は、古書店の世界を舞台にした「古書ミステリー」とでもいうもの。知的エンタメではまった。
「海の底」は、巨大人食いエビの群れが、横須賀を襲う話。まあ面白いからホントに。騙されたと思って読んでみて、という作品。
エンタメとしては、「武士道シックスティーン」シリーズに、「みおつくし料理帖」シリーズも良かった。
意外にびっくりしたで賞
松谷みよ子「アカネちゃんとなみだの海」
ただの児童書かと思ったら、衝撃的だった一冊。うーん、作家の個人的な話だから、好き嫌いはあるかも。
おすすめハードボイルド賞
ロバート・B・パーカー
「初秋」&「晩秋」
ハードボイルド界では有名なスペンサーシリーズ。両方合わせて読むと傑作と思う。ハードでセクシィで、なおかつ親子の情を考えさせられる。
ライフワーク賞(作家)
北村薫
大ヒットした「スキップ」「ターン」「リセット」の「時と人三部作」に、「ベッキーさんシリーズ」の「街の灯」「玻璃の天」そして直木賞を受賞した「鷺と雪」の三連作。さらに円紫さんシリーズの、「空飛ぶ馬」「夜の蝉」「秋の花」・・今年全般的に、自分の読書の方向性がやや見えたが、ひとつの特徴を成すのが、北村薫であろう。品良く緻密。ここまで知的、感性的独自色を出せるミステリは珍しい。例えば「ターン」は、話としてはまずまずだが、色彩というか、全体に絵画的な印象付けのうまさに感服させられた。全体に、いつも絵が浮かぶような美しささえ感じる。今後もライフワークとなる作家となった。
いかがでしたでしょうか。
総評としては、他の作品も決して質は低くなかったと感じているし、充実した1年だったと思っている。様々な作品を推薦してくださった皆さん、本をお借りした方々に御礼申し上げます。
さあ、来年も、読むぞ〜!
2012年12月26日水曜日
12月書評
クリスマスは、今年もチーズフォンデュ。ワインを飲んで、プレゼントの、バーで動かすサッカーゲームを息子として遊んだ。
クッキーが、耳の腫瘍を手術で取った。レオンがまつわりつくので、パパとクッキー、ママと息子とレオンの取り合わせで寝ようとしたところ、息子がパパと寝たい、と号泣、結局いつものようにパパと息子、ママとクッキーとレオン、というふうにして眠る。
さて、12月もよく読んだ。では9作品の書評スタート!
森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」
山本周五郎賞、直木賞候補、本屋大賞第2位、数人がいいと言った森見登美彦の代表作である。舞台は京都、主人公は黒髪の乙女と、彼女に恋する私。まあ一言で言えば、ハチャメチャな京都の青春ファンタジー・ノベル。
最初は、マンガみたいで、正直小賢しさが鼻についた。読み進めるうち、マンガみたいなのは変わらないが、まあ慣れで親近感が出てきて、まずは面白かった。テンポとスピード感はいい。解説も無かったし、これがどの程度京都に造詣深いかは、分からない。神戸ならある程度分かるのだが。
うーん、へぇーという域を出ないが、薦めてくれた人たちと話をしたほうが良さそうだ。
高田郁「八朔の雪 みをつくし料理帖」
北川景子主演でTVドラマにもなった、「みをつくし料理帖シリーズ」の第1作。途中までは、あまり料理も作らないし暗いし、だったが、茶碗蒸しあたりから、すごく面白くなった。ちょっと泣きが多いのと、分かりやすい悪役が出てきたので、1巻めからパターンづいているが、謎が謎を呼ぶ展開で、2巻め「花散らしの雨」も早く読みたいものだ。
森博嗣「すべてがFになる」
工学博士が書いた、理系の物語。密室殺人、消えた犯人、孤島で連絡が取れない、とミステリーの王道を行く物語だが、物語のベースも、謎も、理系そのもの。10数年も前に書かれたものだけに、コンピュータ用語は、私にもついていけるくらい牧歌的な面もあるが、特殊な味付けが効いている。
この作品はシリーズの第1作で、評判を呼び、人気作になったとか。実は、ミステリーの王道をはっきりと意識して、外している点があるのだが、それを云々言うのは、もう数冊読んでみてからにしたい気がする。ミステリーの匂いがする、それなりに面白い作品だった。
高田郁「花散らしの雨 みおつくし料理帖」
「想い雲 みおつくし料理帖」
シリーズ第2作。次々と起こる災難、そして少しづつ明らかになっていく真実に、澪を中心とした、もはやみおつくしファミリー、とも言っていい人情豊かな人々が立ち向かう。単純に楽しめるし、登場人物は誰もが魅力的。また料理が庶民的で、知的好奇心も掻き立てられて面白い。「ありぇねぇ」には笑ってしまった。
3巻めには、謎についての情報がだいぶ出てくるので、先に進む気になる。料理について、新しいもの、知恵を絞った考え、という部分にも興味を惹かれる。ここまで来たら、シリーズ完読しよう。
熊谷達也「邂逅の森」
直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した作品。東北の、あるマタギの数奇な人生がテーマである。
文学、文芸というものは、しばしば理屈ではなく、作品全体が醸し出す雰囲気と迫力が評価される。ミステリなどは、奇想天外な謎にトリック、さらにそのトリックを使わなければならなかった明確な理由、そして犯罪の、のっぴきならない動機、などが求められるし、のみならず、探偵役が魅力的であること、とか、設定の妙まで評価の対象となったりする。
通常の小説でも、意味合い、不幸と幸福のさじ加減、構成の噛み合い、などの分析をする傾向もあるが、時にそれをも凌駕するものが表れる。絵画や彫刻でも同じかと思うが、作品から立ち昇る力強さ、清冽な感覚、などはやはり中心となるべきものだろう。
前置きが長くなったが、「邂逅の森」は、そのような作品だ。最初はあまりに骨っぽく荒っぽい、前時代的なマタギの姿にやや引いたが、主人公富治の数奇な運命と、まっすぐに立ち向かう姿、そして人生の中での、確立されたもの、そして熊との迫真の対決。それらは、やはり丹念にマタギ、というものを、ベースとしてしっかり表現しているからこそ、活きるのだろう。
最後の、宿命の対決は必然である。そう思わせるものがこの作品にはある。全体として、やや偶然性が高い部分もあるし、後半はだいぶ誘導的な匂いが強いのだが、問題にならないと思う。「邂逅の森」は実に力強く、鮮烈である。
三浦しをん「舟を編む」
2012年本屋大賞。2位が「ジェノサイド」だから、今年は本屋大賞の1位2位を読んだことになる。友人2人から、熱烈に薦められた、辞書編集の話である。
確かに、エンタテインメントとして、また知的好奇心を満足させるものとして、面白かったし、ところどころ「上手い」と思ったが、正直感動は、あまり無かった。その理由は、「波がない」ことに尽きるだろう。
有川浩「海の底」
突如横須賀に、巨大人食いエビが大量に出現した。警察と自衛隊が立ち向かう中、潜水艦に取り残された、幹部実習生2人と10人の子供たち。その運命は!
有川浩初期の、自衛隊三部作である。三部作の外伝が「クジラの彼」だ。
いやーメチャクチャ面白かった。睡眠時間を削って読み、寝不足になった。ドラマ自体はヒューマンチックなのだが、なにしろ突飛な設定と、自衛隊の詳細な描写が面白い。傑作なエンタメだ。理屈は無用、昨年恩田陸「ドミノ」を読んだのと同じ感覚。読んでみるべし。
有川浩「空の中」
「海の底」の前作。航空自衛隊の話。未確認の生物体が上空に現れて・・という話。ちょっと理屈が勝ち過ぎて難解な部分もあるが、面白かった。「海の底」と違い、人類の相手も、愛せるという違いがある。ディックもフェイクも愛嬌があるし、土佐弁がまたいい。
はい。まあ読んでみるべし!
てな感じでした。よく進んだ12月。思ったより濃密な読書が出来た。次回はいよいよ大賞発表!
クッキーが、耳の腫瘍を手術で取った。レオンがまつわりつくので、パパとクッキー、ママと息子とレオンの取り合わせで寝ようとしたところ、息子がパパと寝たい、と号泣、結局いつものようにパパと息子、ママとクッキーとレオン、というふうにして眠る。
さて、12月もよく読んだ。では9作品の書評スタート!
森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」
山本周五郎賞、直木賞候補、本屋大賞第2位、数人がいいと言った森見登美彦の代表作である。舞台は京都、主人公は黒髪の乙女と、彼女に恋する私。まあ一言で言えば、ハチャメチャな京都の青春ファンタジー・ノベル。
最初は、マンガみたいで、正直小賢しさが鼻についた。読み進めるうち、マンガみたいなのは変わらないが、まあ慣れで親近感が出てきて、まずは面白かった。テンポとスピード感はいい。解説も無かったし、これがどの程度京都に造詣深いかは、分からない。神戸ならある程度分かるのだが。
うーん、へぇーという域を出ないが、薦めてくれた人たちと話をしたほうが良さそうだ。
高田郁「八朔の雪 みをつくし料理帖」
北川景子主演でTVドラマにもなった、「みをつくし料理帖シリーズ」の第1作。途中までは、あまり料理も作らないし暗いし、だったが、茶碗蒸しあたりから、すごく面白くなった。ちょっと泣きが多いのと、分かりやすい悪役が出てきたので、1巻めからパターンづいているが、謎が謎を呼ぶ展開で、2巻め「花散らしの雨」も早く読みたいものだ。
森博嗣「すべてがFになる」
工学博士が書いた、理系の物語。密室殺人、消えた犯人、孤島で連絡が取れない、とミステリーの王道を行く物語だが、物語のベースも、謎も、理系そのもの。10数年も前に書かれたものだけに、コンピュータ用語は、私にもついていけるくらい牧歌的な面もあるが、特殊な味付けが効いている。
この作品はシリーズの第1作で、評判を呼び、人気作になったとか。実は、ミステリーの王道をはっきりと意識して、外している点があるのだが、それを云々言うのは、もう数冊読んでみてからにしたい気がする。ミステリーの匂いがする、それなりに面白い作品だった。
高田郁「花散らしの雨 みおつくし料理帖」
「想い雲 みおつくし料理帖」
シリーズ第2作。次々と起こる災難、そして少しづつ明らかになっていく真実に、澪を中心とした、もはやみおつくしファミリー、とも言っていい人情豊かな人々が立ち向かう。単純に楽しめるし、登場人物は誰もが魅力的。また料理が庶民的で、知的好奇心も掻き立てられて面白い。「ありぇねぇ」には笑ってしまった。
3巻めには、謎についての情報がだいぶ出てくるので、先に進む気になる。料理について、新しいもの、知恵を絞った考え、という部分にも興味を惹かれる。ここまで来たら、シリーズ完読しよう。
熊谷達也「邂逅の森」
直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した作品。東北の、あるマタギの数奇な人生がテーマである。
文学、文芸というものは、しばしば理屈ではなく、作品全体が醸し出す雰囲気と迫力が評価される。ミステリなどは、奇想天外な謎にトリック、さらにそのトリックを使わなければならなかった明確な理由、そして犯罪の、のっぴきならない動機、などが求められるし、のみならず、探偵役が魅力的であること、とか、設定の妙まで評価の対象となったりする。
通常の小説でも、意味合い、不幸と幸福のさじ加減、構成の噛み合い、などの分析をする傾向もあるが、時にそれをも凌駕するものが表れる。絵画や彫刻でも同じかと思うが、作品から立ち昇る力強さ、清冽な感覚、などはやはり中心となるべきものだろう。
前置きが長くなったが、「邂逅の森」は、そのような作品だ。最初はあまりに骨っぽく荒っぽい、前時代的なマタギの姿にやや引いたが、主人公富治の数奇な運命と、まっすぐに立ち向かう姿、そして人生の中での、確立されたもの、そして熊との迫真の対決。それらは、やはり丹念にマタギ、というものを、ベースとしてしっかり表現しているからこそ、活きるのだろう。
最後の、宿命の対決は必然である。そう思わせるものがこの作品にはある。全体として、やや偶然性が高い部分もあるし、後半はだいぶ誘導的な匂いが強いのだが、問題にならないと思う。「邂逅の森」は実に力強く、鮮烈である。
三浦しをん「舟を編む」
2012年本屋大賞。2位が「ジェノサイド」だから、今年は本屋大賞の1位2位を読んだことになる。友人2人から、熱烈に薦められた、辞書編集の話である。
確かに、エンタテインメントとして、また知的好奇心を満足させるものとして、面白かったし、ところどころ「上手い」と思ったが、正直感動は、あまり無かった。その理由は、「波がない」ことに尽きるだろう。
有川浩「海の底」
突如横須賀に、巨大人食いエビが大量に出現した。警察と自衛隊が立ち向かう中、潜水艦に取り残された、幹部実習生2人と10人の子供たち。その運命は!
有川浩初期の、自衛隊三部作である。三部作の外伝が「クジラの彼」だ。
いやーメチャクチャ面白かった。睡眠時間を削って読み、寝不足になった。ドラマ自体はヒューマンチックなのだが、なにしろ突飛な設定と、自衛隊の詳細な描写が面白い。傑作なエンタメだ。理屈は無用、昨年恩田陸「ドミノ」を読んだのと同じ感覚。読んでみるべし。
有川浩「空の中」
「海の底」の前作。航空自衛隊の話。未確認の生物体が上空に現れて・・という話。ちょっと理屈が勝ち過ぎて難解な部分もあるが、面白かった。「海の底」と違い、人類の相手も、愛せるという違いがある。ディックもフェイクも愛嬌があるし、土佐弁がまたいい。
はい。まあ読んでみるべし!
てな感じでした。よく進んだ12月。思ったより濃密な読書が出来た。次回はいよいよ大賞発表!
2012年12月17日月曜日
転倒
土曜日の夜、さあ寝ようと階下へ降りた際、階段の最後の一段を踏み外し、横ざまに倒れて、その下の、緩やかな3段の別階段を滑り落ちた。
物音にびっくりした犬と妻が寝室から飛び出て来た。最後の一段は滑って踏み外したわけではなく、その上の段が最後、つまり床のレベルだと勘違いして踏み出したら、都合2段分足が下へ行き、さすがに咄嗟には対応できず、バランスを崩してしまったわけである。
うつ伏せ気味の横ざまに倒れた時、咄嗟に右腕の肘から下で全体重を支えたために、加速度のついた自重を受け止めた、上腕部の筋肉が悲鳴を上げた。
さらに翌日日曜日の昼、犬の散歩を兼ねた投票から帰った際、レオンを2階に上げようと緩やかな階段を昇った瞬間、足を滑らせて腰から落ち、また3段の階段をズルズルと滑り落ちた。クッキーが廊下にしたオシッコを発見してちょっとあせったのだろうか、あっ!と言った瞬間に滑った。
バンテリンを塗って寝たら上腕部の痛みは、日曜日夕方にはかなり和らいだが、腰骨の後ろ側がまだ触ると痛い。今夜またバンテリンしよう。
変な話だが、運動のための運動はしていないものの、やんちゃな息子と格闘遊びその他をしているのが多少助けになったようだ。子どもは手加減を知らない部分もあるから、うまく受け止めないと痛い打撃もあるし、ジャンプして乗っかって来たりするので、腹筋や大胸筋、上腕に力を入れるし、パパの身体もそうそう楽はしてないのである。(笑)。ボールあそびで反射神経と脚は鍛えられるし。身体はまだまだ身を守る程度には硬い。
昔、息子が幼稚園に入って間もない頃、抱っこしたまま階段を上から下まで滑り落ちたことがある。この時は息子を守ろうと、抱っこの体勢を崩さなかったために、腕、脚、背中にダメージを負った。幸い息子は無傷だったし、打身で済んだが。そしてその年のクリスマス、友人の家の階段で、息子を抱えて、同じように滑って落ちた。こちらは、階段、床ともに軟らかい素材の造りだったのでダメージはなし。
しかしそれから、息子を抱っこして何をするにも、かなり慎重になったのは確かである。2回めの後は遅い、という声もあろうが(笑)。
今回は、息子とは関係無いところでの事故だが、これでまた慎重になれるだろう。トホホ。
この土日は、仮面ライダーの映画を見に行って、深夜読みかけの本を完読し、IKEAでランチ買い物、ランチパパ長い席取り待ちの間に、「2012年パパ読書大賞」の上位作品をあらかた決めてしまい、その後トイざらスで買い物とポケモントレッタして帰った。雨がちな、痛い終末。
選挙結果が興味深い。自民から民主への政権交代は、長く与党として君臨した自民に対して、お灸をすえたような意味合いがあったと私は思っている。しかし民主党は、予想された通り学生民主主義で、勢いはあったが理念先行、人間関係の悪さも露わ、勢いを政権与党の実務には活かせなかった、という印象が強い。維新も国政の議席を得て、明日からどうなるのかな。
腰が痛い。寝よう。
物音にびっくりした犬と妻が寝室から飛び出て来た。最後の一段は滑って踏み外したわけではなく、その上の段が最後、つまり床のレベルだと勘違いして踏み出したら、都合2段分足が下へ行き、さすがに咄嗟には対応できず、バランスを崩してしまったわけである。
うつ伏せ気味の横ざまに倒れた時、咄嗟に右腕の肘から下で全体重を支えたために、加速度のついた自重を受け止めた、上腕部の筋肉が悲鳴を上げた。
さらに翌日日曜日の昼、犬の散歩を兼ねた投票から帰った際、レオンを2階に上げようと緩やかな階段を昇った瞬間、足を滑らせて腰から落ち、また3段の階段をズルズルと滑り落ちた。クッキーが廊下にしたオシッコを発見してちょっとあせったのだろうか、あっ!と言った瞬間に滑った。
バンテリンを塗って寝たら上腕部の痛みは、日曜日夕方にはかなり和らいだが、腰骨の後ろ側がまだ触ると痛い。今夜またバンテリンしよう。
変な話だが、運動のための運動はしていないものの、やんちゃな息子と格闘遊びその他をしているのが多少助けになったようだ。子どもは手加減を知らない部分もあるから、うまく受け止めないと痛い打撃もあるし、ジャンプして乗っかって来たりするので、腹筋や大胸筋、上腕に力を入れるし、パパの身体もそうそう楽はしてないのである。(笑)。ボールあそびで反射神経と脚は鍛えられるし。身体はまだまだ身を守る程度には硬い。
昔、息子が幼稚園に入って間もない頃、抱っこしたまま階段を上から下まで滑り落ちたことがある。この時は息子を守ろうと、抱っこの体勢を崩さなかったために、腕、脚、背中にダメージを負った。幸い息子は無傷だったし、打身で済んだが。そしてその年のクリスマス、友人の家の階段で、息子を抱えて、同じように滑って落ちた。こちらは、階段、床ともに軟らかい素材の造りだったのでダメージはなし。
しかしそれから、息子を抱っこして何をするにも、かなり慎重になったのは確かである。2回めの後は遅い、という声もあろうが(笑)。
今回は、息子とは関係無いところでの事故だが、これでまた慎重になれるだろう。トホホ。
この土日は、仮面ライダーの映画を見に行って、深夜読みかけの本を完読し、IKEAでランチ買い物、ランチパパ長い席取り待ちの間に、「2012年パパ読書大賞」の上位作品をあらかた決めてしまい、その後トイざらスで買い物とポケモントレッタして帰った。雨がちな、痛い終末。
選挙結果が興味深い。自民から民主への政権交代は、長く与党として君臨した自民に対して、お灸をすえたような意味合いがあったと私は思っている。しかし民主党は、予想された通り学生民主主義で、勢いはあったが理念先行、人間関係の悪さも露わ、勢いを政権与党の実務には活かせなかった、という印象が強い。維新も国政の議席を得て、明日からどうなるのかな。
腰が痛い。寝よう。
2012年12月14日金曜日
清い匂い
生まれ育ったのは、平地田んぼの真ん中。山はよく見えたが、山も海も近いとは言えなかった。
前の家も、今の家も、降りるバス停は渓谷のような川のそばで、夜降り立ったときには、渓流独特の匂いを含んだ空気が漂う。昔家族で山に遊びに行ったとき嗅いで、ワクワクした香り。好きである。
平地より数度は気温が低く、清冽な外気。広い空には、賑やかな冬の星座がさんざめく。その中を帰って、温かい晩御飯。
今は夏のことは考えたくない。嫌いではない、冬の生活である。
前の家も、今の家も、降りるバス停は渓谷のような川のそばで、夜降り立ったときには、渓流独特の匂いを含んだ空気が漂う。昔家族で山に遊びに行ったとき嗅いで、ワクワクした香り。好きである。
平地より数度は気温が低く、清冽な外気。広い空には、賑やかな冬の星座がさんざめく。その中を帰って、温かい晩御飯。
今は夏のことは考えたくない。嫌いではない、冬の生活である。
2012年12月9日日曜日
寒風に暖
幼稚園の頃、冬に、息子が習ったばかりの「北風小僧のかんたろう」を散歩しながら一緒に歌っていたら、道行くおばさまに微笑みかけられた、という想い出がある。冬場は息子が一度二度は熱を出すし、新型インフルエンザにもかかったしで、そういえば徹夜看病もよくしたが、小学生になってからは倒れてないな。
日本列島が冷え込む中、東京へ出張。今回は、独身の竹馬の友に泊めてもらった。時間があったので、渋谷へ出て、ブックオフで本を買い込み、タワーレコードでグレン・グールドのバッハ、ゴルドベルグ変奏曲を購入。バッハのピアノ曲はすごくいい、とのクラシック友達の弁を聞いて、欲しかったからとても嬉しい。
その後、くだんの友人の帰りを少し待つことになったが、駅の近くの美味いコーヒー屋でコロンビア2杯、読書三昧で幸せな時間を過ごし、また帰ってきた美食家の彼と美味い本格ピザの店でベルギービールの夕べ。写真は焼き玉葱。気のおけない会話に、小粋な晩ごはん。そして居心地のいい部屋。楽しかった。朝には、富士山が見えた。またお願いしよう(笑)。
帰りの新幹線まで、ひたすら読み込む。シリーズものは早いが、森博嗣「すべてがFになる」、高田郁「みおつくし料理帖」シリーズ2冊読み終えて、3日でほぼ3冊。都合1000ページ近くを読破してしまった。今月はもう5冊読了。結構なハイペースだ。
外は寒い!大雪が降るとかで帰ってきた大阪は3度!シャツの上にカーディガン、その上に冬ジャケット、そしてダウン、靴下は手持ちで最厚のものにマフラーの完全防備でも寒い。ひゅーっ。でも、今年最後の出張は、「みおつくし」を含めてほっこりとした、いい2日間でした。
日本列島が冷え込む中、東京へ出張。今回は、独身の竹馬の友に泊めてもらった。時間があったので、渋谷へ出て、ブックオフで本を買い込み、タワーレコードでグレン・グールドのバッハ、ゴルドベルグ変奏曲を購入。バッハのピアノ曲はすごくいい、とのクラシック友達の弁を聞いて、欲しかったからとても嬉しい。
その後、くだんの友人の帰りを少し待つことになったが、駅の近くの美味いコーヒー屋でコロンビア2杯、読書三昧で幸せな時間を過ごし、また帰ってきた美食家の彼と美味い本格ピザの店でベルギービールの夕べ。写真は焼き玉葱。気のおけない会話に、小粋な晩ごはん。そして居心地のいい部屋。楽しかった。朝には、富士山が見えた。またお願いしよう(笑)。
帰りの新幹線まで、ひたすら読み込む。シリーズものは早いが、森博嗣「すべてがFになる」、高田郁「みおつくし料理帖」シリーズ2冊読み終えて、3日でほぼ3冊。都合1000ページ近くを読破してしまった。今月はもう5冊読了。結構なハイペースだ。
外は寒い!大雪が降るとかで帰ってきた大阪は3度!シャツの上にカーディガン、その上に冬ジャケット、そしてダウン、靴下は手持ちで最厚のものにマフラーの完全防備でも寒い。ひゅーっ。でも、今年最後の出張は、「みおつくし」を含めてほっこりとした、いい2日間でした。
2012年12月2日日曜日
In December
早いもので、今年も師走。こないだまで外仕事が暑くてたまらなかったのに。年賀状の心配もしなくては。
金土日と3連休を取りのんびり。金曜は妻とユニクロ行って、当座の足りないものを買って、昼ご飯食べて帰った。妻はサバ塩焼き定食、パパはアジフライ定食。サバが小さくアジフライがデカかったので、2つある内1つの半分をあげた。あれこれ他にも用事を済ませて、帰りに学校から帰宅途中の息子とばったり。ギリギリセーフだった。
金曜の風呂で、息子が突然気分が悪くなり、早々に寝かせた。幸い、おそらく寝不足が原因で、熱も出ず、翌日は予定通りイナズマイレブンと段ボール戦機のコラボ映画を観に行っていたが、日曜日にパパと行くと言ってた、ポケモントレッタのお出掛けは取り止めで、パパは金曜の午後から一歩も外へ出ず、ゆっくりしていた。また日曜日は寒かったし。
さて、スポーツ2つ。インカレバスケットは、女子は大体大が勝ち、男子は、なんと王者青山学院大が敗れ、東海大が優勝した。青学に最後まで必死さが見られなかったのは、王者ゆえ冷静なプレーを心掛けたからか。
Jリーグでは、ガンバ大阪とヴイッセル神戸がJ2落ち。今年の関西スポーツ界はダメだったなあ。それにしても、いつか上がってくるさと思っていたら、遂に最後まで抜け出せなかったガンバ。監督のコメントを読む限り、どうもポゼッションにこだわっていたようだが、私はリーグワースト2位の失点を記録した守備に、致命的な欠陥があったのではと思う。関西4チームのうち、来季は3チームがJ2。あーあ。
「美の巨人」が、カラバッジョだったので観た。去年の夏、借りた本で、ルネサンス期から、バロックの宗教画を見て名前を覚えた。カラバッジョ、ティツィアーノ、イオあたりは好きである。カラバッジョは、ものすごく写実的で、光が強烈で、迫力があって、上手い。いつか本物を見たいものだ。
12月の読書は、森見登志彦「夜は短し歩けよ乙女」だが、なかなか進まない。人によって評価分かれてるようだが、今のところ、うーん、である。次は森博嗣「すべてがFになる」の予定。
写真は、長年使って、カビや汚れがついた、お風呂のおもちゃを、ハイターして、屋上で干したところ。入浴剤の中に入っていたヒーローやポケモンのミニフィギュアが、気が付いてみればものすごく多い。でもこうしてみると可愛さもある。さて、いつまで遊ぶことやら。
その屋上からは、街の夜景と、広い空が見える。この、半円パノラマのような光景が気に入っている。よくある表現だが、空が近くなったようだ。マンションひしめく中とは違う光景。来年たくさんいいことありますようにと、早くも祈り始めてたりする。あ、天文年鑑買わなくちゃあ。今年の内に、を忘れぬように。
金土日と3連休を取りのんびり。金曜は妻とユニクロ行って、当座の足りないものを買って、昼ご飯食べて帰った。妻はサバ塩焼き定食、パパはアジフライ定食。サバが小さくアジフライがデカかったので、2つある内1つの半分をあげた。あれこれ他にも用事を済ませて、帰りに学校から帰宅途中の息子とばったり。ギリギリセーフだった。
金曜の風呂で、息子が突然気分が悪くなり、早々に寝かせた。幸い、おそらく寝不足が原因で、熱も出ず、翌日は予定通りイナズマイレブンと段ボール戦機のコラボ映画を観に行っていたが、日曜日にパパと行くと言ってた、ポケモントレッタのお出掛けは取り止めで、パパは金曜の午後から一歩も外へ出ず、ゆっくりしていた。また日曜日は寒かったし。
さて、スポーツ2つ。インカレバスケットは、女子は大体大が勝ち、男子は、なんと王者青山学院大が敗れ、東海大が優勝した。青学に最後まで必死さが見られなかったのは、王者ゆえ冷静なプレーを心掛けたからか。
Jリーグでは、ガンバ大阪とヴイッセル神戸がJ2落ち。今年の関西スポーツ界はダメだったなあ。それにしても、いつか上がってくるさと思っていたら、遂に最後まで抜け出せなかったガンバ。監督のコメントを読む限り、どうもポゼッションにこだわっていたようだが、私はリーグワースト2位の失点を記録した守備に、致命的な欠陥があったのではと思う。関西4チームのうち、来季は3チームがJ2。あーあ。
「美の巨人」が、カラバッジョだったので観た。去年の夏、借りた本で、ルネサンス期から、バロックの宗教画を見て名前を覚えた。カラバッジョ、ティツィアーノ、イオあたりは好きである。カラバッジョは、ものすごく写実的で、光が強烈で、迫力があって、上手い。いつか本物を見たいものだ。
12月の読書は、森見登志彦「夜は短し歩けよ乙女」だが、なかなか進まない。人によって評価分かれてるようだが、今のところ、うーん、である。次は森博嗣「すべてがFになる」の予定。
写真は、長年使って、カビや汚れがついた、お風呂のおもちゃを、ハイターして、屋上で干したところ。入浴剤の中に入っていたヒーローやポケモンのミニフィギュアが、気が付いてみればものすごく多い。でもこうしてみると可愛さもある。さて、いつまで遊ぶことやら。
その屋上からは、街の夜景と、広い空が見える。この、半円パノラマのような光景が気に入っている。よくある表現だが、空が近くなったようだ。マンションひしめく中とは違う光景。来年たくさんいいことありますようにと、早くも祈り始めてたりする。あ、天文年鑑買わなくちゃあ。今年の内に、を忘れぬように。
2012年12月1日土曜日
11月書評
11月は7冊。途中忙しかったが、思ったより読めた。では行って見ましょう!
藤島大「スポーツ発熱地図」
土地とスポーツの結び付きを追って旅する、エッセイ集である。「○○に熱い町」というのが意外に多くて、微笑ましくていい。フェンシングやソフトテニスの話は面白かった。酒と食べ物の紹介もあって、楽しいスポーツ紀行ものだと思う。バスケットをやってた身としては、やっぱ能代に行ってみたいなあ!
誉田哲也「武士道セブンティーン」
映画化もされた、「武士道シックスティーン」の続編である。各方面から好評の声を聞く。かつては同じチームで、離ればなれになった2人の女子剣士には、それぞれに苦難があって・・という話。
主人公の1人、早苗が転校したのは、福岡にある、剣道のチョー名門校で、そこには、早苗の親友にしてライバル、全中準優勝者の香織を、決勝で破ったレナがいて、という流れである。
元々この物語の良さはキャラ設定の妙に尽きる、と思っていたが、新キャラクター、博多弁の剣士、レナも、とてもいい。物語的には、あれ?と思うところもあったが、でも上質のエンタテインメントだと思う。
誉田哲也「武士道エイティーン」
こちらも、あっと言う間に読みました。完結編。スピンオフ作品もあり、楽しめる。やはり香織の独白部分のセリフは秀逸。レナ目線も欲しかったかな。「ナインティーン」も、無いことはないらしいので、当てにせず、楽しみに待とう。
森絵都「風に舞い上がるビニールシート」
なんかいい本無いかなと、最近の直木賞受賞作をiphoneで見ながらブックオフで探していたら、行き当たった作品。ある意味奇妙な人の、短編集である。これは、普通の人の人生におけるふとした暗部に光を当てる、ライトな作品かなと思った。最初は。
しかし、途中からは趣きが変わった気がする。6つのうち、3つは前者、ひとつは、何故か重松清風、もう2つは、決して綺麗なだけではない、未来思考ものとなっていて、幅の広さを感じさせる。それにしても、昨今は、女性作家の方が、大胆だ。読めば読むほど、その感は強まる。
ただ、短編集では作家の本当のクセは分からないと感じている。次は長編を読んでみよう。
北村薫「空飛ぶ馬」
北村薫のデビュー作である。この時点では、作者の詳しいプロフィールは明かされておらず、女子大生が主人公であることから、若い女性作家が書いていると思った人もいたようだ。
北村薫を代表するシリーズ、円紫さんシリーズの第一 作でもある。日常に潜む、時にぞっとする謎を、神の視座をも持っているのではないかと思える落語家・円紫が次々と解いていく。ミステリに分類されているが、私はそうではないと思う。文学、落語のうんちくも、半端ではない。
しかし、北村薫は、特殊だ。はっきりとしたテイストを持っていて、はまる人ははまるだろう。一方理屈っぽく品もいいので、敬遠する人も居るだろう。私は好きである。またちょくちょく、「六の宮の姫君」とか「ひとがた流し」とかを読むだろう。
辻村深月「鍵のない夢をみる」
直木賞受賞作品。短編集である。ふうむむ、という感じだ。ここ最近、3冊の直木賞受賞作を読んだが、いずれも短編集だった。内ひとつは連作。そういえば、北村薫の「鷺と雪」も短編連作だ。こちらは短編連作のシリーズ3作めだった。
他の2冊、つまり森絵都「風に舞い上がるビニールシート」と、この作品は、なんら連関の無い短編集。正直に言うと評価に困る。
作家的に言うと、短編の方が小説技巧についてはより分かる、という話は聞いたことがある。収録作品間のテイストやまとまりも見ているのだろう。が、直木賞はやっぱドカンと大作を読みたいのが本音だ。せめて全体として何かが見えるようであって欲しい。私も、まだまだ修行が必要なようだ(笑)。
柚木麻子「終点のあの子」
これも短編集。しかし編ごとに主人公が移る、連作だ。東京、小田急沿線沿いにあるお嬢様女子校が舞台の、友情ものである。
女子と言わず男子でも、やはり友人、については色々有るものだ。全てが丸く収まる話ではないが、オチが微笑ましくついて、それが、解決のつかなかった物語の先をも予感させる。何より未熟な女子高生を未熟なまま描いている子供っぽさと、じれったさ、大げさに言えば瑞々しさが心地良く、久々に、次は次はと読んでしまった。面白かった。
最初のひとつ、「フォゲットミー、ノットブルー」がオール讀物新人賞を受賞し、短編を足した、初の単行本だそうだ。また選択肢が、ひとつ増えた気分だ。
11月終了時点で64冊。いよいよ来月で2012年の読書は終了。大賞発表だ(笑)。楽しく振り返ることが出来ればいいな。
藤島大「スポーツ発熱地図」
土地とスポーツの結び付きを追って旅する、エッセイ集である。「○○に熱い町」というのが意外に多くて、微笑ましくていい。フェンシングやソフトテニスの話は面白かった。酒と食べ物の紹介もあって、楽しいスポーツ紀行ものだと思う。バスケットをやってた身としては、やっぱ能代に行ってみたいなあ!
誉田哲也「武士道セブンティーン」
映画化もされた、「武士道シックスティーン」の続編である。各方面から好評の声を聞く。かつては同じチームで、離ればなれになった2人の女子剣士には、それぞれに苦難があって・・という話。
主人公の1人、早苗が転校したのは、福岡にある、剣道のチョー名門校で、そこには、早苗の親友にしてライバル、全中準優勝者の香織を、決勝で破ったレナがいて、という流れである。
元々この物語の良さはキャラ設定の妙に尽きる、と思っていたが、新キャラクター、博多弁の剣士、レナも、とてもいい。物語的には、あれ?と思うところもあったが、でも上質のエンタテインメントだと思う。
誉田哲也「武士道エイティーン」
こちらも、あっと言う間に読みました。完結編。スピンオフ作品もあり、楽しめる。やはり香織の独白部分のセリフは秀逸。レナ目線も欲しかったかな。「ナインティーン」も、無いことはないらしいので、当てにせず、楽しみに待とう。
森絵都「風に舞い上がるビニールシート」
なんかいい本無いかなと、最近の直木賞受賞作をiphoneで見ながらブックオフで探していたら、行き当たった作品。ある意味奇妙な人の、短編集である。これは、普通の人の人生におけるふとした暗部に光を当てる、ライトな作品かなと思った。最初は。
しかし、途中からは趣きが変わった気がする。6つのうち、3つは前者、ひとつは、何故か重松清風、もう2つは、決して綺麗なだけではない、未来思考ものとなっていて、幅の広さを感じさせる。それにしても、昨今は、女性作家の方が、大胆だ。読めば読むほど、その感は強まる。
ただ、短編集では作家の本当のクセは分からないと感じている。次は長編を読んでみよう。
北村薫「空飛ぶ馬」
北村薫のデビュー作である。この時点では、作者の詳しいプロフィールは明かされておらず、女子大生が主人公であることから、若い女性作家が書いていると思った人もいたようだ。
北村薫を代表するシリーズ、円紫さんシリーズの第一 作でもある。日常に潜む、時にぞっとする謎を、神の視座をも持っているのではないかと思える落語家・円紫が次々と解いていく。ミステリに分類されているが、私はそうではないと思う。文学、落語のうんちくも、半端ではない。
しかし、北村薫は、特殊だ。はっきりとしたテイストを持っていて、はまる人ははまるだろう。一方理屈っぽく品もいいので、敬遠する人も居るだろう。私は好きである。またちょくちょく、「六の宮の姫君」とか「ひとがた流し」とかを読むだろう。
辻村深月「鍵のない夢をみる」
直木賞受賞作品。短編集である。ふうむむ、という感じだ。ここ最近、3冊の直木賞受賞作を読んだが、いずれも短編集だった。内ひとつは連作。そういえば、北村薫の「鷺と雪」も短編連作だ。こちらは短編連作のシリーズ3作めだった。
他の2冊、つまり森絵都「風に舞い上がるビニールシート」と、この作品は、なんら連関の無い短編集。正直に言うと評価に困る。
作家的に言うと、短編の方が小説技巧についてはより分かる、という話は聞いたことがある。収録作品間のテイストやまとまりも見ているのだろう。が、直木賞はやっぱドカンと大作を読みたいのが本音だ。せめて全体として何かが見えるようであって欲しい。私も、まだまだ修行が必要なようだ(笑)。
柚木麻子「終点のあの子」
これも短編集。しかし編ごとに主人公が移る、連作だ。東京、小田急沿線沿いにあるお嬢様女子校が舞台の、友情ものである。
女子と言わず男子でも、やはり友人、については色々有るものだ。全てが丸く収まる話ではないが、オチが微笑ましくついて、それが、解決のつかなかった物語の先をも予感させる。何より未熟な女子高生を未熟なまま描いている子供っぽさと、じれったさ、大げさに言えば瑞々しさが心地良く、久々に、次は次はと読んでしまった。面白かった。
最初のひとつ、「フォゲットミー、ノットブルー」がオール讀物新人賞を受賞し、短編を足した、初の単行本だそうだ。また選択肢が、ひとつ増えた気分だ。
11月終了時点で64冊。いよいよ来月で2012年の読書は終了。大賞発表だ(笑)。楽しく振り返ることが出来ればいいな。
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